LAWN DARTS "VOLUME Ⅱ"
ニュージャージー産のLAWN
DARTSの存在を知ったのは、某ブログで紹介されていたことにはじまります。そこでこの1999年リリースの2ndアルバムの1曲目"Love
Song"をBandcampで聴いてあまりのキャッチー具合にぶっ飛んだ次第。早くWebサイトで紹介したいと思っていたのですが、物理的に所有しているものしか紹介しないという自分勝手なポリシーのせいで紹介できず困っておりました。Discogsでの取引履歴もなく入手を諦めておりましたが、苦節数年MusicStackにて発見しゲット(UKからの送付で送料込みで1248円)。ようやく日の目を見ることなりました。そもそもLAWNDARTSなのかLAWN
DARTSなのかが分からない。ジャケットではLawnDartsと"L"と"D"が大文字ながらも半角スペースが空いていないのに対し、Bandcampでは"Lawn
Darts"となっております。まぁそんな細かいことは傍においてリンク先のBandcampに訪問していただいて究極のスウィートパワーポップパンク曲"Love
Song"と"Misery"を聴いてみてくださいませ。
YAWNERS "DUPLO"
スパニッシュ・ギターポップなYAWNERSによる2022年リリースの2ndアルバムでありまして、その透明感がある伸びやかな彼女の声は心臓に突き刺さっている諸々の棘を抜き去ってくれるかのよう。うら悲しさを備えた音を聴いていると彼女をぎゅっと抱きしめたくなるような気持ちになりますが次第に逆に抱きしめてもらっている感覚に変わっていきます。1st"JUST
CALM
DOWN"の方がバンド・サウンドっぽくて本来そういった方が私の好みのはずですが、このYAWNERSについては別みたいでこのソロ作品みたいな2ndの方がより素晴らしいと思ってしまいます。確かにこのアルバムには120点の超名曲はないかもしれませんが、全ての曲が85点以上な美しい名曲揃いです。だからこそ心拍数が上下することもなく穏やかな大河の流れのように心地よい終着点に向かうことができます。これは永遠の愛聴番になりそう。ちなみに3曲目の曲名は"Rivers
Cuomo"ですよ。最高じゃん
MARBLE "SPINNING AROUND"
ミネソタ産のMARBLEによる1996年にリリースされた唯一のアルバム。自主リリースなのかな。まず1曲目"Taystee's
Revenge"のインストナンバーでCRUZIANであることを高らかに宣言しリスナーに安心感を与えて、加えて2曲目の出だしも安定のCRUZサウンド。ブリブリのベースにやり過ぎ感のある歯切れの良い泣きのメタリックなギター、伸びやかなボーカルが気持ち良くて最高っす。音の傾向はSPLIT仲間のPORCELAIN
BOYSや他にはFULLにも近いかも。Waterslideさんがリリースした再発CDのライナーによると元々プログレが好きなようで、だからこそのテクニカルさなのかも知れません。それにしてもプログレからの影響はよく分かりませんがCRUZファンがにやけそうなキャッチーでスピード感溢れる曲の怒涛の垂れ流しに才能を感じざるを得ません。なお、オリジナル盤の裏ジャケットは史上最悪なので、それを見ないためにもマニアでなければWaterslide盤がとりあえずオススメ。
COTTONTAIL "SECRET HIDING"
フィラデルフィア産のCOTTONTAILによる2017年にリリースされたこのアルバムは、ねずみのふくろさんから購入したCDで、聴き始めてすぐにその魅力に引き込まれました。すべての曲が切なさと癒しのメロディに溢れ、まるで心の奥深くに染み渡るような温かさを感じさせてくれます。決して弱々しくはなく、むしろ強い信念のような、何か熱いものが音の中に息づいているのを感じます。フォーキーな音でありながら、単調さは全くなく、どの曲も無駄がなく引き込まれます。時折現れる疾走感が、ただ癒されるだけではなく、心の隙間をピタッと埋めるような不思議な力を持っています。どの曲が特に良いというよりも、アルバム全体で聴かせる、所有して良かったと心から思える作品に仕上がっています。聴き終わった後には、ちょっとだけ前向きになれた気がして、人に優しくなれそうな気持ちになります。こんな素晴らしい音楽なので、ぜひビニール化して欲しいです。
SAD DAYS INDEED "SAD DAYS INDEED"
SAD DAYS
INDEEDによる2006年リリースの1stアルバム。このアルバムを聴いた最初の数十秒で、誰もが気づくでしょう。このバンドは、BROCCOLIやHOOTON
3
CAR、そしてCHOPPERなど、UKメロディックの王道サウンドが大好きなんだなと。そして、バンド名もLEATHERFACEの曲名に由来しているところからも、その影響が色濃く感じられます。ただ、このバンドがフィンランド産であることがとても重要で、そこがまた魅力的なんです。同郷のMANIFESTO
