MY MELODIC BEST 1〜20

まず、BEST20にいってみましょう!柔軟な考えを持とうとしていますが、上位10位までは墓まで持って行く予定なので当分変更なさそうです。それと評論家的なコメント、情報等を記載する能力及び文才を全く持ち合わせていませんので、バンド名、ジャケ写真、並び順でなんとなく感じ取ってもらえれば幸いです。

LEATHERFACE "MUSH"

LEATHERFACE本作品は、田中邦衛(知らない人が増えているかもしれませんが...)に似たおじさんがボーカルを務める、イギリスの至宝LEATHERFACEが、1991年にRoughneck Recording Companyからリリースされた3rdアルバムで、世間的にも最高傑作とされています。"Not A Day Goes By" や "Bowl of Flies" をはじめ、全曲シングルカットできるほどの名曲ばかり。「完璧」「捨て曲なし」というフレーズは、まさにこのアルバムのためにあると言っても過言ではありません。あまりに好きすぎて大学の授業中、暇さえあればノートの端に"LEATHERFACE"と書いていたものです。これまでの人生で最も聴いたアルバムかもしれませんが、まったく飽きることがなく聴き続けております。速くて、熱くて、哀愁があり、美しいメロディ。これ以上何も足す必要がないほど、まさにパーフェクトな作品で、ニューヨーク近代美術館に永久保存すべきクオリティだと思います。昔のインタビュー記事で、フロントマンのFrankie Stubbsが「アコースティック・ギターで作曲してから破壊している」と発言していたのを読んだことがありますが、妙に納得しました。哀愁あふれるダミ声のボーカルと、ゴードン・スミスによるツインギターの激流が織りなすサウンドが、なんとも最高なのです。リリース当時、「HÜSKER DÜ meets MOTÖRHEAD」と評されていましたが、今となってはその意味がよく分かります(実のところ、当時はどちらのバンドも知りませんでした。お金もないし、インターネットもない時代ですし)。そういえば、1992年8月3日の来日ライブ(大阪・難波ロケッツ)に行きましたが、飲んだくれで冴えない風貌からは想像できないほど格好いい演奏で、レコードそのままの音が鳴り響いていたことに感動したことは、今でもはっきり覚えています。なお、3rdアルバムの次に聴くなら、1st"CHERRY KNOWLE"が手に入りやすく、素晴らしい作品だと思います。ただし、ややハードで無骨な作風なので、メロディや歌を重視するなら4th"MINX"のほうが合うかもしれません。

FIFTEEN "CHOICE OF A NEW GENERATION"

FIFTEENバークリー産のFIFTEENは私にとって宇宙一格好良くて、まさに神のような存在だと思っています。アルバム単体では、LEATHERFACEの"MUSH"が一番好きなのですが、バンドが生み出したアルバム全体の平均点としては、このFIFTEENが最も優れていると感じています。このWebサイトを作ったときは、ラストアルバム"SURVIVOR"を、その後は3rd"BUZZ"を紹介してきましたが、最近、改めて全アルバムを通して聴いてみたところ、1992年にLookout! Recordsからリリースされたこの2ndが最もふさわしいと感じ、紹介する作品を変更することにしました。もちろん、1st"SWAIN’S FIRST BIKE RIDE"でも良かったのですが、そのときの気分で2ndが最も響いたというのが正直なところです。1曲目のスローで長めの"Petroleum Distillation"で徐々にエネルギーをため、「カンカンカン!」という音とともに超絶大名曲"The End of the Summer"が流れ込んでくる展開は、この世のものとは思えないほどの多幸感を味わえます。なお、FIFTEENの楽曲は曲中で展開が大きく変わることが多く、まるで2曲分を1曲に詰め込んでいるかのような構成になっているのが特徴で、このスタイルが、私のツボにはまっています。ちなみに、私のFIFTEENのベストソングは3rdアルバム"BUZZ"に収録されている"Predisposition"で、2番目はEP"THERE’S NO PLACE LIKE HOME(GOOD NIGHT)"に収録されている"Land Mine"(地雷のことですね)です。フロントマンのJeff Ott師匠の態度や姿勢は、まさしくPUNKそのものだと思います。いや〜、FIFTEENにはベストソングがいくらでもあり、すべての楽曲が素晴らしいので、ぜひ全アルバムを購入してほしいです(ライブ盤は最後でいいかもしれませんが…)。そして、何よりもJeff師匠にお願いしたいのは、「アコースティックギターではなく、エレキギターを持ってバンド活動を再開し、新たな作品を世に出してほしい!」ということです。そして日本でライブをしてほしい! 何なら、制作費や渡航費を負担する覚悟もあります。1994年8月号のDOLL No.84の伝説の「メロディック狂必聴ディスクUS編」で紹介された作品でもあります。

