MY MELODIC BEST 41〜60

老体に鞭を打って、やけくそでBEST60突入します。

THE BROADWAYS "BROKEN STAR"

BROADWAYS1998年にAsian Man RecordsからリリースされたTHE BROADWAYSによる1stアルバムは、シカゴ産のパンクロックを愛する者には間違いなく必聴の一作です。アルバムの幕を開ける1曲目"15 Minutes"から、JAWBREAKERやFIFTEEN、そしてAMERICAN STEELといった初期のイーストベイサウンドが見事に融合し、熱く、しゃがれたボーカルが心に染み渡ります。その荒々しい歌声に、どうしても涙腺が緩んでしまいます。このアルバムの素晴らしさは、曲作りの巧みさに加えて、ボーカルが複数いる点にあります。これにより、同じような曲調が続かず、飽きることなく最後まで聴き入ってしまうのです。ちなみに日本盤もリリースされており、いわゆる日本人好みの音とも言えるかもしれません。バンドは短い期間で解散し、その後、メンバーの半分はLAWRENCE ARMSを結成しましたが、私はこのバンドが放つあのざらついた緊迫感の方が、魅力的に感じます。歌詞にもパンク魂が炸裂しております。

MxPx "LIFE IN GENERAL"

MxPxいかにもメロコアという感じのワシントン産のMxPxによるアルバムですが、その通りです。このWebサイトを気に入っていただける方には、このセレクトに違和感を感じるかもしれませんが、私はなぜか大好きなんです。それは、次世代のバンドのようにメロコアを聴いてメロコアになったのではなく、彼らの根っこにハードコアがあるからかもしれません。昔、日産のX-TRAILのCMで流れていたあのバンドです。その曲"Broken Bones"は入っていませんが、あんな感じです。ということで、これをWebで紹介する必要性もないかもしれませんが、あくまで私のBEST300なので上位に載せちゃいます。9曲目"Your Problem My Emergency"、昇天できるほどの世界最高水準の格好良さです。これだけでも買いですが、他に捨て曲がありません!1996年にTooth & Nail Recordsからリリースされた最強3rdアルバムです。

SMITTEN "7 YEARS OF MELODY"

smittenSMITTENはアルゼンチンのメロディックバンドです。本作はおそらく1997年から2001年にリリースされたと思われる初期アルバム3作品の中から各々良い曲をピックアップした編集盤となっております(2001年リリース)。バンド名がSKIMMERの曲と同じだけど、この関係性は不明です。なにせ情報はスペイン語しかないので全く読めません。聴いた印象は、ちょっとだけ明るくしたUKメロディックと言った感じでしょうか。とはいえ、スペイン語系ならではの物悲しい感じもあり、良い曲が万遍なく散らばっています。で、てっきりアルバム名から過去のバンドだと思っていましたが、MYSPACEを観たら彼らの作品はその後メジャー(SONY BMG)からリリースされていたようで、私には関係ない、とっても立派なバンドとなっておりました。音もビデオクリップもメジャー感たっぷりです。今は今、過去は過去っていうことで…。とにかくこれは良し。特に、超名曲の24曲目"Perdonar"であの世に飛んで行ってください!

GUNS N' WANKERS "GUNS N' WANKERS"

GUNS 'N' WANKERSSNUFFの最初の解散後、UKメロディックゴッドDuncan Redmondsが結成したバンドがこのGUNS N' WANKERSです。これは3枚のシングルを集めた編集盤ですが、アルバムとして考えても全く違和感がありません。1994年リリースです。彼はここではドラムではなくギターを弾いているらしく、SNUFFをよりハード&メタルにした感じで、当然というか、かなり格好良くて堪りません。なお、紹介しているジャケット写真はSNUFFY SMILE盤(smile-001)ですが、その後、Fat Wreck Chords盤が出たので、そちらの方が入手しやすいのではないかと思います(とはいえFat盤は一曲少ないですが)。ちなみに私の場合、FAT盤を見つけたとき、ジャケットが違っていたのでてっきり新しいアルバムが出たと思ってワクワクして購入してしまったアホです。そう言えば、2019年に復活して本作がLPで再発されたのには驚きましたよね。「DOLL メロディック狂必聴ディスクUK&ヨーロッパ編」紹介ディスクです。

MOONWALK "ALONE AGAINST"

