Alfa Romeo 164
トラブル&メンテナンスレポート(No.21)


2000年 3月

イタ車は電装系が弱いなどと世間一般では言われているようであるが、幸い我がクロヨン(164)はその手のトラブルはほとんど無くこりゃ「アタリ」かななどと内心喜んでいたが、ここに来て電装系のトラブルが2件発生した。


(写真1)
まずインパネの照明が突然つかなくなった。部分的に暗くなったのならバルブを疑いたいところだがトリップメーターの表示を残しすべてがつかない。余談であるが夜インパネの明かりが消え手元が暗い状態での走行は想像以上に恐い。普段あまり気にしないくせにスピードが気になったり、ATだからオーバーレブするはずが無いけど回転数が気になったり、ガソリンはまだあったっけ等と落ち着きを無くしそれが恐怖心を煽る。またフロントガラス越しに見える前方の視界以外はほとんど真っ暗になるわけで、暗闇に取り囲まれると人間はふと余計な事を想像してしまう。バックミラーに青白く髪の長い女性の顔とかが浮かび上がったらどうしよう等と・・・(笑)。この手のトラブルは夏場の夜間走行でエアコンが効かなくなり暑さが絶えられなくなった時にお願いしたいものだ(笑)。
さてトラブルの原因を探すべくまずヒューズ関係をチェック。もちろんインパネ照明用のヒューズなどはなく、それらしいヒューズを確認したが焼き切れたものは無かった。リレーについても同様。それらしいリレーをチェックしたが異常はなかった。それならば接点不良なのかもしれないとスイッチを入れた状態でインパネ上部を強打。バルブがきれると困るので連打は避けた(笑)。それでもつかない。きっとインパネ裏のコネクターの接点あたりが怪しいと勝手に推測し、とりあえずインパネの脱着を試みる。
(写真2)

(写真3)
インパネの脱着は次の通り。まずバッテリーメーターとフェールメーターの下あたりにある化粧板(?)を外す(写真1)。マイナスドライバーの先を隙間に差し込み穿り出す感じで浮かせ、後はゆっくり手で引き抜く。外れたら固定させるネジが現れる。左右2箇所のネジを外すとインパネの袴パネル(写真2)が外れる。インパネ本体を固定しているネジはこの袴を外すと現れる。そのネジを外し幾つかのコネクターを外すとダッシュボードからインパネ本体がそっくり外れる。(写真3・4)
(写真4)

(写真5)
ちなみにバルブの交換はこの状態でおこなう。折角だからグリーンのバックライトをドイツ車風に赤く変えてやろうと思いついたが、変えてみて飲屋の赤提灯風になったら困るのでやめた。
さて各コネクターの接点を清掃し仮設置した状態で照明のスイッチを入れるがつかない。どうやら原因は接点不良以外に有るようだ。ここでお手上げ状態になったため主治医に相談したところメーターランプ調整ダイヤルの導通を確認せよのこと回答があった。

(写真6)
ちなみに164はインパネの照明光量を調整する機能がある。調整ダイヤルのある場所は写真5のところである。このダイヤル完全に絞るとまったくつかなくなり開くと明るくなる。主治医の話によるとしばしばこの調整ダイヤルが原因で照明がつかなくなるという。早速テスター確認したところこ調整ダイヤルが不良であある事がわかった。部品交換。

部品代 14,400円

夜メーターが真っ暗でももちろん走れるが冬場背中に冷や汗を流したくはないし、何といっても制限速度を守る為にはスピードメーターの表示は見えたほうがよい。

2000年 4月

もう1件はブロアファンが動作しなくなるというトラブル。


(写真1)
じつはこのトラブルは昨年の11月頃に起こった。ファンが回らないから寒くても暑くても車内の温度調整はできない。したがって暑い場合は窓を開けるかインパネのライトを真っ暗にしバックミラー越しに青白く髪の長い女性を登場させ背筋を凍らせるくらいしか手は無い(笑)。幸いにも寒い場合はベントの切換を外気取り入れにしてやればラジエターで暖められた温風が入ってくる。ただし十分な暖気と走行が必要である。トラブルの原因を各方面(ご近所の中野さん、名古屋の後藤さん、お世話になりました)に聞いてみたところ大半の意見がエアコンを制御するコントロールボックスの不良という事であった。そう言えば1年ほど前からパネルの液晶が徐々につかなくなってきた。