SUPERCHUNK "HERE'S WHERE THE STRINGS COME IN"

SUPERCHUNKチャペルヒル産のSUPERCHUNKについて、もしあなたが若者ではつらつとした勢いを感じられる音を求めているのなら2ndアルバム"NO POCKY FOR KITTY"がパンキッシュでおすすめです。しかし、私はすっかりおじさんなので、今回は1995年にMerge Recordsからリリースされた5thである本作を紹介したいと思います。どちらにせよ、SUPERCHUNKのアルバムは最新作も含め、どれも最高なのです。彼らのすごいところは、たとえスローな曲があっても、アルバムを聴き終わるまでずっとゾクゾクする感覚を保ち続けさせてくれるところだと思います。とにかく、それぞれの曲に個性があり、美しくて格好いいというのは、とてつもない才能です。ちなみに、このアルバムには私の好きな曲ベスト3にランクインする"Detroit Has A Skyline"が収録されています。涙なしでは聴けないほどドラマチックな曲なので、ぜひ本作品を手に取って堪能してほしいです。そして、2009年12月11日のライブ(京都)に行きました。田舎の車のセールスマンのようなMac McCaughanの容貌や雰囲気に、逆に感動を覚えるとともに、演奏されたどの曲も名曲ばかりで圧倒されました。さらに、Tシャツを購入した際に握手をしてもらえたことが、とても嬉しく、今でも良い思い出として残っています。

FACE TO FACE "DON'T TURN AWAY"

FACE TO FACE渋くてメロディックで疾走感に満ちたハードコアが好きなら、ぜひとも入手してほしい作品です。カリフォルニア産のFACE TO FACEが1992年にリリースした1stアルバムで、すべての曲がシングルカットできるほどの奇跡の大傑作だと思います。それなりの枚数が売れているはずなので、再発CDなら中古で安価に入手できると思います。ちなみに、当初はFat Wreck ChordsからではなくDr. Strange Recordsからリリースされており、写真のとおりジャケットの色が赤ではなく紺色です。本作は、疾走感あふれる演奏に絶妙なフックが効き、さらに哀愁爆発の熱いボーカルが乗るという完璧な展開になっています。これこそが彼らの魅力であり、個人的にはこの作品を「メロコア」とは呼んでほしくないと心から思っています。1995年秋に天保山BAYSIDE JENNYで行われた初来日ライブは、痺れるほど格好良かったです(ちなみに、対バンはオーストラリアのBODYJARでした)。また、2nd"BIG CHOICE"は当然の名作ですが、3rd"FACE TO FACE"も断固支持しています。サウンドはより深みを増していますが、1stのような外へ発散する熱さを内に秘めることで、全体としての熱量は変わらず、決して退屈にはなりません(いわば"熱量保存の法則"ですね)。CLASHの1stだけでなく3rdも認める、という方なら問題なく楽しめるはずです。さらに、DVD"SHOOT THE MOON"もライブ映像をはじめ、内容が充実しているため非常におすすめです。ただし、収録されているインタビューで、4th"IGNORANCE IS BLISS"について「とても自信作であり、今でも傑作だと思っている」と語っていたのには驚きました。個人的には少し疑問が残る発言です。「DOLL メロディック狂必聴ディスクUS編」紹介ディスク。

MEGA CITY FOUR "TRANZOPHOBIA"

