OFF WITH THEIR HEADS "ALL THINGS MOVE TOWARD THEIR END"
2007年リリースのシングルを集めた編集盤。ミネアポリス産のこのOFF WITH THEIR
HEADSが放つのは、まさに期待通りのサウンド。だみ声ゴリゴリメロディックの真髄が詰まっており、1曲目"Janie"からすでにエネルギー全開。荒々しくて力強い音が広がり、一瞬で元気が湧いてきます。音の雰囲気としては、DILLINGER
FOURを彷彿とさせる、まさに"やさぐれた野郎たち"のためのパンク。ラフで熱く、泥臭さすら感じるその音が、逆に最高に心地よい。このバンドのスタイルが今やOWTH風とまで言われるようになっているのも納得です。さらに、4曲目"Big
Mouth"を聴いて「どこかで聴いたことがあるな?」と思い、iTunesを検索してみたら、なんとTHE
MUFFSの傑作1stアルバムにも同名曲が収録されていることを発見。こういうちょっとした繋がりがまた面白い。ちなみに、このバンドの1stアルバム"FROM
THE BOTTOM"も間違いなしの名盤。どちらを見かけても、迷うことなく即レジ直行でお願いします。
DATELESS "EVERYTHING COULD TURN OUT RIGHT THIS TIME"
シアトル産のDATELESSは男女ボーカルバンドで、個人的にはERGSや昔のSICKO級の過大評価をしてしまいそうなくらいの扱いをしています。口ずさみたくなるようなノリの良いメロディと、哀愁を併せ持ったポップパンクは、時折無性に聴きたくなるんですよね。特に女性ボーカルの可憐さが数曲で聴ける点が、胸を熱くさせます。伸びやかな女性ボーカルが挿入されることで、曲が単調にならず、バランス良く展開していきます。終盤に向けてそのバランスが絶妙に仕上がっていく感じがたまりません。"I
Had To
Quit"のような内省的でありながら前向きな曲は、名曲だと私は思います。まさに隠れた傑作の予感がします。この2006年リリースの唯一のアルバムは、心の奥底でしっかりと支持しています。世間的にはあまり評価されていないようですが、時間が経つにつれ、もっと評価されてもいいバンドだと感じています。
DELAY "PLAIN LANGUAGE"
オハイオ産のDELAYに対してこれまで特に強い印象を持っていたわけではなかったのですが、本作を聴いて完全に見方が変わりました。これまでの作品と比べて、明らかに一皮どころか二皮も剥けたような成長を感じさせる一枚です。2009年にSalinas
Recordsからリリースされた6thアルバム。まず、各曲の構成が非常に考え抜かれており、アルバム全体としても緊張感のある素晴らしい仕上がりになっています。従来のローファイでガチャガチャした雰囲気はそのままに、より洗練されたメロディと遣る瀬無いフレーズが絶妙に絡み合い、聴けば聴くほど深みが増していきます。6枚目でこれほどの傑作を生み出すとはと感心せざるを得ません。長年活動を続けてきたバンドが、ここにきてさらに進化を遂げるというのは、なかなかできることではないはずです。そして何より、彼らの個性が存分に表現されているという点が、このアルバムの最大の魅力ではないでしょうか。TULSAが好きな人にも満足してもらえるかも知れません。
DDT "VIAJE ALUCINANTE"
DDTによるこのスペイン・ポップパンクは、なぜこんなに楽しく、明るく、そしてうら悲しいのでしょうか。単なるラーモンパンクにはない、独特の味付けが感じられます。スペイン人は、伝統的にも遺伝的にもこのバランス感覚を知っているようで、スペイン語の発音がその雰囲気をさらに引き立てているのでしょうか。特に、Waterslideさんで紹介されていた5曲目"El
Bebe De
Rosemaryz"での「ロロロ〜」コーラスには驚かされました。「ラララ〜」ではなく、「ロロロ〜」という独特な響きがなんとも斬新。これに気づいたのは本当にすごいことだと思います。もしかしたらスペインでは日常的にあるコーラスなのかもしれませんが、21世紀の大発明のように感じます。次は、赤塚不二夫先生も驚く「レレレ〜」コーラスを試してくれることを密かに期待しています。ジャケットのデザインは残念レベルですが、アルバムの中身は最高に素晴らしい内容です。2008年リリースの2ndアルバム。
CHARLIE BROWN GETS A VALENTINE "DISMISSED"
2003年にWhoa Oh Recordsからリリースされたメリーランド産のCHARLIE BROWN GETS A
VALENTINEによる2ndアルバム。まず、甘く哀調を帯びたボーカルに時折絡むだみ声のコントラストが絶妙で、聴いていると胸の奥をギュッと締めつけられるような感覚に陥ります。楽曲自体もよく練られており、疾走感の中に溢れるサッドな情景が、まさに青春の一コマを切り取ったかのようです。ジャンルとしては"エモーショナル・ポップパンク"と言ってもよいかも。SCARIESやJAWBREAKERをなんとなく思い浮かべましたが、MYSPACEではTEXAS
IS THE
REASONの名前も挙がっていました。でも正直、それとはちょっと違う気がします。物悲しいメロディとエネルギーが混ざり合う、このバランスこそが彼らの魅力なのかもしれません。言葉で説明するよりも、実際にBandcampでチェックしてもらうのが一番だと思います。そして本作はリリースから20年の時を経て、ついに初のビニール化されたのは、本当に嬉しい限りです。ナイスリリース!