JUKEBOXやPHOENIX
FOUNDATIONのようなハードコアな無骨さはあまり感じられず、むしろメロディ重視で、よりサッドで感傷的な要素が私の心に深く響きます。どこか温かくもあり、懐かしさも感じさせてくれます。個性のない物まねバンドだと思って聴くのは非常にもったいない。むしろ、もっと評価されるべきだと思います。特に2曲目の"Last
Supper"なんて、まさにフィンランドメロディックの完璧な一曲です。
ALL "PROBLEMATIC"
ロスアンゼルス産のALLによる1曲だけの素晴しさだけなら、国宝級の超名曲"She's My
Ex"が収録された2ndアルバム"ALLROY'S
REVENGE"かも知れませんが、超ベテランバンドの巧みなポップセンスをアルバムとして堪能したいのなら、この2000年にEpitaphからリリースされた8thアルバムがよろしいかと。ま〜これをALLのベストアルバムとして挙げる人は少ないかも知れませんが...。他のアルバムにあるポップじゃない変態ソングが目立たないのが、Cruzianマニアではない私には10ポイントアップな点かも知れません。とにかくDESCENDENTSを含め多くの曲を作ってきたのにも関わらず、才能は枯渇せずに"Better
Than
That"など、キャッチーな曲を作り続けていくことに感心せざるを得ません。ちなみに彼らのプロデューサー活動によるポップパンク界への貢献もおもいっきり大であります。
SICKO "YOU CAN FEEL THE LOVE IN THIS ROOM"
FASTBACKSのKurt
Bloch御大のプロデュース(DEVIL DOGSの超名作"SATURDAY NIGHT
FEVER"でもプロデュース)によるシアトル産のSICKOによる1stアルバム(1994年にEmpty
Recordsからリリース)。このアルバム、遙か昔、DOLLのレコード紹介でも挙げられていたような気がします。NEW
BOMB TURKS、DEVIL
DOGS等の作品とともに、1990年代を代表する大傑作ガレージポップパンクアルバムではないかと思います。ちなみに前述の2つのバンドよりガレージ度が薄くポップなので、メロコア君でも聴きやすいと思います。なおこのアルバムでなくても、彼らの全アルバムはどれももポップ度満開で疾走していくので、はずれなしでございます。チープな価格でゲットできると思うのでどれを買っても大丈夫です。「DOLL
メロディック狂必聴ディスクUS編」紹介ディスク。
HIPSHOT KILLER "HIPSHOT KILLER"
2011年にLocket
Loveからリリースされたカンサス産のHIPSHOT KILLERによる1stアルバム。AGE OF
DISTRESSさんからの入手。当時、このWebサイトはAGE OF
DISTRESSさんに乗っ取られていたかのようでしたねぇ。たくさん買っている訳ではないのですが、当たりの割合が多いのがその理由。ちなみにDiscogs情報によると、THE
REVOLVERSのギターとベースが参加している模様。スピードに頼らず、曲の良さで勝負する大人のメロディックパンクです。空間に広がるギターの音など、中期頃のHÜSKER
DÜの影響を受けているのかな。3曲目"Straight
Line"なんかは名曲ですが、フレーズとか展開がふとBUZZCOCKSが思い浮かんできました(早速BUZZCOCKSを聴きましたが、思い当たるような曲は見つからず。勘違いか単なる痴呆かは不明)。他の曲も激渋ではない軽い渋さが心地良くて、これまた良い感じです。
ZATOPEKS "DAMN FOOL MUSIC"
ZATOPEKSによるこのアルバムは、1曲目"Radio
Marija"から早速、心をつかまれます。ウキウキしながらも、どこか哀愁漂うポップ・パンクソングが、気づけば涙腺を緩ませてしまう、イギリスのバンドによる2ndアルバム(2007年にHousehold
Name Recordsからリリース)。いわゆるUKメロディックの王道から一歩踏み出し、BEATLESやBEACH
BOYSなどの1960年代の懐かしさを感じさせる音がふんだんに詰め込まれていますが、これがまた絶妙なんです。単なる懐かしさでは終わらない、独自の魅力を放っています。SCREECHING
WEASELやSKIMMERのようなRAMONESライクなバンドを愛する人たちはもちろん、甘酸っぱいポップパンクやパワーポップが好きな人なら、間違いなく心を奪われるはずです。前作に比べて、個性と完成度がさらに磨き上げられたこのアルバム。聴いているうちに、少なくとも10分は他人に優しくなれる気がしてきます。