MEGA CITY FOURMEGA CITY FOURが1989年にDecoyからリリースした本作は、当時、日本ではLEATHERFACEやSNUFFとは異なり、若干メジャーな扱いを受けていました。そのため、パンク小僧だった私は「軟弱なのでは」と思い込み、聴かず嫌いをしていました。しかし、後年改めて聴いてみて驚きました。涙なしでは聴けない大傑作だったのです。まるで、暗くて長いトンネルをとぼとぼ歩きながら、遠い彼方に明るい光を見つけたかのような音に感動しっぱなしでした。やはり、周りに流されず、自分の耳で確かめることが大切です。ただ、当時はインターネットもなく、気軽に試聴できる時代ではなかったので、仕方がなかったのかもしれません。彼らの曲作りには天性の才能があり、寂寥感と高揚感が見事に融合しています。どの曲も素晴らしく、思わず号泣してしまうほど、この世にこれ以上ないと思わせるほどの神がかった青臭さがあります。そして、不思議と元気が湧いてくるのも、このアルバムの魅力です。2nd"WHO CARES WINS"や、シングル集"TERRIBLY SORRY BOB"も間違いなく素晴らしい作品ですが、まずは比較的手に入りやすいと思われる涙腺崩壊マシーンと化したこの1stをおすすめします。"Pride And Prejudice"や"Severe Attack Of The Truth"など、超名曲ばかりが詰まっています。まさにUKの国宝と呼ぶべき存在。Wiz、こんな素晴らしい作品をこの世界に残してくれてありがとう。R.I.P.

VA "THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND,SON"

THE BEST PUNK IN ENGLAND,SON私が持っている中で、最も大切であり、偉大なコンピレーション・アルバムです。日本の宝ともいえるSnuffy Smileから1994年にリリースされました。大阪のTIME BOMBで購入したことを今でも覚えています。本作には、1990年代初期のUKメロディック・シーンを代表する重要なバンドたちによる名曲がずらりと並んでいます。特にEXIT CONDITION、DR.BISON、MIDWAY STILLの楽曲は、それだけでバンドのディスコグラフィーを揃える必要がないほどの大名曲です(ただし、MIDWAY STILLの曲はBob Dylanのカバーですが)。また、当時の主要バンドが網羅されているため、UKメロディック・パンクの歴史を学ぶ上でも貴重な一枚といえるでしょう。このコンピレーションは、現在では簡単に手に入れることが難しいかもしれませんが、それでも何とかして入手する価値があります。一方で、本作の次の世代をメインとした"THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND, MAN"は、やや印象が薄いのが否めません。それを購入するくらいなら、NAVELやJ CHURCHなどUK以外のバンドも収録されているものの、"KILLED BY CRACKLE"の方が断然おすすめです。

BROCCOLI "HOME"

BROCCOLIある意味ではSNUFFやLEATHERFACE以上にUKメロディック・パンクという音楽の世界観を体現していたといっても過言ではないバンドBROCCOLI(英語の綴りが少し難しいよね)。1998年にRugger Bugger Discsからリリースされたこの2ndアルバム"HOME"に匹敵するような作品が、その後のUKメロディック・シーンからなかなか生まれてきていないように思いますが、これは単なる懐古趣味のおっさんの遠吠えなのでしょうか?哀愁と疾走感、その両方の要素が完璧に融合した作品です。まるで曇り空のように決してすっきり晴れることのない、まさに"ザ・UKメロディック"といえる独特の雰囲気が漂っています。現代であれば、エモのジャンルに分類されるのかもしれませんが……。BROCKOも悪くはないのですが、正直なところ、このBROCCOLIには遠く及ばないように感じます(BROCKOファンの方、申し訳ありません)。長らく再発もされず、高額で取引されていましたが、日本の名レーベルFIXING A HOLEさんがついにやってくれました。さすがです。そして、2016年9月19日に京都で行われたライブでは、期待を裏切らない素晴らしい演奏に感動しました。会場で購入したトートバッグは、今でも大切に愛用しています。

JAWBREAKER "UNFUN"