THE BONADUCES "THE DEMOCRACY OF SLEEP"
THE
BONADUCESによる本作、こりゃええわ〜。じわ〜っと荒んだ精神が癒されていく、まさに心のオアシス。音的には全然違うのですが、SUPERCHUNKやTHE
GET UP KIDS級の癒し度を誇る、1998年にEndearing
Recordsからリリースされた2ndアルバム。どこかPAINTED
THINにも通じるものがあるなと思ったら、なるほど、どちらもカナダ・ウィニペグのバンドでした。爽やかな風が頬を撫で、心が洗われるような感覚。こんな自分でもいい人になれるんじゃないかと錯覚してしまうほどの温かさがある…
なんて書くと「何じゃそりゃ!」とツッコミが入りそうだけど、音楽の魅力を言葉にするのはいつだって難しい。でも、聴いているうちに、独りで煩悶していた心の中に、一筋の光が差し込んでくるような感覚になります。特に9曲目"Eyes
as Black as Blueberries"は、非凡な才能が光る圧巻の一曲。涙、涙で完全に撃沈…。
LEEWAY "TIN CANS CALLING HOME"
音楽には、その土地、その文化、その人々の歴史が滲み出るもの。日本のロックには歌謡曲のDNAが根付いているし、アメリカのロックにはブルースの血が流れている。どちらが優れているとかではなく、それぞれにしかない魅力があります。そして、この二つが奇跡的に融合すると、想像を超える素晴らしい音楽が生まれる。四国産のLEEWAYによる本作は、まさにその証明。両者の良さが相俟って昇華された一枚です。Ingrid
Elias嬢のキュンとくる裏声が織り交ぜられた淡々としたボーカル。抑えた感情が、楽曲の流れとともにじわじわと昂り、ここぞという場面で叙情的に炸裂。特に"Making
up New Lines"や"Pictures We
Keep"は、胸を熱くするドラマチックな展開で、思わず涙腺が刺激されます。単なるエモやメロディック・パンクという枠では語れない、感情を揺さぶる傑作。FIFTH
HOUR HEROが好きなら間違いなく気に入ってくれるはず。そして何より、このバンドを生で観たかった…
それが叶わないのが本当に惜しい。2012年にリリースされた、唯一のアルバム。
BAD RELIGION "STRANGER THAN FICTION"
ロサンゼルス産のBAD
RELIGION節をしっかり堪能するなら、通常は歴史的名盤とされる"SUFFER"や"AGAINST THE
GRAIN"あたりを挙げるのが一般的かもしれません。しかし、今回あえて紹介したいのは、1994年にリリースされ比較的影が薄い印象のある彼らの初メジャー作品(Atlantic)である本作です(ビルボード87位にランクイン)。通算では8thアルバムとなります。彼らの作品は10枚ほど持っていながら、がっつりのめり込めなかった私ですが、このアルバムに収録されている"Hooray
For Me…"には完全にやられました。LAGWAGONの"Angry
Days"のように、アルバムの中で突如現れる奇跡的な超名曲です。この曲のドラマチックな展開と感情を揺さぶるメロディには、思わず涙がこぼれました。BAD
RELIGION特有の"金太郎飴"的な音が苦手な方でも、この1曲だけでもぜひ聴いてほしいです。もちろん、アルバム全体も決して単調ではなく、バラエティに富んだ楽曲が揃い、緊張感のある音を終始楽しめます。メジャー移籍後の作品としては賛否両論あるかもしれませんが、私は間違いなく名作だと断言できます。
PASTWALKER "REFLECTIONS"
PASTWALKERによる2021年リリースの1stアルバム。1回目に聴いたときは、さほど印象が残らなかったのですが、2回目、3回目と叙情的なメロディが脳みそに記憶されてからは聴く度にとても気持ち良くなっていきます。スピーカーから流れる音に合わせて口笛が吹きたくなるような感傷的で日本的な優しいメロディラインにほっとさせられますし、心に引っかかるサッドなメロディを大事にされていることに好感が持てます。まさにこれぞUKメロディックに影響を受けたJPメロディック(個人的に日本でメロディックバンドを称しながらも、どうやったら音に合わせて口笛が吹けるのか不明なメロディックとは言えないバンドが多すぎると思います。単にパンクバンドと名乗って欲しい)です。Bandcampで1曲、1回だけ聴いて判断するのは勿体ない。ちなみにこの"Reflection"も良いですが、7曲目"Second