MOONWALK儚げで透明感のある女性ボーカルと、しっかりとしたバックのエモーショナルな演奏が魅力的な1998年リリースの北海道産のMOONWALKによる1stアルバムです。ボーカルの声に癒される一方で、逆に切なすぎて救われない感じもする不思議な作品です。挨拶代わりの女性ボーカルとウクレレのシンプルな1曲目を経て、2曲目から本番となります。ボーカルとバックの演奏陣の音のバランスや溶け込み具合が個人的に好ましい塩梅です。何はともあれ、この作品を聴いている間は、世知辛い喧騒だらけの世界から脱して、彼らが醸し出す世界にどっぷりと浸ることができます。とにかく、ツボを押さえたキャッチーな曲で占められている哀切極まりない作品です。特に4曲目"After All"や11曲目"Excuse"などは、心洗われる傑作ではないでしょうか。なお、男性ボーカルがメインの曲も気持ち良いですよ(被さってくる女性ボーカルが効果的ですが...)。ちなみに2ndは、一生懸命に制作した感があって(もちろん、悪いことではないのですが)、軽やかさの面で1stの方が好みです。

THE SECT "PLAYING WITH FIRE"

sectこれまでTHE SECTの音源全てを集めた未発表曲も含む編集盤(2007年リリース)を紹介していましたが、あまりにもボリュームが多くてお腹いっぱいになるので、今回、珠玉の4曲入り12インチシングルに変更しました(1990年リリース)。"A Free England"と"Firebird"が収められているので、これを聴いて心が燃えなければ、他の作品を聴く必要すらないほどのUKメロディックの名作です。以下は編集盤を紹介していたときの文章です。『永遠の17歳、御大Kevin Powell閣下率いるSKIMMERの前身バンド。80年代から90年初期にかけて活躍したとはいえ、SKIMMERと違うのは、バンド名と録音状態ぐらいで基本の中身はなんも変わっていない。まさしく世間で「しょぼい」と称されるモテそうにない青臭い青春ポップパンクであります。おっちゃんも聴くたびに胸がキューンとなってしまう。いや〜甘酸っぱくて遣る瀬無いわ。個人的には"Firebird"や"Summer Girl"、"A Free England"で、あの世に飛んで行ってしまいます。SKIMMERさえベストに挙げておけばと思っていましたが、やっぱり大好きなんで見捨てられません。ま〜、遠慮して少しだけ後ろの方に挙げておきます。』

RUMSPRINGER "RUMSPRINGER"

rumspringer6曲入りということなので、ミニアルバムと呼んでいいのでしょうか。まあ、そんなことはどうでもよくて、アリゾナ産のRUMSPRINGERによるファーストリリースとは思えないほど、ツボを押さえた見事な展開と、それぞれが際立った曲が並んでいます。ダミ声だけどエモに走らない心地よいスピードと、単純ながらもうら悲しいメロディを掻き鳴らすギターにうっとりしてしまいます。2009年にTraffic Street Recordsからリリースされた作品です。その後にリリースされたアルバム"EMPTY TOWERS"なども悪くないのですが、私にとっては、切迫感があり、音がザラついて荒々しいこちらの方が、日頃の憂さを晴らす恰好のアイテムとして非常に魅力的です。ちなみに私は本作品のCD-Rのみしか所有していなかったのですが、時は流れて2024年8月、探し求めていた10インチEP(限定340枚)をとうとう手に入れることができました(涙)

MARSHALL TELLER "A BOUT WITH DEPRESSION"

marshall teller4曲入りシングルなので、本サイトでアルバムを紹介するという趣旨からは外れていますが、このバンドMARSHALL TELLERはアルバムリリースがないので、もう1枚のCD-R"IN SECURTIY"(5曲入り)と合わせて考えてみてください。つまり、どちらも最高なんです。私は愛してやまないHYPER ENOUGH RECORDSさんで購入しましたが、ネットで情報を探しても、まともに記載されたものが見つかりませんでした。全く評価されていないのか、それとも流通が極端に少ないからなのか?実に勿体ない。最初に聴くと、ちょっとゴリゴリのハードコアっぽくて単調に感じられるかもしれませんが、聴き込めばそんなことは全くないんです…。HYPERさんが記載しているとおり、1曲目"Rabbits In Top Hats"をはじめとして、陰りがあって哀愁たっぷりのLEATHERFACE、BROCCOLI直系の激情バーニング・メロディック・ハードコア・パンクが緊迫感とともに疾走していき、感動的です。たぶん2007年頃にリリースされた作品です。