JAWBREAKERFIFTEENとLEATHERFACEを紹介したからには、このサンフランシスコ産のJAWBREAKERを外すわけにはいきません。1990年代前半の哀愁メロディック・パンクの御三家(あくまで私見ですが)に数えられる存在です。1990年にShredderからリリースされた1stアルバムですが、一般的な書籍ではエモの名作とされているのでしょうか? どうなのでしょう……。「エモ」というジャンル自体、今ひとつ掴みどころがありませんね。なお、エモ界では4th"DEAR YOU"の方が超名作とされているようです。私自身は、名曲揃いで音的にもまとまりのある3rd"24 HOUR REVENGE THERAPY"も大好きですが、本当に微妙な差でラフな感触のこの1stの方を気に入っています。ボーカルのBlake Schwarzenbachの熱く渋い独特の声と、内に秘めた熱さがあふれるメロディが最高で、寂しい部屋の中で小心翼翼な自分を解放してくれるような作品です。とにかく、超重要バンドですので、ぜひ勉強のためにも押さえておいていただければ幸いです。なお、オリジナルのLPジャケットは、"JAWBREAKER"の文字が緑色で、"UNFUN"の文字がオレンジ色になっており、CDとは配色が逆になっています。また、ドキュメンタリー映画"ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン"も必見です。 「DOLL メロディック狂必聴ディスクUS編」紹介ディスク。

THE SCARIES "OVER YOU"

SCARIESこれまでTHE SCARIESによる1stアルバム"OVER YOU"、2nd"WISHING ONE LAST TIME"、そして2003年のデモを収録した編集盤CDを紹介していましたが、苦節数年、ようやく入手困難だった1stのオリジナルCDを手に入れることができました。そのため、今回はオリジナルアルバムの方を紹介することにします。とはいえ、日本盤でリリースされた編集盤のおかげでこの1stに巡り会えたわけですので、編集盤には感謝しかありません。それにしても、1998年にリリースされたこのアルバム、本当に素晴らしいですね。確かに録音状態は決して良いとは言えませんが、それでもメンバーが再発を望んでいなかった理由が分かりません。これほどの内容であれば、超名盤以外の何物でもないと思うのですが...。3rdはエモっぽさがありながらも良作でしたが、この偉大な1stには、私が音楽に求めるすべての要素がぎっしり詰まっています。ティッシュ1箱なしでは聴けないほどハートを鷲掴みにされる、甘酸っぱくて美しいメロディ、そして1stならではの小気味よい疾走感。これらが見事に絡み合い、まさに理想的な作品です。SUPERCHUNKと同郷のチャペルヒル産であり、音楽的にも共通点がありますが、UKメロディックが好きな方にも十分楽しめる作品だと思います。そして、2009年4月9日の再結成ライブ(京都)に行きましたが、ご機嫌な演奏に心から楽しませていただきました。また観たい!

SKIMMER "COMPITOENAIL"

SKIMMERUKメロディックの中でも、青くて甘酸っぱさ満開のバンドSKIMMERによるシングルを集めた編集盤CD(1998年にCrackle! Recordsからリリース)。前身バンドであるTHE SECTを含めて考えると、本当に息の長い素晴らしいバンドです。USポップパンクの影響を受けながらも、脳天気な雰囲気ではなく、いかにもUKらしいキャッチーなフレーズと、かわいさも感じられる甲高い声が個性を発揮している名作です。ほとんどの楽曲が1〜2分台で、シンプルかつ疾走感のある音が好きな方には超おすすめ。1曲目の"Better Than Being Alone"の出だしのギターは、一瞬BROCCOLIかと思いましたが、長い活動歴を考えると、BUZZCOCKSやIDENTITYなどの流れを汲むバンドなのかな、という印象を受けました。2008年4月6日の京都をはじめとする来日ライブにも行きましたが、まさに音源そのままの演奏に加え、ボーカル&ベースのKevin Powellの気さくで人の良さがにじみ出ていて、思わず脱帽しました。(追記:本作や1stアルバム"VEXED"の内容を含んだ豪華な初期コンピがリリースされているので、初めての方はそちらからどうぞ!)

HOOTON 3 CAR "SPOT DAYLIGHT..."

