◆病名別分類(医療用医薬品<成分名>)ー早めの予防・治療を!◆
※このページでは病名についての簡単な解説と使用されるお薬の成分について記載しています。医師・薬剤師の指示に従って、早めの予防・治療を心がけましょう!(
記載内容につきましては担当の医師・薬剤師にご確認の上、判断なさるようお願いいたします)
★痔★
直腸の下部や肛門には、静脈が網目状になって存在しています。立って歩き、作業をする人間は、重力、腹圧がかかるために、この静脈がしだいに発育して太くなっていきます。
静脈が太くなってくると、そこにうっ血がおこり、腫れ上がってきます。この状態が痔核ですが、いぼのように腫れ上がっていくのでいぼ痔とも呼ばれています。
肛門の中央部には、粘液を分泌する肛門線が十四〜十六個、輪を描くようにして並んでいて、この部分を歯状線といいます。
この歯状線よりも内側にできた痔核を内痔核、外側にできたものを外痔核といいます。まれに、歯状線のすぐ下に痔核ができることがあり、これを中間痔核と呼ぶこともあります。
また、内痔核が肛門の外に脱出して肛門内にもどらなくなることがあり、嵌頓痔核(または急性血栓性内痔核脱出)といいます。
痔核が大きくなると、排便の際に、多少とも肛門粘膜がめくられるようになり、痔核が肛門の外に脱出してくるようになります。この状態を機能的脱肛と呼びます。この段階では、排便が終了すると、痔核は自然に肛門内にもどります。
しかしながら、この状態を放置しておくと、痔核はますます大きくなり、それにつれて粘膜の下の固定組織が弱くなって、なかなかもどらなくなります。
さらにひどくなると、痔核が脱出したまま肛門内にもどらなくなり、この状態を脱肛といいます。
肛門が切れると痛みと出血がありますが、これが切れ痔(裂肛)です。
肛門線は、肛門の開閉をつかさどる筋肉の一つである内括約筋の奥にまで入りこんで存在するために、ここに細菌が侵入して感染をおこすと、ふつうの皮膚にできる化膿とは異なり、内括約筋と外括約筋の間に膿がたまって池のようになります。この膿は、肛門の組織のすきまなどの弱い部分を伝わって広がっていきます。この状態を肛門周囲膿瘍といいます。
肛門周囲膿瘍が、肛門の外側に腫れ上がってきて自然に破れたり、切開したりすると、筋間にたまっていた膿が、組織のすきまなどを伝わって排出され、そのあとにトンネル状の瘻管が残ります。これを痔瘻(あな痔)といいます。
◆痔の治療
痔核を確実に治すには外科的療法が必要になります。
<薬物療法>
痔核の治療薬には、坐薬、軟膏、内服薬の三つの種類があって、いずれも出血、痛みを抑えるのに有効です。一般用医薬品(市販薬)にも痔の薬があります。
坐薬と軟膏;殺菌剤、粘膜収斂剤、抗炎症剤、鎮痛剤などが含まれています。
含まれる成分(適宜配合);シコンエキス、プレドニゾロン、アミノ安息香酸エチル、卵黄レシチン、塩酸ジブカイン、カプロン酸ヒドロコルチゾン、ウンデシル酸クレミゾール、ジヒドロキシフェニルテトラヒドロオキサジン塩酸塩、乳酸アルミニウム、次没食子酸ビスマス、リドカイン、硫酸フラジオマイシン、エスクロシド
内服薬;炎症をおさえる、毛細血管からの分泌をおさえる、むくみをとる、傷の治りをよくするなどの作用があります。
含まれる成分(適宜配合);パラフレボン、沈降イオウ、酒石酸水素カリウム、センナ末、ブロメライン、ビタミンE、
お薬などの成分
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