BLOTTO "REMEMBER BUY THE VINYL FIRST.... "
CRIMPSHRINEのポップセンスと疾走感(ちなみにCRIMPSHRINEの"Wake Up"のカバー収録。そういえば、"Step Back"はCRINGERのカバーですよね。)とNAVELの日本的情緒と切なさを併せて割ったかのような味わい深い彼らの編集盤であります。勿論、彼らならではの個性が溢れまくっています。SNUFFY SMILEで出したシングルやコンピ提供曲が収録されているらしいですが、勉強不足の私は全くもって詳細を知りません。超名曲はないかもしれませんが("Destination"なんかかなり名曲)、だみ声のボーカルと被さるコーラス、そして実直な直球チープなサウンドに見事に胸を打たれました。2008年リリース。
CAMUS "APRIL"
日本語の歌詞でロックができるのかということは何十年も前から議論されきましたが、当然ロックをどのように捉えるかは人それぞれなので統一的な結論は出ていないし、今後も出てこないことでしょう。で、このバンドのキモは日本語詞です。サビに"ステイ・ウイズ・ミー"など、「そこだけ英語かいっ!」と突っ込むこともない歌詞です。聴いている音楽に占める日本語詩以外の割合が99%な私には、その日本語によるいつもとは違うリズムが妙に心地良いのです。脳科学については全くの門外漢ですが、英語詩の場合、私にとってボーカルも楽器の一部に過ぎないのに対し、意味が分かる日本語詩の場合、言語を取り扱う脳の一部に刺激がいくのでそれがいつもと異なる不思議な感覚を生じさせるのかもしれません。なので、ネットでEAST BAYな音と記載されていてもご本人達や世間的にはそれが間違っていなくても、私にはCAMUSスタイルのロックとしか言いようがない気がするのです。ともかく、各曲が練られていてアルバムとして満喫できる作品であります。
BAREFOOT "ONLY SOUVENIRS"
スーパーWebサイト"THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND"さんによると、BEAUTY SCHOOL DROPOUTのドラムが参加しているそうです。とはいえ、4曲目"Stop"なんかを聴いていると、何となくスウェーデンのSTARMARKETの方が近いかなって思います。BEAUTY SCHOOL DROPOUTは疾走感が気持ちよいのですが、このBAREFOOTは曲の良さとほんのちょっとのエモ・エキスを盛り込んでいるのが、よろしいかと。あっ、勿論、疾走感はありますよ。そして、MEGA CITY FOURな青臭さが好きな人にもお薦めできるかと。1曲目"Taken In"なんかの盛り上げ方なんか結構好きです。全体には地味な面は否めませんが....。2003年リリースの1stアルバム。
BEN WEASEL AND HIS IRON STRING QUARTET "THESE ONES ARE BITTER"
某有名Webサイトで絶賛されていたので、入手した2007年リリースの2ndアルバム。でも実のところ半信半疑。だって普通、自分が持つ有名なバンド名を取り去ってソロ名義で出すおっさんの作品にろくなものはないでしょう。で、今作。想像以上に完璧な作品でした。恥ずかしながら正直に告白すると、個人的には皆さん大好きなSCREECHING WEASELより好きなのかもしれない。あの圧倒的な疾走感はないけど、1曲目"Let Freedom Ring"をはじめ、何より激キャッチーな曲のオンパレードで、おじさんの心がきれいに洗われます。
FARSIDE "THE MONROE DOCTRINE"
1999年、なぜかREVELATIONからリリースされた良質メロディック・エモーショナル・ハードコア。懐かしい〜。BAD RELIGIONの系統ではなく、DAG NASTYから連なる系統で、いわゆるエモっていうことで片付けられてしまうかもしれません。確かにCDは全17曲50分なのでお腹一杯で聴き疲れしますが(LPは全15曲なのでレコードゲットの方が断然お勧めです)、5曲目"Statues Of Snow"や15曲目"Too Much, Too Late"という心に響く実に魅力的な超名曲があるので、捻くれていなければ手に入れる必要がそれなりにあると思いますよ。3rdアルバム。
SIXTY STORIES "ANTHEM RED"
カナダのウィニペグの女性バンドによる2003年作。一緒にSPLIT作品をリリースしているPAINTED SHINとは同郷のようです。張り上げない落ち着いた低めの声で、鬱陶しい生活で傷ついた心を癒してくれます。3曲目の"Second Hand Table & Chairs"では、あのなんとなもの悲しいWEEZERのアルバム"PINKERTON"での雰囲気が思い浮かぶような曲も披露してくれるなど、派手さはないものの、最後までたどり着いてくれます。後に、このアルバムの名を冠したバンド"ANTHEM RED"を結成し、"DANCING ON THE DISHWASHER"をリリースしますが、これまた和み系でよろしいです。