HOOTON 3 CAR意外にも、いや、かなり好きなバンド、HOOTON 3 CAR。世間的にはUKメロディック第二世代(必読WEBサイト"The Best Punk Rock In England"テキスト編参照)の中では地味な印象を持たれがちで、こんなに高く評価されるバンドではないのかもしれませんが、いかにもUKらしい影のある寂寥たる音が、私の感性に見事にマッチしています。サウンドの印象としては、CHOPPERの疾走感とBROCCOLIのエモーショナルなメロディを足して2で割ったような感じ。個性がないなんてとんでもない。ただ、まだ聴き込めていないだけのはずです。借り物のスタイルでは、ここまで整った音楽の楼閣を築くことは不可能でしょう。私は彼らが奏でる音を断固支持します。ちなみに、ジャケットを見ると、Frankie Stubbs師匠が制作を手伝っているようです。これまで1996年リリースの1stアルバムを紹介していましたが、今回は超名曲ばかりの濃密な内容を誇る4曲入りの12インチシングル"SPOT DAYLIGHT…(1994年にRumblestrip Recordsからリリース)を取り上げます。なお、HOOTON 3 CARのアルバムはどれも最高です。ちなみに、3rd"…BY MEANS OF MAYBE"収録の名曲"Ginky"は、我らがJIM ABBOTTがカバーしていますね。とにかく、まずはこの12インチシングルの1曲目"Bleak"を聴いてみてください。まさにHOOTON 3 CAR節が詰まった、名刺代わりの珠玉の名曲です。もしフォーマットにこだわりがなければ、CD2枚組の便利な編集盤があるので、そちらを入手してじっくり聴き込んでみてください。(なお、本作はDOLL 1994年12月号No.88の伝説的な特集「メロディック狂必聴ディスクUK&ヨーロッパ編」で紹介されたディスクです。)

TULSA "SOUR DIGS"

tulsaリリース当時、HYPER ENOUGH RECORDSさんが大絶賛していたオクラホマ産のTULSAによる1stアルバム。2007年にStarcleaner Recordsからリリースされました。これまで紹介してきたバンドとは、少し趣が異なります。思い浮かぶのは、CRIMPSHRINEをはじめとするAaron Cometbusが関わる系のイーストベイ・パンクや、PLAN-IT-X周辺のチープなフォークパンク。ただし、それらよりも断然TULSAの方が好きです!全体的にチープでポップながら、名曲揃い。胸がキューンとなるような美しく素朴なメロディが噴水のように湧き上がり、ガチャガチャとザラついた音の質感が、なぜか青臭くて涙を誘います。11曲中9曲が1分台というのも、潔くて素晴らしい。独特のクセがあるので、聴く人を選ぶかもしれませんが、これは本当に幸せになれる大傑作。虚心坦懐に聴いてみてほしいです(ジャケットは正直ヒドイですが…)。きっと、暗涙にむせびくはずです。

BUM "IN WANNA SMASH SENSATION!"

BUMカナダ産ポップパンク・バンドBUMによる、1993年リリースの大傑作1stアルバム。CDはPopLlamaから、LPはスペインのMunster Recordsからのリリース。ライブ盤 "SHAKE TOWN"(1994年リリース)は昔から持っていましたが、この1stを購入したのはしばらく経ってから。なんて間抜けな僕…。人生損した気分です。ジャケットを見ると、レコーディングは1992年のシアトルで、プロデュースはあのFASTBACKSのKurt Bloch師匠。そりゃ悪いはずがない! "Wedding Day", "Bent On Being Bent" など、甘酸っぱくて珠玉の泣きメロディが洪水のように押し寄せてきます。PARASITESやVACANT LOTが好きなら、絶対に外せないと断言できる、爽快感満載の不朽の大名作。ちなみに、2nd"I AM SUPERWOMAN"や3rd"MAKE IT OR BREAK IT"も悪くはないですが、まずは爽快感あふれるこの1stをゲットすべしです!

THE VACANT LOT "WRONG"

VACANT LOTこれまでRAMONESからQUEERSへと続く甘酸っぱいポップパンクソングを作らせたら、世界トップクラスの鬼才といえるPete Ciccone先生によるニューヨーク産バンドTHE VACANT LOT。以前紹介していた3rdアルバム"SHAKE WELL"や1st"BECAUSE THEY CAN"もポップパンク度全開ですが、現在の好みから、この1993年にShake The Record Labelからリリースされた2ndを挙げておきます。"Never Said"をはじめ、ほろ苦い甘さに満ちた名曲が詰まった一枚。PARASITESやSICKOなどのポップパンク好きなら、間違いなくゲットすべき名盤ではありますが、正直どのアルバムでもいいので、もしどれかを見かけたらぜひ手に取ってみてほしいです。ちなみに、1st(バーンホームズからの日本盤)の解説によると、PeteはDEVIL DOGSの前身バンドに在籍していたものの、歌詞のひどさに我慢できず脱退したとのこと。なるほど…。

