MY MELODIC BEST 161〜180

目標まで、あと一息です。

POISON IDEA "FEEL THE DARKNESS"

POISON IDEAポートランド産のPOISON IDEAによる3rdアルバムは、1990年に彼ら自身のレーベルAmerican Leather Recordsからリリースされた名盤。以前は番外編のハードコア編で紹介していましたが、この激烈な格好良さを皆さんに知っていただきたく、こちらに改めて編入しました。初期の直球ハードコアから一歩踏み出し、今作ではメロディックな要素も感じられますよね。とはいえ、持ち前の荒々しさや激しさが薄れたわけではなく、むしろメタル的な要素が加わることで、さらに攻撃性とスケール感を増した印象です。音の迫力は彼らの体格同様に圧倒的でありながら、単調さを感じさせないのが見事。火を吹く、Jerry Aをライブでその熱量を浴びてみたかったなぁ。イントロからすでにやたらと格好良く、ひとたび再生すれば一気に引き込まれること間違いなしです。やはり、彼らの平均体重世界一(?)という称号も伊達ではありません。Pig Championよ、安らかに。

LOVEMEN "CHILDREN EAT A NIGHTMARE"

LOVEMENLOVEMENが1998年にリリースしたこの2ndアルバムは、日本を代表するエモーショナル・メロディックバンドの大名作。1曲目の"Drive Back"から、まるで傑作アルバムであることを予告するかのような、挨拶代わりのジャブ的なパンチを繰り出してきます。そして2曲目"Line"からは、さらに本気を出してきたかのように、哀愁と力強さが共存するメロディが響き、UKメロディックを彷彿させる物悲しさを含んだ高音域のボーカルと、スピーカーから空間全体に広がりながら歌って泣くギターの洪水が絡み合い、聴いているだけで胸が熱くなります。特に5曲目の"Scenety Of Town"は、JAWBREAKERを思わせるような号泣ソングで、気づけば感情が揺さぶられている自分に気づきます。物悲しさと前向きさが同時に押し寄せてきて、心に染みるメロディの強さが際立っています。日本が世界に誇るレーベルSNUFFY SMILEからのリリース。

WEEZER "PINKERTON"

WEEZERロサンゼルス産のWEEZERが1996年にDGCからリリースした2ndアルバム。世間的には暗すぎるとされ、当初アメリカではあまり評価されなかったようですが、私にとってはこれが彼らとの初めての出会いで、その遭遇があまりにも衝撃的だったせいか、他の明るくポップなアルバムを聴いたときにはむしろ違和感を覚えたほどです。"Across The Sea"など、陰鬱な雰囲気が漂う、美しくて感情を込めたいい曲が満載で、感情を剥き出しにした歌声と、緻密に構築された音が、私の心を容赦なく揺さぶります。このアルバムの魅力は、単に個々の曲が優れているというだけではなく、アルバム全体でひとつの感情の流れを描き出している点にあると思います。ある種の痛みを抱えた者にとって、共感と救いを与えてくれる作品です。さらに、このアルバムの音と見事に調和している浮世絵を用いたアートワークは、どこか儚さや孤独感を感じさせ、アルバムのテーマと絶妙にリンクしてます。

DAG NASTY "CAN I SAY"

DAG NASTYワシントンD.C.産のDAG NASTYのこの1stアルバムは、1986年にDischord Recordsからリリースされた必ず所有しておくべき古典。多くの後続バンドに影響を与えたきた、メロディック・ハードコアの歴史を語るうえで欠かせない教科書的名作であり、このジャンルの原点とも言えるべき存在。ハードコアの激しさを土台にしながらも、そこにメロディアスな歌唱を大胆に取り入れたスタイルは、当時としては非常に革新的だったことでしょう。Dave Smalleyの力強くも哀愁を感じさせるボーカルと、元MINOR THREATのリーダーBraian Bakerによる硬質なギターが見事に融合し、奇跡的とも言える音楽を作り上げています。Dave Smalleyは、DYS、ALL、DOWN BY LAWといった数々のバンドで活動を続けていますが、個人的にはこの時期が最も輝いていると断言できます。なお、ボーカルがPeter Cortnerに代わった2nd"WIG OUT AT DENKOS"も素晴らしい作品であり、特に"Safe"はメロディック・ハードコアの中でも屈指の名曲だと思います。

THE GET UP KIDS "SOMETHING TO WRITE HOME ABOUT"