Tune"なんかも大好き。極端に明るくもなく暗くもない自然体で良い塩梅です。私、お薦めします!そして2022年1月9日の京都ライブ、本当にメンバーの人の良さが滲み出た演奏でとても楽しめました。また観たいぞ。
CHINA DRUM "GOOSEFAIR"
CHINA
DRUMについて『ボーナストラックにKate
Bushのカバー"嵐が丘"を収録した1stアルバム"GOOSEFAIR"を皆さん紹介することが多いですが、若干音が綺麗すぎるので、どちらかと言えば私は若干パンク度が高くなった2ndの本作の方が好きです』と以前記載し、2nd"SELF
MADE MANIAC"を紹介しておりました。しかしながらやはり"Cloud 9"や"Fall Into
Place"(BODYJARがカバーしてますね)、"Simple"の入っている1stを見捨てられず、転向してやっぱりこっちの方がいいってことで紹介アルバムを変更。とにかく、各曲のメロディの完成度が周辺UKメロディック・バンドのレベル一段上にあります。結局のところ1st、2nd、どっちも名作なのでどっちから買っても間違いないです。ちなみにSNUFFと同じく、ドラムがリード・ボーカルをやってます。1996年にMantra
Recordingsからリリース。なお、LPは豪華ブックレット付きです。
CRIM "CRIM"
最近、歳のせいか新作に対する感動が薄れてしまい、期待して購入しても胸を打つ作品に出会える機会がめっきり減ってきました。そんな中、久しぶりに心の琴線にビシッと触れられるアルバムに出会いました。それがこのCRIMによる2014年リリースの1stアルバムです。しわがれた声と適度な疾走感、そして胸をえぐるような哀愁メロディがこれでもかと押し寄せてきます。これはもうLEATHERFACE直系としか言いようがありません。そして、カタルーニャ語の響きが加わることで、どこか新鮮な雰囲気を醸し出しています。6曲目"Tarragona
Dorm"をはじめ、どの曲も水準以上の完成度で、アルバム全体にダレることなく、緊迫感を保ったまま最後の曲まで一気に駆け抜けていきます。ポップ・パンク王国スペインから、こんなにもサッドなメロディック作品がポロッと出てくるとは正直予想外でした。発掘して入荷してくれたHYPER
ENOUGH RECORDSさんには感謝しかありません。ちなみに、2nd"BLAU SANG, VERMELL
CEL"も間違いなくおすすめですので、ぜひチェックしてみてください。
THE DISPENSED "BURY YOUR HEART"
私は昔、阪神の選手ではオマリーよりもパチョレックが好きでした。派手さはないけれど、ひたむきにコツコツと安打を重ねる姿が、華麗で格好良かったのです。そして、このニューヨーク産のTHE
DISPENSEDのアルバムも、まさにパチョレックのような存在です。決して派手さはありません。しかし、この2010年にリリースされたアルバムには駄曲が一切なく、一曲一曲が静かに、しかし確かに輝いています。アルバム全体が、最後の曲までじわじわと盛り上がっていく構成になっており、重すぎるわけでもなく、ゴリゴリと押しつけがましいわけでもありません。漂うのは、どこか懐かしさと、日々を乗り越えていくためのささやかな勇気。"Swing
and
Miss"のような楽曲は、実に渋くて、熟成されたメロディがじわ〜っと染みてきます。ちなみに、Discogsの情報によると元FUN
SIZEのギターがボーカル・ギターとして参加しているとのこと。それも納得の、哀愁と確かなメロディが詰まった唯一のアルバム。
REMNANTS "TRUE PLACES NEVER ARE"
ねずみのふくろさんから購入したニューヨーク産のREMNANTSのレコード。ねずみのふくろさんの紹介文の言葉通り本気モードは2曲目からでした。キラキラとした音の中に漂う儚さ、そしてどこかうら悲しく響くボーカル。どこか寂しげなメロディが身に迫るような感覚がありつつも、それでも前を向いて進んでいくんだというような気持ちがしっかりと伝わってくる、そんな味わい深い作品です。類似バンドとは言い切れないかもしれませんが、ポップでありながらメロディックな要素を持つ点では、BALLOON
FLIGHTSやSHOWER WITH GOATSが好きな人ならきっと響くはず。2017年にDifferent Kitchen