SOUTHPORT "NOTHING IS EASY"

southportこのSouthportが、こんな位置にあるのがおかしい? SNUFFより順位が高いのはなぜ? はい、思いっきり世間の評価以上に高く評価してしまっています。このアルバムは、UKメロディックの二大巨頭の一つであるSNUFFの初期ギタリスト、Simon Wellsが率いるバンドが2000年にGo-Kart Recordsからリリースした1stです。Simonの存在を忘れて6曲目の"Pilot"を聴いていると、ふと「SNUFFに似たバンドだなあ」なんて思ってしまいます。確かに初期SNUFFのような派手さはありませんが、じわっと心に染みる曲は、やはりSimonならではの魅力です。彼の非凡な才能を感じずにはいられません。歳をとったせいか、今ではSNUFFよりもこちらの方が好きになってしまっています。ぜひ8曲目の大名曲"The Tone"で撃沈してください。泣きながらも元気になれますよ。なお、Simonといえば、ドラムで参加していたYOUR MUMというバンドもありますが、そちらはあまりにも地味なので、買うならまずは本作からどうぞ。話は変わりますが、2009年9月6日に京都で行われたライブに行きました。どこから見ても100%おっさん成分に満ちたSimonでしたが、貫禄のあるカッコ良さがありました。ちなみに2ndARMCHAIR SUPPORTERS"もとても素晴らしいですよ。

REVERSE "GLANCE SIDEWAYS"

reverseREVERSEについては、以前の記載で1995年頃にリリースされたシングルを紹介していました。その中でこんな風に書いています。『アルバムを出しているバンドを紹介している本サイトですが、シングルオンリーバンドであるREVERSEをやっぱり無視するわけにはいけません。名作VA"THE BEST PUNK IN ENGLAND,SON"にも収録されているバンドなので、そこそこ知られていると思うのですが、他のシングルも含めて全曲名作です。UKメロディックの特長というか、良いところを凝縮した曲ばかりで本サイトを頻繁に訪問していただける人(そんな人いるのかしらん)にはたまらん内容となっています。哀愁、疾走感、メロディ、完璧!個人的には、最もコンプリートCDが待たれるバンドとなっております。』としておりました。ところが、2009年にDAMAGED GOODSと日本のSP RECORDSさんによる奇跡の共同リリースが実現しました。しかも、LEATHERFACEのFrankie Stubbs師匠がプロデュースした未発表曲も収録されていて、夢が叶ってしまったんです。素晴らしい奇跡の一品です! ジャケットは超絶にダサいのですが…。伝統的なUKメロディックの素晴らしさがてんこ盛りになっています。そして時は流れて2023年、彼らがアルバム"BEHIND THESE WELLS"をリリースしました。これが再結成した中年バンドによるものとは思えないほど、本当に素晴らしい作品で驚きました。普通なら結成から30年以上経つバンドの作品なんて興味が沸かないかもしれませんが、これを無視してしまうのはとても勿体無いですよ。本当に傑作なんです。

TOKYO ADVENTURES "THE HUNTER'S HANDBOOK"

tokyo adventuresTOKYO ADVENTURESはこれまで日本の名宝FIXING A HOLE RECORDSさんから出た編集盤CD(レアなシングル(2002年)とミニアルバム(2007年)を収録)を紹介してきました。でも、やはりオリジナルアルバムに敬意を払いたいということで、超名作2ndアルバム"THE HUNTER'S HANDBOOK"(2004年)を改めて取り上げます(どちらにしても最高です)。とにかく甘くて美しくて遣る瀬無いんです! 最初から最後まで青くて泣けるメロディがとてつもなく素晴らしくて、心が揺さぶられ、知らない間に床が涙で溢れてしまいます。彼らの才能は並外れていて、常人の枠を超えていると思うのですが、なぜ世界中の人がこの素晴らしさに気づいてくれないのか、全く分かりません。LEATHERFACEが狭い世界でのみ支持されているのは何となく理解できて納得もできますが、WEEZERが世界中で聴かれているのに、このTOKYO ADVENTURESが世界から無視されているのは、私には到底理解できないんです。世界中の人が聴けば癒されて、戦争をする気がなくなり、平和になるはずです。これがパンクなのかギターポップなのかはさておき、いい音楽であることは絶対に間違いありません! 心の平安を求める人も、独裁者も、ヤクザも、お願いだからこのUKメロディックの傑作を聴いて欲しいです。