THE GET UP KIDSカンサス産のTHE GET UP KIDSの2ndアルバム(1999年にCDはVagrant Recordsから、LPはDoghouse Recordsからリリース)。この作品は、エモというジャンルを語る上で欠かせない名盤ということで世間的な評価も非常に高いようです。疾走感あふれるサウンドに乗せて、息を呑むほど美しいメロディが次々と展開される様は圧巻であり、聴く者を一瞬で惹きつけます。1曲目の"Holiday"からして、彼らの才能が全開で発揮されており、その勢いは最後まで衰えることを知りません。瑞々しい哀切を帯びたメロディが心を揺さぶる響きが、特にエモというジャンルに対して少し抵抗を感じている私みたいな人にも響くのではないかと思います。個人的には、リリース当初はヘビーローテーションで聴いていた思い出深い作品。単なるエモという枠に収まらず、普遍的な魅力を持つ一枚であり、まさに心に刻まれる音楽だと感じます。

MR. ORANGE UNDERCOVER "GO PUNK YOURSELF"

MR. ORANGE UNDERCOVERMR.ORANGE UNDERCOVERが2000年にHawaiian Express Recordsからリリースした1stアルバム。1990年代のメロコア全盛期を彷彿とさせる勢いと、B〜C級ポップパンクのノリが絶妙にミックスされており、爽快でありながら、どこか悲しげなメロディが散りばめられていて、聴いていると不思議と安らぎを覚えてしまうのです。まさにハワイの青空とは正反対の、青春の葛藤が詰まっているような音の景色です。特に2曲目"Next Week Thursday"や7曲目"Wasting My Time"は、軽快なビートの中に胸が裂けるようなメロディが流れ込む名曲であり、何度聴いても胸に響きます。アルバム全体の曲のクオリティも水準以上で、爽やかなハワイのそよ風が顔を撫でていくような感覚を覚えます(ハワイへ行ったことはないのですが…)。CD-Rという点は少し残念ではあります。中古レコード屋で床に落ちていたら、ぜひ拾い上げてレジに行ってください。

BRANDTSON "FALLEN STAR COLLECTION"

BRANDTSONクリーブランド産のBRANDTSONによるこの2ndアルバムは、1999年にDeep Elm Recordsからリリースされた傑作で、まさに青春そのものを音として詰め込んだような一枚です。彼らの音楽を聴いていると、どうしても腹の底で「最初から無理やり我々を泣かせにかかっているのでは?」と勘繰ってしまうほど、親しみやすさと切なさがたっぷりと詰まっています。それもただの感傷ではなく、繊細に編み上げられたメロディが心に響いてくるからこそ、聴き手は自然と感情を揺さぶられてしまうのです。特にCHRISTIE FRONT DRIVEやPROMISE RINGを好む方なら、間違いなくハマるでしょうし、むしろTHE GET UP KIDSが好きな人にも響く魅力がある作品だと思います。暗い部屋で三角座り(体育座り)しながら爆音で聴いてみてください。1stの"LETTERBOX"とは各曲のクオリティーが段違いだと思います。

THE MUFFS "THE MUFFS"

muffs南カリフォルニア産のTHE MUFFSによるこの1stアルバムは、1993年にWarner Bros.Recordsからリリースされた名作。Kim Shattuck嬢を擁する偉大なポップ・パンクバンドが、このデビュー作で放ったエネルギーは、今でも色褪せることがありません。Kimのハスキーな声質は私にとって理想的で、ドスを効かせてシャウトしながらも、不思議とうら悲しさを感じさせる表現力は圧巻です。これはもう、単なるパンクの枠を超えた圧倒的な才能と情熱が生み出したものなのでしょう。特に9曲目の"Big Mouth"は、彼女の魅力が詰まりに詰まった名曲です。涙を誘うメロディと、胸に迫る叫びがひしひしと伝わってきて、本当に心を揺さぶられます。一般的には3rdアルバム"HAPPY BIRTHDAY TO ME"の方が評価が高いかもしれませんが、私にとってはやはりこの1stです。Kimよ、安らかに。あなたの声は、これからもずっと私たちの胸の中で鳴り続けることでしょう。

GLEAM GARDEN "SINGLES 2006 - 2013"