TEENAGE BOTTLEROCKET "WARNING DEVICE"
2007年にRed Scareからリリースされた、ワイオミング産のTEENAGE
BOTTLEROCKETによる3rdアルバム。メンバーにはLILLINGTONSのメンバーも在籍し、まさにラモーン・パンクの香りが漂う作品です。正直なところ、前作"TOTAL"と大きな違いがあるわけではなく、無人島に持っていくべきアルバムかというと、そうではないかもしれません。でも、このアルバムを取り上げた理由は、耳に残るメロディ、口ずさみたくなるほどの単純さ、そして甘酸っぱい展開が、私をほんの少しの間でも幸せな気分にさせてくれるからです。SCREECHING
WEASELやQUEERSが好きな人なら、間違いなくこのアルバムも好きになってもらえるでしょう。そのノリノリの雰囲気に身を任せて聴いていると、思わずジャンプしたくなって、気づけば、階下のおっさんからお叱りを受けているかもしれません。ライブで聴くともっと良さが引き立ちそうなバンドで、一度そのパフォーマンスを観てみたいと強く思わせてくれます。
HANGTIME "INVICTUS MELODIOUS"
カナダ・トロント産のHANGTIMEによる2017年リリースの2ndアルバム。最初にジャケットを見た瞬間、「なぜメンバーの足がタコの足になっているのか?」と疑問が浮かびますが、その荒涼たるビジュアルからは想像できないほど、アルバム全体には清涼感のあるボーカルと、キャッチーで青臭く甘酸っぱい音が広がっています。最初はちょっと荒削りな印象を受けるかもしれませんが、実際に聴いてみると、そのソングライティング技術の高さに驚かされます。日々の生活に疲れたときに求めたくなる、まさに束の間の癒しとなるような、全曲が最高のメロディック・パワーポップ・パンクに仕上がっています。特に"Tonight
Tonight"を聴くと、まるでSCARIESを彷彿とさせるメロディで、心地よく体を揺らしたくなります。本当に、ジャケットで損しているなと感じます。もしジャケットだけで判断して購入を見送ってしまったら、それは非常にもったいない。音を聴けばすぐにその価値に気づくはずです。
BLOCKHEAD "I'LL LEAVE THIS BEHIND"
2009年にJohn
Wilkes Booth
Recordsからリリースされたニューハンプシャー産のBLOCKHEADによる唯一のアルバム。このアルバムには、駆け抜けていくような勢いと、どこか世間を斜めから見ているような独特の感覚が漂っています。その魅力の一つは、まるで本気で歌っていないかのような、粘着質な声。けれどその声に、哀調を帯びたギターのメロディが絡み合い、思わず涙を誘われます。明日がどうなるかはわからないけれど、それでも何とか前に進んでみようかという気持ちにさせてくれる、そんな力強さが感じられます。このアルバムは、巷に溢れる熱さやエネルギー全開のバンドとは一線を画し、曲の良さで勝負しているところに大きな魅力を感じます。熱血一辺倒ではなく、冷静に、でも確かな情熱を持って歌われる曲たちが、深い余韻を残します。MY
SPACEでは、影響を受けたバンドとしてHOT WATER MUSIC、DILLINGER FOUR、ALKALINE
TRIOが挙げられていましたが、実際にはそれほど似ているという印象は受けませんでした。
THE FAKE BOYS "POP PUNK IS DEAD"
CRASSが「Punk Is
Dead」と言い、それに対しEXPLOITEDが「Punks Not Dead」と返答…。月日が流れ、今度は「Pop Punk Is
Dead」とのことです。そうしたテーマを掲げつつも、THE FAKE BOYSが歌うのは、TEENAGE
BOTTLEROCKETを思い起こさせる、涙がこぼれそうなうら悲しいポップ・パンクです。そして、その中で特に印象的なのが、ポップ・パンクにありがちな泣きの単音ギターがなく、その分だけストレートで力強いサウンドが魅力的です。シンプルでありながらも、どこかハードさを感じさせる音作りが逆に新鮮で、耳に残ります。「BOYS」つながりで、JETTY
BOYSなどがお好きな方なら間違いなくハマるはず。でも、本人たちはJAWBREAKERが好きだと言っているのが、また面白いところ。2008年にCheapskate
Recordsからリリースされたこの2ndアルバム(Discogsではシングル扱いですが、8曲入りなので私的にはアルバムと呼びたい)。
DADE COUNTY RESISTANCE "EVERY LAST CHANCE"
THE
GET UP KIDSやSCARIESが思い浮かぶようなキャッチーで美しい曲が備わった、2003年にTrend Is Dead!
