◆病名別分類(医療用医薬品<成分名>)ー早めの予防・治療を!◆
※このページでは病名についての簡単な解説と使用されるお薬の成分について記載しています。医師・薬剤師の指示に従って、早めの予防・治療を心がけましょう!(
記載内容につきましては担当の医師・薬剤師にご確認の上、判断なさるようお願いいたします)
★皮膚炎★
皮膚は人体のもっとも表面にあり、からだの外からのいろいろな作用を受けます。いろいろな刺激物やかぶれやすい物質に触れることもあり、このようなときに皮膚におこった反応が、湿疹とか皮膚炎とか呼ばれるものです。
かぶれやすい体質的な要因をもった人におこったかぶれを湿疹、はっきりとした外因が皮膚に加わっておこったかぶれを皮膚炎と区別して呼びます。
しかしながら、近年のアレルギーの考え方から、皮膚炎と湿疹を区別することはむずかしく、現在では同じ意味で用いられます。
蕁麻疹を湿疹とまちがう人がいますが、湿疹の場合には、発疹が出たままで、消えたり現れたりしません。
◆湿疹の生じ方
かぶれの原因となる物質を、接触性抗原またはアレルゲンといいます。
抗原の多くは、接触して皮膚から吸収されると、組織内の蛋白質と結合し、表皮の細胞の一つであるランゲルハンス細胞にとりこまれます。
この蛋白と結合した抗原が、皮膚のリンパ組織に運ばれリンパ節に達すると、Tリンパ球に、抗原であるという情報が伝達されます。Tリンパ球にこの情報が伝達されると、Tリンパ球は、同じ抗原が体内に入ってくると同一の抗原であることを識別できるようになります。
この状態を感作が成立したといい、その抗原に対応する抗体を体内にもったことになります。
感作されたTリンパ球が皮膚に存在するときに、再び同じ抗原が入ってくると、抗原と抗体の間で反応がおこります。これを抗原抗体反応と呼びます。この反応がおこると皮膚にリンホカインという物質が発生してきます。このリンホカインが、湿疹と呼ぶ病変をひきおこすのです。
◆主な湿疹
・接触皮膚炎;かぶれる物質に触れたためにおこる湿疹。刺激のほかに、アレルギー反応としておこる場合と同じ物質に長期間触れたためにおこる場合とがある。
・アトピー性皮膚炎;遺伝による先天的なアレルギー体質の人におこる湿疹。
・脂漏性皮膚炎;皮脂の分泌が多い部位にできる湿疹。
・ビダール苔癬;中年女性のうなじにできることの多い原因不明の湿疹。
・貨幣状湿疹;硬貨のような円形をした発疹ができる湿疹。
・自家感作性皮膚炎;不適切な治療で皮膚炎が変化して変化しておこる湿疹。
・手湿疹;手だけにおこる接触皮膚炎。
★おむつかぶれ;尿に含まれている尿素が細菌によって分解され、その結果、発生するアンモニアの刺激で皮膚に炎症がおこります。大腿(太もも)の内側、臀部、陰部などのおしめをあてている部分が赤くなって、ただれ、小さな丘疹ができます。ときに、小水疱や小膿庖が発生することもあります。おむつをたびたびとり替えて、おむつをあてる部位が不潔にならないようにします。アンモニアを発生させる細菌の増殖を抑える薬剤の使用も有効です。
◆使用される薬物
1.かゆみ止め・抗炎症・鎮痛剤
@副腎皮質ステロイド含有剤
ストロンゲスト;プロピオン酸クロベタゾール
ベリイストロング;酢酸ジフロラゾン、酢酸プロピオン酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、ブデソニド、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、プロピオン酸デキサメタゾン
ストロング;アムシノニド、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン+ゲンタマイシン、吉草酸ベタメタゾン+フラジオマイシン、ハルシノニド、プロピオン酸デプロドン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
ミデイアム;吉草酸酢酸プレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアセトニド+フラジオマイシン+グラミシジン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド+フラジオマイシン、プロピオン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン
ウイーク;デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン+オキシテトラサイクリン、ヒドロコルチゾン+大腸菌死菌浮遊液、ヒドロコルチゾン+クロタミトン、プレドニゾロン、プレドニゾロン+クロラムフェニコール+フラジオマイシン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン+フラジオマイシン
A非ステロイド性抗炎症剤;イブプロフェンピコノール、ウフェナマート、スプロフェン、ブフェキサマック、ベンダザック
B抗ヒスタミン剤;イソチペンジル、クロタミトン、クロタミトン+ヒドロコルチゾン、ジフェンヒドラミン
2.皮膚感染症治療剤
@抗菌外用剤;カナマイシン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン、エリスロマイシン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、ナジフロキサシン、クロラムフェニコール
A抗真菌外用剤;イソコナゾール、エキサラミド、エコナゾール、オキシコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、トルシクラート、トルナフタート、ネチコナゾール、ビフォナゾール、ミコナゾール
3.その他
@皮膚軟化剤;サリチル酸、尿素、ビタミンA,ビタミンA+E
A脱毛剤;塩化カルプロニウム
B乾癬・角化症治療剤;エトレチナート
※市販薬の成分<皮膚炎の薬>参照
お薬などの成分
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