GLEAM GARDEN基本アルバムを紹介する本サイトでは、本来このGLEAM GARDENのミニアルバムや1stの方を紹介すべきなのでしょうが、どちらもざらざらとした緊迫感があまり感じられず、印象が薄いのです(大好きな人、すいません)。私としては無理矢理細かくカテゴライズするとSAD MELODIC HARDCORE PUNKが好みなので、どうしても2015年にSnuffy Smileからリリースされたこちらのシングルコンピを取りあげざるを得ません。多分、本サイトの掲示板で私にお薦めしてくれていたバンドだったと思うのですが(バカなことに過去の掲示板のデータを謝って消去してしまった)、そりゃ〜私に薦めたくなるバーニングな楽曲の数々。ダミ声ボイスで、ノイジーで哀愁があって、ハードで駆け抜けていくって。盛り上がりまくるツボの押さえ方が見事です!"Everything, One More TIme"なんか目茶苦茶格好いいじゃないですか。

PANELLET "ALOHA"

PANELLETPANELLETのこの1stアルバムは、2016年にリリースされたスペイン産のポップパンク作品です。スペインといえば、優良ポップパンクを次々と生み出す輸出大国ですが、このアルバムも例外ではありません。スペイン語の歌詞は全く理解できないものの、その響きだけで哀愁度が確実に1割増しになるのですから、なんともズルい話です(確か他のバンドについても同じことを言ったような気がしますが...)。1曲目からすでに哀愁ポップの洪水が押し寄せてきて、心をがっちり掴まれます。特に5曲目の"New York"は、うら寂しさが胸に染み渡る名曲で、思わずポロッと泣けてしまうほどの完成度です。アルバム全体のクオリティも非常に高く、流れるように聴ける構成はお見事です。なお、この作品はBandcampでフリーで入手できるという太っ腹ぶりですが、フィジカル盤には2曲のボーナストラックが収録されており、それらが名曲なので是非CDを入手してみてください。

SMOKING POPES "BORN TO QUIT"

SMOKING POPES イリノイ産のSMOKING POPESのこの2ndアルバムは、1995年にJohanns Face Recordsからリリースされた傑作。かつてSNUFFが「ハードコア版THE JAM」と評されたように、SMOKING POPESは間違いなく「メロディック版THE SMITHS」と呼ぶにふさわしいバンドであります。1st"GET FIRED"も悪くない出来ですが、この2nd作はより一層THE SMITHS的というか、モリッシー風な雰囲気が滲み出ていて、その魅力をさらに深化させています。特に"Rubella"のような楽曲に現れるメロディの洗練具合には唸らされるものがあります。なんと、あのMorrissey本人が本作を単なる模倣として貶すどころか賞賛したというのですから、その実力の程が窺い知れます。音楽性としては少し捻くれていながらも、微かに明るさがあって、聴いているとまるで気持ちの良いカフェで美味しいコーヒーを味わっているかのように、心をほっとさせてくれます。NAVELの1stアルバムのジャケットとは真逆と言えるほどの最悪なジャケットデザインも災いしてか、中古市場では格安で入手できるかと思います。

THE HIGH HATS "TOO MUCH IS NEVER ENOUGH"

high hatsTHE HIGH HATSのこの1stアルバムは、2008年にAlleycat Recordsからリリースされたスウェーデン産の作品です。アルバムジャケットは、昔のジャズを思わせるような色味が粋で洒落ていますが、被写体は泥酔してベンチで眠る女性というちょっとしたユーモアも感じられます。このアルバムの魅力は、1960年代のポップスのエッセンスを散りばめた純粋なポップパンクであることで、破壊的な衝撃や攻撃性といったものはありませんし、涙を誘うほどの悲哀もないのですが、だからこそ気取らずに楽しめる明るさと親しみやすさが際立っています。口笛を吹きながら歩きたくなるような素朴で愛らしいメロディが次々と耳に飛び込んできます。アルバム全体を通して、スウェーデンらしい洗練されたメロディ感覚が光っています。 印象の薄い2ndアルバム"AND THEN CAME CANCER"よりまずはこの1stかと。

THE CAPITALIST KIDS "TOO BIG TO FAIL"

CAPITALIST KIDSテキサス産のTHE CAPITALIST KIDSのこの1stアルバムは、2010年にリリースされた快作です。ジャケットにはRAMONESやSCREECHING WEASEL、QUEERSといった名だたるバンドたちへのオマージュが詰め込まれており、その影響のもと、疾走感とポップな感覚が溢れています。しかし、私が最初に思い浮かべたのは意外にも初期のGREEN DAYでした。哀調を帯びた歌声と、ちょっぴりうら悲しさを感じさせるメロディのせいかもしれません。このアルバムの魅力は、全11曲をわずか16分ほどの短い時間で一気に聴かせる潔さと勢いにあります。とはいえ、単なる金太郎飴的な作品ではありません。むしろ、シンプルでありながらも曲作りの巧妙さが随所に光っていると感じさせられます。THE FAKE BOYSやTHE ERGSといったバンドが好きな方にもぜひおすすめしたい作品です。