Recordsなどからリリースされた1stアルバム。そして、何よりも圧倒されたのが、究極に哀調を帯びた3曲目"Lay
off the Book Club"と6曲目"More
Ghosts"。この2曲を聴いていると、まるで胸の奥にある忘れていた感情がふっと呼び覚まされるようで、気づけばじんわりと目頭が熱くなっていました。まさにサッドメロディックの極みです。
STILETTO BOYS "A COMPANY OF WOLVES"
ペンシルベニア産のSTILETTO
BOYSによる本作を最初に聴いた際には、すぐにPARASITESやUNDERTONESが思い浮かんできました(ちなみに本アルバムにはJAMのカバー"Life
From A Window"とBUZZCOCKSのカバー"I Don't Mind"が収録されてます)。とにかく2曲目"Mind
Control"など、感涙メロディックが最後まで見事に駆け抜けていきます。曲が良すぎることに加え、繊細で美しくて青臭いボーカルが押し寄せてきます。地味ながら涙なしでは語れないパワーポップ・メロディック・パンクの傑作なのであります。これはまさに天才の仕事でしょう。攻撃性は全くないけど、この甘さがたまらん人は多いと思います。そぞろ涙にハンカチ必須。2000年にPelado
Recordsからリリースされた2ndアルバム。なお、LPでのタイトルは"BUZZBOMB
SOUNDS"でジャケットも異なっていますので間違いないようご注意願います。
WATER CLOSET "AGAIN & AGAIN"
WATER
CLOSETは、CIGARETTEMANなどから続く日本の伝統的メロディックフォーマットである男女混声ボーカル・メロディックバンドで、本作は2ndアルバム(2000年リリース)。SPROCKET
WHEELのメンバーも参加しているみたい。"Today is better than
yesterday"など、見事というかやりすぎ感のあるグッド・メロディに元気をもらえます。もう少し過ぎるとキンキン声となって聴き苦しくなってしまうギリギリの線を保っているあの高音の張りのある女性ボーカルが魅力的ですね。ほとんど全ての曲が水準以上でアルバムとしてとっても楽しめます。1st"Time
Is Cool"より作曲能力に大幅な向上が見られます。なお、LPはCDとジャケットが異なり、UKのRugger
Bugger
Discsからリリイースされてます。で、話がそれますがCIGARETTEMANのコンピ盤の企画、復活しないかな〜。リリースされればBest40位以内に載せます。
STARMARKET "SUNDAY'S WORST ENEMY"
STARMARKETによるこれってエモなのでしょうか?1997年にDolores
Recordingsからリリースされた2ndアルバム。当時「エモ」という言葉が今ほど一般的だったかは微妙なところですが、そんなジャンル分けはさておき、とにかく美しいメロディとパンキッシュなスピード感が詰まった傑作です。スウェーデンらしい洗練された旋律が、時に切なく、時にエネルギッシュに響き渡り、聴くたびに心が揺さぶられます。なお、1stアルバム"STARMARKET"も若干パンク度は抑えめながら、やはり格好良い。どちらも間違いなく名作です。それにしても、スウェーデンは人口の割にどうしてこんなに良いバンドが次々と生まれるのでしょうか。RANDYとSTARMARKETには兄弟がいるという話もありますし、もしかしたら水道水にメロディック成分が含まれているのでは…なんて思ってしまうほどです。教育の賜物なのか、それとも何か秘密があるのか。そして、忘れられないのが2019年1月19日の大阪での復活ライブ。目の前で本物のSTARMARKETが演奏しているという瞬間に立ち会い、感無量のあまりTシャツを購入してしまいました。
STRAIN "NO BUTTS OR LUGGS"