DIG DUG “POP TRIO OF THE WEEK”
私的に"ディグダグ"といえば、初めて買ったゲームソフト(シャープのパソコンX1)ですが、ここで紹介するのはテキサス州ヒューストン産の2000年リリースの唯一のアルバムです。3曲目”Hairy Palms”(但し最初の15秒間はゴミです)や13曲目”Pumpkin”の切なさと言ったら尋常じゃございません。さすがSore Loserです。ジャリジャリしたギターに被さる胸が締め付けられるようなボーカルに号泣せざるを得ないのですが、CDのジャケット裏は男女の性交のポーズのイラスト集だし、曲の出だしのSEで「マースターベーション・チャンピオン、ワオー」みたいなこと言っているように聞こえるし、曲の優美さに相反してこいつら相当バカみたいです。メロディーが叙情的で素晴らしいので何となく1曲平均4分台な感じのバンドな気がするのですが、実際は1分台や2分台が多い。この潔さがこのバンドの特徴かもしれません。
MOVING TARGETS "FALL"
かなり昔、今はなきパンク雑誌「DOLL」の別宮さんのレビューにて激賞していたので、購入した記憶があります(X(旧twitter)フォロワーさんの情報により1991年12月号であることが判明しました。感謝)。Kenny Chambersによる激しいながら美しいギターと感情がこもったボーカル。当時はかなりヘビーローテションで聴いておりました。4曲目"Answer"なんか感動的で私のBEST20位の中に入る大名曲だと思います。7曲目"Away From Me"もかなり良い感じで大好き。中期以降のHÜSKER DÜ好きにはたまらん内容であると思います。1991年リリースの古典的名盤な3rdアルバムであります。 で、再結成後にライブ(2023年5月5日京都)に行きました。裏ジャケットの写真から想像できないおっさんぶりでしたが演奏は貫禄十分でしたよ。
RANDY "THE REST IS SILENCE"
スウェーデンのメロディックバンドの中ではRANDYが別格って思っています。高速メロコアからガレージまでアルバム毎に曲の雰囲気というかスタイルが変わるけど、どれもセンスがいいというのがすごい。変化を恐れずバンドを維持していく力は相当非凡な才能がないと無理だと思います。どのアルバムも最高なのですが、とりあえず、1996年リリースのバランスが取れている2ndアルバムを紹介します。とにかく全アルバム作品聴いて欲しい。正直、最近は聴きませんのでbest200圏外ですが、これまでに聴いてきた回数では多分私のBest20以内バンドだと思います。ちなみに以前は1stアルバム"THERE'S NO WAY WE'RE GONNA FIT IN"を紹介し、「世間的にはNOFXの模倣と言われ、他のアルバムに比べ評価が若干低いみたいやけど、私に言わせればNOFXなんかを軽く抜いてます。」と記載しておりました。今もその想いは変わらない。
POHGOH "ALL ALONG"
女性の声で癒されたいと思いつつも、現実の世界では、女性に怒られてばかりとかグチを聞かされるばかりだという人は多いと思います。ということで、きらびやかなんだけでもどことなく寂しげな癒しの女性ボーカルの声で、現実を一瞬ばかり忘れて癒されていただきたい。ちなみにパンク的破壊度はあまりありませんが、美しさと情感の豊かさで勝負なエモ&インディーロック作品。なお、本作品は1994年から1998年にかけて録音された2004年リリースのコンプリート盤であります。2曲目"Tell Me Truly"で確実に泣けます。PENFOLD好きなんかはいかがでしょうか。で、復活の大阪でのライブ(2019年9月14日)を観に行きました。演奏は激しいんだけど、それ以上に優しさに溢れていていい雰囲気でした。
ROPE "BIRDSONG"
最近、STRAINを紹介したばかりですが、同じ時期のUKメロディックを紹介。ROPEの単独オリジナル作品としては唯一の7曲入りCD。2000年リリース。曲の印象はマジックで"NIKE"、"AIR"とシンボルマークを書き付けたぼろ靴のジャケットのとおりであります。イケてない悲しさ。突き抜けていない、もじもじした良曲が散りばめられています。評価している人は少ないかもしれませんが、4曲目"Birdsong"、ラスト"Point of NO Return"なんか胸を打ち、自分の嗜好に合っております。
ELMERHASSEL "BILLYOUS.."