PEAR OF THE WEST "PASSED OUT THE WASTED"

pear of the westPEAR OF THE WESTは福岡のバンドで、本作は2000年から2008年までに録音された音源のほぼコンプリートな作品集CDだそうです(2009年にSnuffy Smile等からのリリース)。正直、知識もなく値段が安かったので何となく購入したのですが、思いがけなく大正解でした。かなり長い活動期間で、しかも29曲も収録されているので、作品全体の完成度には全く期待していませんでした。でも、いや〜驚きです。無視してもいい曲が一つもないんです。好みに強弱はあるものの、どの曲も魅力的で、編集アルバムとしてとても優れています。時々登場する男性ボーカルの曲もすごくカッコいいですよ。音的には、日本のバンドでよく見かけるCIGARETTEMANのような女性ボーカルのメロディックバンドと大きくかけ離れているわけではありませんが、曲の盛り上げ方がとても上手で、無視するにはもったいないと思います。"The Song Of My Tune"なんて、メロディセンスが溢れまくっていて、死ぬほど最高です。世の中にある全ての音楽の中でも頂点に立つような曲ですよ。葬式で流して欲しいですし、この曲で紅白に出場して欲しいくらいです。そして、2024年1月13日に初めて彼らのライブ(京都)を見ることができました。目の前で演奏してもらっているだけで感動的で、嬉しくなってフーディを買っちゃいましたよ。

THE REVOLVERS "REVOLVERS"

 REVOLVERS攻撃性のない癒しのポップ&メロディックパンクであるカンサス産のTHE REVOLVERS。優しさと切なさが調和していて、世知辛いこの世の中でも「とりあえず明日まで頑張ってみよう」と思えるような、極上のサッド・メロディックアルバムになっています。息を呑むような美しさですよ。ということで、一家に一枚はもちろん、無人島にもこっそり隠して持っておくべきクオリティーの高さです。1999年にメンバー運営のLocket Loveからリリースされた唯一のアルバム(CDのみのリリース)。仕事でミスをして落ち込んでいるときにこれを聴いて寝れば、何とか明日までたどり着けるはずです。2曲目の"Better off Alone"や4曲目の"Devotional"など、超名曲が詰まったアルバムで、作品としてかなりイケてます。これもまたAGE OF DISTRESSさんから入手したものなんです。涙が溢れるほど完璧な作品で、本当に見事で脱帽ものです(ちなみにシングル2作品も最高なので、ぜひ聴いてみてください)。LPレコードでの再発、めっちゃ希望しています!

BEAUTY SCHOOL DROPOUT "TEASING THE FAT KIDS"

beauty school dropoutUKメロディック・ポップパンク・バンドBEAUTY SCHOOL DROPOUの唯一(過去形)のアルバムです。1999年にThem's Good Recordsからリリースされました。まずは1曲目の"Schizo Girl"から聴いてみてください。出だしのギターから傑作の予感がします。そして軽やかなボーカルが乗っかってきて、その予感が見事に確信に変わります。さらに極め付けは最後の超名曲"Pass The Buck"で、笑顔で泣きながら締めくくられるんです。SKIMMERやFUNBUGに匹敵する、ちょっと地味でB級っぽい雰囲気が漂うこの感じに魅了されて、個人的には超過大評価しているバンドです。彼らのMYSPACEでは、影響を受けたバンドとしてDOUGHBOYSやBIG DRILL CARなんかも挙げられていましたが、それらよりももう少しUKならではの陰りと青臭さが際立っています。そして驚くことに、彼らは復活して2024年に新アルバム"WHEN SPOCK DIED"をリリースしました。かなりのおっさんになっていると想像されますが、"Fuck"を連呼する若さを忘れない、激渋のUKメロディック作品になっていますよ。


自分のことを勝手に個性的だと思っていましたが、いざベスト20を作成してみると意外と定番ばかりで凡人ってことが分かってしまいました。ベスト40でちょっぐらいと個性が出るのでしょうか?あと、間違いがあれば遠慮無く掲示板で指摘してください。公開し続けるのが恥ずかしいので…。


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