(写真2)
最初はさして気にならない程度の歯抜け状態であったがファンがまったく動作しなくなった頃には写真1の様に時計の表示がかろうじて表示される程度まで悪化していた。やはり原因はこのボックスか?。しかしながら同パネルのトランクや給油口をあけるスイッチは問題が無いし、外気導入の際温度調整もできる。エアコンをオフにするとエンジンルームにある外気取り入れ口のシャッターは閉まるしオンにするとコンプレッサーにスイッチが入る。ファンの制御信号だけが駄目になる事が有るのだろうか?。
このボックスをクライメイトコントロールと呼ぶらしい。写真3がそのものである。ディーラーにこのボックスの価格を聞いて驚いた。なんと値下げされて21万円也!。少し前までは24万円もしたらしい。
季節は冬。外は寒いが財布も寒く、とりあえず寒さは外気導入で凌ぐとして修理費の積み立てをはじめる事にする(笑)。また他にも原因が考えられるので一気に交換に踏み切らず原因の解明に時間をかける事にする。もしかしたら他に原因が有るかもしれないという望みを託して!。
その後の原因究明としてまずブロアファンを回すモーターの不良を疑った。この検査は簡単。モーターに入るコードに12Vを直結すればわかる。結果は正常。モーターは元気よく回った。

(写真3)


(写真4・5)
次にリレーとヒューズの点検。まず運転席左膝付近にあるヒューズボックスを確認した。異常なし。じつは後で分かったがブロアーモーターのヒューズとリレーはヒューズボックスにはなく、ボンネットを開け遮熱板奥のブロアーモーター横に有る。分かりにくいが写真4・5を参照いただきたい。なんと40Aの板ヒューズが焼けていた。またその隣にあるリレーも接点が茶色く焦げていた。早速両方とも交換(板ヒューズ120円、リレー4,500円)。これでファンは元気よく回るだろうと期待したが結果は変わらずである。トホホ・・・。
もうほとんどあきらめ状態で春を迎える。だんだん陽気は暖かくなり閉め切って走るには少々つらい季節になった。花粉症がひどい妻の事を考えると窓を全開にして走る事もできず、後部座席のお子ちゃまからは暑い暑いのブーイングが起きはじめた。そろそろ年貢の納め時かとディーラーに発注する直前、1冊の雑誌に中古部品屋の広告を見つけた。
会社名は株式会社ジーエスティー Gパーツ。ホームページも有るようなので早速アクセスした。ちなみにURLは次の通り。
http://www.gst.co.jp/parts/index.html
もしかしたらこの中古部品が有るかもしれないと問い合わせたところ2日ほど後に回答がきた。どうやら有るらしい。価格は7万円。動作的に問題が無ければ買い得である(なんたって新品の3分の1!)。ただし液晶の不具合が今回のトラブルのバロメーターであるとするなら、1個所でも欠けた液晶があるパネルでは購入できない。それを確認する為には現地で付けてみて確認するしか手はない。Gパーツへその旨を書いた相談メールを出したら、取あえず発送し取付けてみて動作を確認して欲しいとのこと。もし動作に問題が有るなら返品して欲しい旨の返事が来た。なんと良心的な部品屋だろうか。

(写真6)
その条件で発注し待つ事1週間。部品は送料元払いで丁寧に梱包され到着した。さて交換作業は以下の通り。まずセンターコンソール両サイドにコントロールボックスを挟む形であるパネルを外す。運転席側はネジ止め2個所。反対側は手前に引き出すと外れる。写真6でお分かりだろうかコントロールボックスは左2個所のネジ止めで固定されている。ネジを外し真っ直ぐ引き出し裏側の2つのコネクターを抜くと本体は交換できる。このコネクターは少し曲者である。垂直に外すのではなく片方を支点にして扇状にまわしながらはずす。
交換後エンジンをかけると同時に約半年間眠っていたモーターは元気良く回り出しエアー吹き出し口から猛烈な勢いで風が吹き出した。
心配された液晶も完璧である。

早速Gパーツさんに対し今回の対応に際してのお礼と代金振込み完了のメールを送ったら、早々に返事がきた。じつはこの部品がついていた164は某プロダクションに売却されたそうである。そこでSMAPの稲垣吾郎さんが出演するTVドラマの撮影(CMかもしれない)に使われるそうである。車の中古部品と聞くとなんだかゆわく付というイメージがあるが、どうやら激突し原形をとどめない164からの部品ではないようである。


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