UKメロディックが好きな人なら、STRAINによる本作品をなぜ私がランキングに挙げてこなかったのを不思議に思っていたのではないでしょうか。実際、私は大好物でありましてアップしたかったのですが、これまでこのアルバムはダウンロード購入したものしか所持していなかったのでアップできなかったのです。意味が分からないかもしれませんが、このBest300に挙げる作品はモノとして所有しているもののみアップするというのが私のポリシーなんです。最近(もはや昔)、eBay.ukでやっと入手。ようやくアップすることができました(なおダウンロード版はボーナストラックとしてシングル作品が収録されてます)。駄文が続いたので、内容は簡潔にします。哀愁、疾走感最高!明るくにはなれないけどちょっとだけ希望があるような、まさしくUKメロディックな音であります。1999年リリースの唯一のアルバム。そして、誰か前身バンドであるSQUAREHEADのCD化をしてくれないかな〜。リリースされれば即Best入りであります。彼らが持つ珠玉の名曲"How
Long"はSQUAREHEADでも歌ってます。
THE YUM YUMS "BLAME IT ON THE BOOGIE"
ノルウェーが誇るスーパー・パワーポップ・バンドTHE YUM
YUMSによる2ndアルバム(2002年リリース)。聴こえてくるのは北欧の冷たい空気ではなく、まるでカリフォルニアの陽射しと潮風を浴びているかのような音です。ビーチ・ボーイズのDNAを受け継いだかのような爽快感、キャッチーで青臭いメロディが詰め込まれており、もう胸が張り裂けそうになります。正直、パンク的な破壊力は皆無ですが、「もういいや、好きなようにやってくれ!」と言いたくなるほど、甘酸っぱくて、キラキラしていて、ひたすらハッピーな音の渦に飲み込まれてしまいます。2曲目の"Your
Biggest
Fan"をはじめ、アルバム全体が名曲だらけの宝箱のような作品です。もしかしたら売り方次第で、彼らはもっととんでもない存在になっていたかもしれません。でも、それを言うのは野暮ですね。この極上のパワーポップを心ゆくまで堪能する、それだけで十分です!
TORINO74 "TORINO74"
"DRIVER"という愛すべき最高傑作シングルだけをリリースし、表舞台から姿を消したバンド、TORINO74。そんな彼らに未発表曲が存在していたとは…!そして、その幻の楽曲を含めた全10曲入りCDが、我らがFIXING
A HOLE
RECORDSさんから2011年にリリースされました。ホームページでリリース予定を発表されて以来、ずっと待ち望んでいましたが、その期待を遥かに超える内容でした。シングルにも収録されていた彼らの代表曲"When
Capris Ruled The
World"が1曲目から炸裂し、出だしの瞬間に涙腺崩壊。この曲を聴く際はハンカチとティッシュの準備が必須です。ex-CHOPPERおよびDONFISHERのメンバーによるバンドだけあり、UKメロディックとしてのクオリティは折り紙付き。疾走感と滲み出る哀愁が、まさに理想的なメロディックの形を作り上げています。こういう埋もれた名作を掘り起こしてくれるレーベルには、本当に感謝しかありません。
POLLEN "PEACH TREE"
POLLENは万年Webサイトに紹介しようと思っていたバンドなのですが、躊躇していた理由はどのアルバムを紹介したら良いのかということ。アルバムは4作品あり、初めの方がCRUZ色がより強くて後期になると少しだけエモーショナル度が高くなってくるのですが、どれも曲自体のクオリティーが高いので悩んでいたわけです。とりあえず今回は3rdアルバムを選びましたが(ピーチ色LPで再発されたのも決め手かも)、どのアルバムを選んでいただいてもハズレってことはないと思います。この3rdはSAMIAMやGAMEFACEが思い浮かぶ曲もありつつ、5曲目"Denoted"などCRUZなというよりALL(ちなみにBill
StevensonとStephen
Egertonが制作に関わっているようです)なフレーズも聞こえてきてニンマリしてくる作品です。親しみやすいキャッチーな曲が多いので、皆さん(狭い世界ですが…)にPOLLENを好きになってもらうきっかけとしては最適ではないでしょうか。1997年にWind-Up(前身はGrass
Records)からリリースされた作品。
疲れたー。☆付けではなくなぜベスト形式にしたかというと全所有アルバムを載せるのが面倒ということが一番なのですが、それと他人が作ったサイトのアルバムレビューで自分の好きなアルバムが星一つだと悲しくなっちゃうときがあるので自分のサイトでは、そういうことをしたくないと思ったわけです。ということで、自分にとっての駄作は無視です。
【MY BEST 81〜100に進む】
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