VIERNES 13 "ROCKAWAY HITS"

viernes13もうラモーンなスペインポップバンドをこのWebサイトで紹介するのはやめようと思っていたのですが、VIERNES 13によるこんなにも可愛すぎる作品が世に出てしまったからには、黙っているわけにはいきません。これ以上ないというくらい、とにかくキュートなボーカルに、スペイン系ポップパンクならではの明るいながらも哀愁を帯びたグッドメロディが、まるでマシンガンの弾のようにガンガン飛び込んでくるのです。雰囲気としては、HELEN LOVEとAIRBAGをミックスしたような感じでしょうか?何よりもこのバンドの彼女の声が最高に愛おしい。その無邪気さと甘酸っぱさが相まって、聴いているだけで胸がキュンとしてしまいます。思わず「ライブで観たかったなぁ…」とため息をつきながら、何度もリピートしてしまう、そんな作品です。2009年リリース。ちなみに、2007年リリースのミニアルバム"ESTA NOCHE"には、キュートな名曲"Ben Weasel"も収録されています。

AMERICAN STEEL "ROGUE'S MARCH"

AMERICAN STEEL1999年にLookout! Recordsからリリースされたオークランド産のAMERICAN STEELによる2ndアルバム。毎度おなじみ、Kevin Armyがエンジニアとして参加しているのも嬉しいポイントです。1st"AMERICAN STEEL"でのハードコアなアプローチと、3rd"JAGGED THOUGHTS"のエモで哀愁満載なテイストのちょうど中間に位置するこのアルバムは、まさに私の好みにど真ん中でハマる作品となっています。というか、マニアでなければ、この2ndさえ持っていれば十分な気がします。特に"Insurrection Avenue"では、疾走感あふれるスピードと、身を切るような熱いダミ声がバッチリ決まっていて、もう完全に心を掴まれてしまいます。ポップさはないけれど、ハードコアな男の哀愁がじわっと滲み出ていて、その渋さがたまらない。CRIMPSHRINEやBANNER PILOT、そしてDILLINGER FOURなんかが好きな人には、きっと満足していただける傑作です。これぞ、燃えたぎるような熱い一枚。

SNUFF "SNUFF SAID..."

SNUFF私をメロディック・ハードコア好きにさせた、まさにルーツな存在であるSNUFF。DOLLの記事をきっかけに手に入れたこの作品が、私にメロディック・ハードコアという魅力的で強烈な世界がこの世に存在することを教えてくれたのです。結果的に、友人達と音楽の話をするたびに完全に孤立させられる羽目になった、まさに悪魔のような1stアルバム(1989年にWorkers Playtimeからリリース)。その後、LEATHERFACEの" MUSH"を手にし、UKメロディックという沼にどんどん深くハマっていったわけですが、今振り返ると、すごい作品を立て続けに体験してしまったことに、思わずゾクっとします。恐るべしテイチク、そして栄森さん。孤独にはなりましたが、心から感謝しています。ちなみに当時のキャッチフレーズは、個人的には少し疑問に思ったものの、「ハードコア版JAM」と呼ばれていました。念のため、書き残しておきます。ちなみに、3rd"REACH"もまた素晴らしい作品なので、どちらから買っても間違いはありません。

BARRIER "WHAT TO MAKE OF A DIMINISHED THING"

Barrierカナダ産のBARRIERによる2009年自主リリースの7曲入りの作品。かなりのサッドでエモーショナルな演奏が詰め込まれており、特に"Mood Organ"などは、彼らの熱い気持ちが伝わってきて、本当に格好良いです。媒体はCD-Rという点が少し残念ではありますが、段ボールを巧みに使ったジャケットは逆に印象的で好感が持てます。音楽的には、UKのMARSHALL TELLERにUSのTHE INSURGENTを少し混ぜ合わせて、その上でメロディを研ぎ澄ませ、より聴きやすくしたような感じ。これこそ、現代の王道メロディック・バースト・ハードコア・パンクと言っても過言ではないでしょう。ポップパンクばかりに偏らず、こういったハードコアを基盤に持ったバンドがもっと増えてくれることを、個人的には強く願っています。熱く燃えながらも、時折物悲しいメロディが心に染み、思わず涙を誘います。まさに血湧き肉躍る隠れた傑作、心に残る一枚です。
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GOLDEN CITY "GOLDEN CITY"