Recordsからリリースされたサウスカロライナ産のDADE COUNTY
RESISTANCEによる1stアルバム。いきなりの1曲目"Postcards to the
Edge"から心を掴みまくるメロディと疾走感が堪りません。この曲が気に入っていただけなければ停止ボタンを押してブックオフに持っていただいてもよいかと。アルバム全体として破壊力はさほどありませんが、エモ好きにも受け入れらそうな曲に盛り上がりポイントを挟むための効果的なサビの挿入に加えキレと疾走感があるので、いい感じで流れて終わっていきます。このまま解散しなかったら、メジャーに行ったかもしれなさそうな危険な薫りがする音なのですが、1stアルバムのためか私のばっちし許容範囲です。悲しみに堪えながら歌っているような感じが素敵です。一人、寂しい夜にウイスキーを手にしながら聴きたい一品。
DEAD RINGER "ENJOY THE RIDE"
2011年にGruff Beard Recordsからリリースされたサンフランシスコ産のDEAD
RINGERによるシングル。この4曲入りシングルは、まさにシングルだからこそ伝わる魅力が凝縮されています。アルバムをメインに紹介することが多い私ですが、この作品はどうしても紹介せずにはいられませんでした。音的には、癒し系メロディック・ポップパンクという言葉がぴったりくるかもしれません。どこか懐かしさも感じさせるメロディと、心にしみる女性ボーカルが絶妙なバランスを保っていて、どこか悲哀も感じる瞬間が心に残ります。このボーカル、決してキャピキャピしていないし、しゃがれた感じでもない、まさに「普通」な声なのですが、それがまたいいんですよね。少し愁いを帯びたその声が、どこか安心感を与えてくれます。こうしたメロディックな音に包まれていると、心が少し軽くなって、つらい日常に立ち向かう力が湧いてくる感じがします。
PORCELAIN BOYS "AWAY AWHILE..."
ミネソタ産のPORCELAIN BOYSについては、もともとLOOKOUT! RECORDSの編集盤"CAN OF
PORK"に収録された1曲しか知らなかったバンドでした。しかし、1997年にPopKid
Recordsからリリースされた1stアルバムCDを天下のSP
RECORDSが再発してくれることに。さて、予想通り、音はまさにザ・1990年代そのもの。何も考えずに安心して聴けます。第一印象としては、ALLをメインに、そこにSAMIAMやDOUGHBOYSの風味を少し振りかけた感じでしょうか。あっ、これ間違ってますかね?でも、CRUZIAN
POP
PUNKが好きな人にはドンピシャだと思います。このバンドの魅力は、その音のシンプルさと確かなセンスにあります。ジャケットはよく分からない感じですが、気にせず聴いてみてください。特に3曲目"Icewarm"では、巧みな展開と泣きまくりな歌声に心を打たれます。また、パンクにしてはギターソロが多めで、それがまた絶妙なアクセントになっています。
TIN SOLDIERS "BOYS LOVE SONGS"
このTIN
SOLDIERSは、BROWNTROUTのメンバーが在籍する八王子産だそうです。八王子って行ったことないので、なんとも言えませんが…。でも、もしこの街の空気がこの音に影響を与えているのなら、きっと冬に近い夕暮れの街角に少し切なげな風が吹いているんじゃないか、なんて想像をしてしまいます。なんか肩肘を張らず、あえて力を抜いた感じの歌声がとても魅力的。無理に叫ばず、でも確実に心の奥まで届く声。その声の周りの空間を、キラキラしながらも豪快に歌い上げる哀愁ギターサウンドが包み込み、私の胸を揺さぶってきます。こういう感覚、SUGARに少し似ているかもしれません。全6曲とも水準以上で、4曲目
"The Hate"
に至っては、笑顔で泣いちゃうぐらいの大名曲。激渋アルバムとして、なかなかの大傑作。我が国で生まれたこの作品を眠らせておくのは勿体無いので、ぜひ掘ってみてください。2009年リリース。