UKメロディックで他のバンドに例えるとなると、ん〜。別に目新しいことをしているわけではないのに難しい。派手でもダークでもなく、渋さや青臭さが濃厚ってわけではないし。1曲目"Dehydration"、9曲目"Almost At One"等、小気味よい展開ととても切ないグッドメロディーが時折、耳を通り過ぎていく。時折っての残念なところでありますが...。敢えて言えばこのバンドに似ていると書こうとも思いましたが、挫折。しかし、なぜかに心に引っかかる作品。もしかして彼らは、メロディック・パンク・バンドと認識していないのかも。1994年リリースの1stアルバム。
MIDWAY STILL "NOTE TO SELF"
ご存じのとおりMIDWAY STILLはUKメロディックの代表的バンドの一つであり、それはあのテイチクのSHAKIN' STREETからも1stアルバムが発売されていたことでも分かります。しかし、私はあの当時、UKメロディックの主要なバンドのほぼ全てに心奪われたのですが、どうもこのバンドの1stにはそれほどフィットしませんでした(なぜなんだろう)。未だに私にとっての彼らの最大名曲はVAに収録されたディランカバーですし...。で、このアルバム。再結成後の2010年リリースであります。全盛期のアルバムに本来勝てるはずはないのですが、初期作品に思い入れのない私には、メリハリの効いたメロディーが満載したこのアルバムが最高なのです。本作後にもアルバムが出ていますが、これが一番。賛同していただける人は少ないかもしれませんが、私にはこれです。
THE HEXTALLS "CALL IT A COMEBACK"
カナダ産。はっきり言って、3rdアルバムなのに特別な個性は感じられません。所謂、ERGS!やTEENAGE BOTTLEROCKET系のポップ・パンクです。どこかで聴いた感じの音...。しかしなんですが、君も私もお隣の犬でさえ、切なさも漂う胸きゅんポップさをメガ盛りにした曲自体の良さに脱帽しなければならないでしょう。"On the Third Day, Axl Rose"など次から次と良い曲が垂れ流されて自然と楽しくなってきます。ここまで来ると、個性なんかどうでもいいような気が....。しゃーないけど、良いものは良い。2008年リリース。
THE TEST PATTERNS "THE TEST PATTERNS"
3枚のシングル(そのうち1枚は7曲入りですが...)を集めたコンピ・アルバム。日本のBASEさんからのリリース。このバンドの特徴は曲ごとに男女のボーカルのメインが変わるということなのですが、男性ボーカルの時は、ガレージィな雰囲気を持たせた疾走パンクでありまして、女性ボーカルの時はキャピキャピ胸キュンボイスを武器にツボ押さえまくりのポップなメロディーが被さってきます。しかも、日本語。"Crazy Over You"なんかとってもラブリー。ということで、二人の個性のおかげで飽きにくい、目茶苦茶キュートな名作となっております。CHINESE TELEPHONESやDATELESS好きなんかいかがでしょうか。男性ボーカルのDanは記載した現在、京都でピザを提供するライブスペースのお店"Pop! Pizza"を運営されています。
OL'DORIS "A MURDER OF FOUR"
2012年リリースの2ndアルバム。とりあえず聴いた第一印象は、スピード感のある"AGAINST ME!"でした。このアルバムを推しまくっていたHYPER ENOUGH RECORDSさんはボーカルが我が愛するSTIFF LITTLE FINGERSのJAKE BURNS似だとしておりましたが、個人的には、半分賛同するもののJAKE師匠の燃えたぎった魂から溢れ出た圧倒的な叫びとは違う別の魅力があると思います。ちなみにライブのビデオでは、ボーカルの兄ちゃんはCRIMPSHRINEのTシャツを着てました。これまた高得点であります。ジャケットのデザインは若干ハテナですが、LP盤に、同内容の印刷されたCD-R盤と歌詞とイラストが載った24ページのブックレットがついており、購入しがいのあるブツであります。