GOLDEN CITY「元CHRISTIE FRONT DRIVEによる優しさと切なさを併せ持つエモーショナルな名作!」ということで終わりにしたいところですが、ニューヨーク産のGOLDEN CITYによるこの作品を語るためには、もっと言葉を紡がなければならない気がします。ハードさと疾走感を求める超ハードコアな方には、少し物足りないかもしれませんが、2曲目"Diamond Suits"や5曲目"Big Country"を聴けば、心がじんわりと癒され、1日の疲れもスッと抜けることでしょう。まるで温泉に浸かって心身ともにリラックスするかのような、癒しの名作です。全8曲の中には、少しだる〜い雰囲気を漂わせる曲もありますが、全体としては非常に高い完成度を誇る作品です。2009年にMagic Bullet Recordsからリリースされたレコードの方は私のお気に入りのフォーマットである10インチ盤。音楽の流れに身を委ねれば、心が穏やかになること間違いなしです。

ANNALISE "HERE'S TO HOPE"

annalise2005年になぜかアメリカのNo Idea Recordsからリリースされたものの、れっきとしたイギリスのバンドANNALISEによる3rdアルバム。元WORDBUG、MAD AT THE SUNという経歴を持つバンドなので、ある意味おっさんバンドと思われても仕方ないかもしれません。それなのに、このバンドが紡ぎ出すのは、胸が締め付けられるような珠玉のUK青春ポップ・パンク。それがあちこちに、まるで自然と溢れ出してくる様子が、もう本当に素晴らしい!とにかく胸が締め付けられるようなメロディが心に響き、私のページを見ているようなお方なら、まず間違いなく心を奪われることでしょう。もし他のANNALISE作品があまりピンと来なかった方も、清水の舞台から飛び降りるつもりで突然変異の本作に挑戦してみてください。別格の素晴らしい出来です。ちなみに、WORDBUGやMAD AT THE SUNが全くハマらなかったという方も、ぜひ一度耳を傾けてみてください。これは本当に聴く価値アリです!

PYLON "THE STANDARD FIGHT"

pylonあのUKメロディックの重要バンドCHOPPERのメンバーからなるこのPYLON。ただし、このバンドに王道UKメロディックを求めてはいけません。CHOPPERのあのスピード感やアグレッシブさはありません。それを期待して聴くと、まるで昔好きだったアイドルが、"あの人は今"に出演してガッカリしてしまったような、そんな失望感に襲われてしまうかもしれません。しかし、ちょっと落ち着いて腰を据えて、スピーカー前で正座して聴いてみてほしい。曲自体の素晴らしさを感じてほしい。確かに、TOKYO ADVENTURESのように、パンクと言うにはちょっと異なるかもしれません。しかし、根底にしっかりとした美しい楽曲の力があります。爽やかで心に染みる、非常に流麗な作品で、どこか儚げで深みを感じさせてくれます。エモ好きの方により受け入れられるのでは。2006年にGravity Dipからリリースされた唯一のアルバムで、コンプリート集でもあります。

LOS BRACKETS "BRACKETSMANIA"

LOS BRACKETS 私は決してSP RECORDSの回し者ではありませんし、特に縁もゆかりもありません(後に何度かライブ会場でお話しすることになりましたが…)。もちろんサービスで1枚もらえるわけでもありません。さて、冗談はここまでにして、LOS BRACKETSによるこのアルバムについて語らせていただきます。個人的には、REVERSEの編集盤に次ぐ、SP RECORDSによる素晴らしいリリースだと思っています。スペイン産のポップパンクの魅力が詰まったこの作品は、ただのポップパンクではありません。スピーディでありながらキャッチー、そして無駄を省いたシンプルな美しさが光っています。泣きのバラードや重たい楽曲とは無縁で、このアルバムがスピーカーから流れると、爽やかな風が吹き抜けたような気持ちよさを感じて暗い気分も少し晴れ渡る、まるで魔法のような力を持っていると思います。2010年リリースの1stアルバム。

BITTER PILLS "BITTER PILLS"