BALLOON FLIGHTS "TALES FROM THE BASEMENT"
BALLOON
FLIGHTSによるこの作品を聴いて、「ああ、スペインのバンドね」と即答できる人はどのくらいいるのでしょうか。この音には、国籍を感じさせない普遍的な魅力が詰まっています。むしろ、SP
RECORDSさんが言うように、その展開やメロディの作り込みは、日本のメロディックに近い雰囲気があり、独特の温かさを感じます。個人的には、SKIMMERやLOS
REACTIVOS、そしてPEAR OF THE
WESTの男性ボーカル曲の展開が好きな人には、気に入っていただけると思います。ポップさと哀愁が絶妙に絡み合った2011年リリースの1stアルバム。特に4曲目"Never
Surrender"は、イントロの時点で胸がギュッと締め付けられるような名曲で、そのメロディは聴くたびに心に残ります。こんなに心に残る曲を聴くと、日々の疲れが一瞬で消えてしまうような、癒しの瞬間を味わえます。余談ですが、彼らからX(旧Twitter)でフォローされたときは、素直に嬉しかったです。
CLETUS "HORSEPLAY LEADS TO TRAGEDY"
キャッチーなメロディに心奪われる、サウスカロライナ産のバンドCLETUSによる1999年リリースの3rdアルバムにしてラストアルバム。Johanns
Face
Recordsからのリリースです。ハイトーンで鼻にかかった甘酸っぱいボーカルが、荒んだ心を優しく撫でてくれるような感覚。この手のポップパンクにありがちな軽快さだけではなく、どこか儚さも含んでいるのがたまらなく愛おしい。あまりあてにはなりませんが、個人的にはTHE
COPYRIGHTSが思い浮かびました。単純なようでいて、随所に可愛らしさが仕込まれた楽曲の数々は、アルバムを最初から最後まで心地よいスピードで駆け抜けさせてくれます。勢いだけで終わらない、ちゃんと計算されたポップセンスが光る仕上がり。ちなみに、2022年(?)に初めてアナログ盤がリリースされましたね。こういう作品がビニール化されるのは、なんだか報われた気がして嬉しい限りです。
GOOBER PATROL "DUTCH OVENS"
地味ながらも確かな存在感を放ち、SNUFFの弟分的な立ち位置で活躍したバンド、それがGOOBER
PATROL。実際のところ、どちらが先輩なのかは分かりませんが…。とにかく、なぜか後にFat Wreck
Chordsにも進出を果たした彼らの1992年リリースの2ndアルバムを紹介します。Boss
Tuneageからのリリースで、まさにUKメロディックの隠れた名盤といっていいでしょう。SNUFFと比較されることが多いバンドですが、疾走感や音の厚み、華やかさで勝負するのではなく、むしろしょぼさ・情けなさ・哀愁で突き抜けているという意味では、もしかしたら兄貴分を上回っているかもしれません。これだけ書くとネガティブな印象を持たれそうですが、決して退屈な駄作ではありません。"I
Can
Hear"をはじめ、胸を締め付けるような名曲が散りばめられた、実に味わい深い一枚。聴かず嫌いはもったいないですよ。本当に傑作ですから。なお、CDとLPではジャケットが異なりますが、今回表示しているのはCDの方です。
なんとか完成。自分の作ったBEST100を見返してみて忘れているのもあるので完成とはいえないかな。ていうか、パンク聴きおっさんを続けている限り完成はないのかな。若い頃に聴いていたのが、どうしても思い入れがあって上位にいきがちだけど、思考停止はボケの始まりなのでどんどん新しい作品も上位に食い込ませられるよう、頭を柔軟にします。お付き合いありがとうございます!
【MY BEST 101〜120に進む】
【MY BEST 61〜80に戻る】
【FIFTEENとLEATHERFACEが好きだ!に戻る】
【姉妹ページ海外旅行記 小市民の気弱な旅へ】