Alfa Romeo 164
トラブル&メンテナンスレポート(No.23)


2000年 6月  走行距離77,200キロ

タイミングベルトテンショナー付近から異音発生。コーンズへ持込む。どんな音かというと腕時計のスチールベルトを振ったときに鳴る「チッチッチッ」という音を大きくした感じであるである。この音アイドリング時から発生しエンジンの回転数にあわせて早くなる。また回転数が2千以上になると不思議に音はしなくなる。最初はタペット音かと思ったが場所が違うし音もそれほど勇ましく(カンカンという)ない。したがって窓を閉めきって走ればほとんど気にはならない程度である。いつもの調子で「どうってことないサっ!」と思えば済んでしまう事であるが場所が場所、ベルトが駒飛びしてはシャレにならないと修理に持込む。3日後今回受付して頂いたフロント担当者から修理完了の連絡が入り取りに行く。原因は何だったのかと伺ったところ「多分前回タイミングベルトを交換した際にベルトを張り過ぎたんでしょう。締め直したら治りました。クレームで処理しました。」との素っ気無い回答。治ったから良いかとあまり深く考えず帰路につく。

2000年 7月  走行距離78,600キロ

再びテンショナーあたりから異音が発生。音の感じは前と同じだが結構うるさい。今度はアイドル時では発生せず発進時やシフトチェンジ時のエンジン回転数が変わる際に鳴り出す。2千回転以上では鳴らない点は前回同様。コーンズ再入院。
フロント(今回の担当は原氏)に状況を説明すると本当に申し訳ないと思ったのか、此方が要求したわけじゃ無いが代車を準備するという。コーンズにお世話になり7年以上になるが代車を借りる事は初めてである。ちなみに代車はフィアットの真っ赤なブラビッシモ。余談であるがこいつがなかなか面白い。さすがに高速道路ではパワー不足を感じさせるが街中ではちょこちょこ良く走る。デザインも斜め後ろから見た感じはなかなか良い。1週間通勤に使ったが会社の女子社員のウケもなかなかであり、このままセカンドカーにしてしまいたいほどである。
さて2日後フロントの原氏から連絡が入った。今度は原因がはっきりわかったとの事である。原因はなんとタイミングベルトテンショナーのところにあるテンションスプリングの不良。レートが基準値より低く急激に回転数が変わる際、ベルトの張りが甘くなり撓みが生じるらしい。異音の原因はその際にベルトがカバーと干渉した為とテンショナーチャタリングが震えて鳴ったそうである。原氏は丁寧にショールームに展示してあるエンジンを使い説明してくれた。前回のフロントの担当者を悪く言いたくはないが人によってこれほど違うものか・・・。右の写真をご覧頂きたい。上がエンジンを右側面から見た写真である。ブロックがV型になっている事がお分かりだと思う。両バンクの上部の黒色の歯車がカムシャフトを回転させるタイミングプーリー。それを取り巻いているベルトがタイミングベルト。テンショナーは両バンク付け根のクランクシャフトプーリーの左横にある。下図がその拡大図。問題のスプリングはベルトと接しているチャタリングの下に有るらしい。
今回のように再三にわたるクレーム入院は本当に参る。横浜に住んでいる時ならまだしも今住んでいる沼津からの往復となると高速代やガソリン代が馬鹿にならない。しかしながら今回の入院のおかげでコーンズのショールームで久しぶりに友人と会い楽しい話ができたし、小粋なイタリア娘と1週間暮らせたことも事実である。楽しかった事を思い出に残し、嫌な事はさっさと忘れる事にしよう。そんな事を考えながら帰りの東名高速を走ると心なしかアルファの心臓部はいつもより甲高く澄んだ咆哮を響かせてくれている気がした。


2000年 7月  走行距離78,600キロ

タイヤを新調する。前回交換時の走行距離が49,500キロ時であったから約3万キロ、年数にして3年強走行したわけだ。本当によくもった。というより無理して交換時期を遅らせ「もたせた」たというのが本当のところか。写真をご覧頂くと分かるが内側のショルダーは溝が無く危険な状態であった。それにしてもこのグリッド2は本当に良いタイヤであった。最初は柔らかすぎる印象を持ったが街中で走るのには十分。ブルヂストンは減りが早く、まるで消しゴムのようだと言う噂を聞いたことがあるが3万キロも走れば十分。しっかりもとを取った気がする。

↑RE711のタイヤパターン
タイヤサイズ 205/55/R16・89V
外形(m/m) 630
標準リム幅 6 .1/2インチ
タイヤ幅 215
さて新しいタイヤの選択に際しては、まずメーカーを決める事にした。メーカーを決めるに至っては知人から多くのアドバイスを頂だきいろいろ悩んだが、結果ブリヂストンに決定。そうなると選択肢は少なくなり前回同様グリッド2かレグノGR7000、もしくはポテンザRE711の三種類(もちろんこれ意外にもいろいろあるが今回はパス)となった。同じグリッド2じゃ面白くないとなると二者択一。両者の売り文句を挙げるとレグノは・静粛性・乗心地、一方ポテンザは・グリップ・コントロールであった。根が貧乏性である為ついつい減り具合などを店員に聞いてしまったがレグノを10とするとグリ2は8、なんとRE711は5だという。という事はレグノはRE711の倍も長持ちするのか・・・など一瞬グラリと心が動いたが結局RE711を選択する事にした。なぜならば交換したショック(モンロー)が予想以上に柔らかく(頼りなく)、固めでスポーティーなタイヤを奢りそれをカバーしようと考えたからである。でも本当はネ・・・タイヤパターンがかっちょ良かったからなんだ(爆)。

さて交換後のインプレッションであるが、比較対象が直前まで履いていた溝無しタイヤだから良いに決まっている。またサーキットに持込み限界走行を行ったわけじゃ無いからRE711の能力を引き出せていない。あくまでもサンデードライバーの域でのインプレッションであり、偉そうな事は書くつもりは無いのでそのつもりでお読み頂きたい。
走行した道は高速道路を200Km程度と峠道を少し。高速道路では安定性がアップした。今までのふかふか浮かぶような感じはなくなり、スピードを出せば出すほど地面に張り付く感じである。また100キロ前後で発生したわずかなハンドルのブレはまったく無くなった。新しいタイヤ故真円度が高くあたりまえであるが、BSは他メーカーよりそれが高い気がする(ピレリーは新しくてもハンドルがぶれた)。急なレーンチェンジ(危険な為程々にしたが)もショック交換以降のもたつく感じはなくスパッと切れる。一方峠道での印象であるが今回はいい歳こいて(失礼)少し気合を入れて攻め込んだ。にもかかわらずタイヤは鳴かない。ブレークする限界域を確かめる為には余程根性決めて走らなければならない。それほどグリップ力は高いようである。サイズは同じなのにこれほどまで印象が変わるのか。不甲斐ないショックをタイヤで補おうとする作戦は大成功である。さて普段の街乗りの感じであるが予想を反し柔らかい。段差を超える時も突き上げられる感じはない。ショルダーが結構ラウンドしている為だろうか轍に足を取られる事もない。以前アライメント調整をおこなっても左にハンドルが取られる現象も嘘のように解消された。最後に悪いところ少々。音である。結構うるさい。けっして突き上げられるときに発生する「ゴトッ」という音がうるさいのではなく走行常時路面から拾う「ザー」という音がする。アスファルトの性質にもよるが荒れた路面ではオイオイといいたくなるほどである。タイヤの性格上致し方無いところか・・・。

足元も機関も絶好調!!。この夏少し足を伸ばし遠出でもするか(笑)


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