BITTER PILLS 全7曲のうち2曲がインストだと、普通ならちょっと買う気が削がれそうなものですが、このインストも侮れません。エモーショナルで号泣必至な音が広がり、飽きる暇を与えない恐るべきBITTER PILLSによる作品です。最後の日本語がちょっとハテナに感じるかもしれませんが、完璧すぎても逆に面白くないでしょ?これもまたひとつの味わいとして受け取っていただければと思います。もちろん、"Take Control"など、ボーカルありの曲もサッドな歌心が満載で、安心して聴けます。何せ、元BROCCOLIとHOOTON 3 CARのメンバーによる作品ですから、悪くなるはずがないんです。それにしても、このアルバム、涙、涙で脱水症状になりそうなくらい感動します。この歳までUKメロディックを聴き続けてきて、本当に良かったと思える作品。2010年にBoss Tuneageからのリリース。

ROCKET FROM THE CRYPT "CIRCA NOW"

ROCKET FROM THE CRYPTサンディエゴ産のROCKET FROM THE CRYPTによる本作は、以前は「メロディック」とは言えないと思い、番外編で紹介していたのですが、そのあまりの完成度に勿体ないのでこちらの本体に編入させました。私的にはこれ、完全にメロディックなんです...。遥か昔、確かDOLLで別宮エリカさんが激賞していたので、気になって購入した記憶がありますが、初っ端の"Short Lip Fuser"から、どのように表現していいのか分からないほど、個性が凝縮されていて、ただただ格好良い。こういう作品こそ、ウルトラ傑作オブ傑作と言うべきでしょう。このアルバムは、彼らの他の作品ともちょっと毛色が違っており、他のアルバムはもっとロックンロール感が強いのですが、この作品はミディアムテンポでありながらも圧倒的な迫力と説得力を放っています。特に、エフェクトがかかったボーカルが堪らない。1992年にHeadhunter Recordsからリリースされた2ndアルバム。

GRABASS CHARLESTONS "THE GREATEST STORY EVER HULA'D"

Grabass CharlestonsGRABASS CHARLESTONSはフロリダ産のバンドで、本作は2003年にNo Idea Recordsからリリースされた1stアルバム。手に入れてからかなりの時間が経ちましたが、なぜ今まで取り上げなかったのかと自問自答しています。特に3曲目の"Squidilly Diddilly"では、男気溢れる声と、キャッチーで切れ味鋭い部分が見事にマッチしており、まさに熱く燃えたぎる哀愁ポップ・パンクの真髄を感じることができます。もしLEATHERFACEとDAN PADILLAを足して2.5で割ったようなサウンドだとしたら、ちょっと褒め過ぎかもしれませんが、それくらいの素晴らしさがこのアルバムには詰まっています。さらに、同じレーベルのGUNMOLLにも通じるサウンドがあり、彼らのスタイルにも共通する魅力があります。2ndアルバムの"ASK MARK TWAIN"も傑作で、どちらから手に入れても損はありません。この音の激流に身を委ねて、日頃のストレスを思い切り発散してみてください。

DILLINGER FOUR "MIDWESTERN SONGS OF THE AMERICAS"

DILLINGER FOUR1998年リリースの1stアルバム。ミネアポリス産のバンドDILLINGER FOURによる傑作。特に2曲目の"#51 Dick Butkus"を聴くと、そのエネルギッシュでポップなメロディに心を奪われ、しゃがれたボーカルと高音ボーカルが絶妙に絡み合うツインボーカルの掛け合いが、緊迫感と疾走感を生み出します。この絶妙なバランスが、単なるパンクに留まらず、メロディックでありながらもエモーショナルで感動的な力強さを感じさせます。1曲1曲がしっかりとメリハリを持っていて、決して単調になることがなく、全編にわたって叩きつけるような熱エネルギーが詰まっています。音としては、JAWBREAKERとLATTERMANの中間を行くような印象で、どちらのバンドとも共通する荒々しくも心に残るサウンドが魅力的です。最初のSEが少し気になるかもしれませんが、それを差し引いても間違いなく大傑作。このアルバムがシーンに与えた影響力は計り知れないと感じます。


ひぃ〜、めちゃ疲れた〜。だいたいの私の趣向が分かっていただけたでしょうか。ランクに載せるべき作品が紹介されていないのなら、是非是非、紹介してくださいませ。


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