DINA "WORK THE SWITCH"
あのDRIVEのギターボーカルIainが加入したバンドの2ndアルバム。2003年リリース。Iainはジャケ裏情報によると、ベースボーカルとなっております。あまり期待しておりませんでしたが、メロディーがキャッチーで渋くて格好良いです。個人的にはDRIVEよりもいいかも!HOOTON 3 CAR等を彷彿させる99%王道UKメロディックながらも、2曲目"Work the Switich"なんかを聴いていると、なぜか少しSTARMARKETが頭の中を通り過ぎていきました。その他6曲目"Clarity Is Breaking Me"等で撃沈であります。
ANTI-ANTI "HOORAY FOR EVERYTHING"
フロリダ産ということですが、このCDからはゴリゴリの熱い男気サウンドではなく、ただ速くて青くてしょぼい音が流れてきます。2003年リリースですが、CLETUSやWALKERような90年代後期なポップパンク好きならとりあえず聴いてみてはいかがでしょうか。結構イケますよ。際だった個性をそれほど感じられないためか、Web上では無視あるいは低い評価であるようですが、4曲目"I Want You Back"から5曲目"It's Gotta Suck to be a Girl"の流れなんか、かなり最高でなんではないでしょうか。
NÄSBLOD "SOLENS BARN"
2003年作のミニアルバム。Discogsでパンクが充実しているスウェーデンのお店で適当に英語でないバンド名とジャケットが気になったらググってYouTube等をみるという超絶暇ならではの遊びをしていたら、思いがけなく良い曲があったので購入。レビューするに際して海外のWebサイトを検索すると2つほどそれなりに記載されているレビューがあったのですが、「次のアルバムではボーカルを変えるべし」とか「新しいアイデアがない」など酷評の記載しかない。そんなに駄目な作品なんでしょうか。5曲目”Sov Lilla Ängel”や7曲目のタイトル曲”Solens Barn”なんか数秒聴いただけで名曲の予感がして、その余韻でわくわくしながら曲を楽しむことができるほど哀愁度が半端ない名曲だと思うのですが…。ちなみに全曲スウェーデン語ですがTrallpunk度は薄めでメロディック重視で聴きやすいと思います。自信はないのですが哀切極まりない作品だと思いますので一度聴いてみてください。
SHOCK TREATMENT "PUNK PARTY!!"
1st&2nd&3rdアルバムなどを収録したCD3枚及び分厚くて立派な体裁のバンドの歴史本付いたBOXSETがリリースされるほど(それなりの値段で、1stと2ndのカップリング・アルバムの中古CDを買ったところだったのに....)、スペインが誇る偉大なポップパンクバンド。今回は、完成度の高さで2ndアルバム(1995年リリース)を紹介します。同じスペインのAIRBAGやLOS BRAKETSなどに比べラモーン度、ファン度は高めでありますが、8曲目"Cristine"など、スペイン伝統の青い切なさはしっかり残されております。スペイン好きで、スペイン・ポップ・パンク界で影響力大なこのバンド作品を無視するのは、罪でしょう。
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