JUNCTION 18 "THIS VICIOUS CYCLE"

JUNCTION 18 ボストン産のJUNCTION 18のこのアルバムを初めて聴いた時には、メロコアのノリに思えるかもしれませんが、実はその奥に意外な切なさと深さが隠れていることに後々気づかされます。正直、聴かずに済ませてしまうのは、もったいない気がしてなりません。アルバムの1曲目を聴いて悪くないと感じたなら、3曲目"June And The Ocean"でちょっと涙をこぼしてしまうはずです。さらに5曲目"Turnabout"に差し掛かれば、流れる涙とともに、心の中で何かが溢れる感覚を味わいます。もしCRAIG’S BROTHERやALKALINE TRIOを好きな方なら、イケるはずです。そして、多分世間的にはそこまで評価されていないので、多分中古で数百円程度で手に入るかもしれません。2000年にFearless Recordsからリリースされたこの唯一のアルバムは、表面的には軽快でキャッチーなメロディを持ちながら、実は心の奥底に潜む感情を刺激してくれる作品になっております。

ANDREW JACKSON JIHAD "CAN'T MAINTAIN"

ANDREW JACKSON JIHAD 皆さんもご存じの通り、私はそれほどPLAN-IT-X的なフォークパンクには興味を持っていないのですが、このアリゾナ産のANDREW JACKSON JIHADによるアルバムは別格です。2009年にAsian Man Recordsからリリースされた3rdアルバムですが、なんというか、心にじわ〜っと染み込んでくる不思議な魅力があります。"Self Esteem"をはじめとする牧歌的な要素が散りばめられていますが、それだけでは終わりません。そこには、土埃やバーボンの臭いが漂うような泥臭さはなく、むしろ物悲しさとキャッチーなメロディが強く感じられます。このメロディは、日々の煩わしさで疲れきった心に、そっと寄り添ってくれるような優しさがあるのです。特に、ボーカルのSean Bonnetteの声には、人の良さがにじみ出ているような温かさがあります。彼の声には、心の中で溢れる様々な想いを整理してくれるような力強さが感じられて感動を覚えます。

JEJUNE "THIS AFTERNOONS MALADY"

JEJUNE本Webサイトの掲示板にて私にお薦めってことで、紹介があったJEJUNEによるアルバム。本当にありがとうございます。ちゃんとハマりましたよ。で、ボストンのバークリー音楽大学で結成されたバンドによる本作品。コマーシャルな仰々しいメロディがあるわけではないですが、最初の1曲"Morale Is Low"から最後の"Same To You"まで聴くことでじわりじわりと盛り上がってくる作品であります。一つ一つの曲自体に派手さはないものの、男女のボーカルを巧みに使い分けた美しいメロディが散りばめられており、ちょっと眠れない夜にウイスキーをお供にしながら静かに聴きたいときなどに最適なのかもしれません。1998年にBig Wheel Recreationからリリースされたエモというよりかインディーロックな2ndアルバム。心の洗濯にぜひ。なお、オリジナルレコードがピクチャー盤なところは少し残念ではあります。

GAMEFACE "THREE TO GET READY"

GAMEFACE以前、カリフォルニア産のGAMEFACEについて2000年リリースの"ALWAYS ON"を紹介しておりましたが、最近、彼らの作品を聴き直すと、この2ndアルバム(1995年にDr. Strange Recordsからリリース)の"THREE TO GET READY"の方が今の私の好みに合致するのでこちらに変更します。"ALWAYS ON"は寂寥感が満載の4曲目"Angels On The Wing"など、よりエモーショナルな楽曲が聴ける魅力があるのですが、後半が少しだれることがマイナスポイント。比較して、この2ndはエモーショナルでありながら、よりパンキッシュなノリ(勿論、メロディック!)と最後まで飽きさせない構成がプラスポイントかと。ジャケットもこちらの方がいいし...。正直、その時の気分でどっちでもいいです。どちらにしても意外とびっくり影響力大なこのバンドを無視しては如何かと思います。で、2018年2月13日の京都GATTACAでのライブ、当然ながら名曲揃いで良かったす(Tシャツ買った)。

FLAMINGO 50 "MY REASON"

FLAMINGO 50元気がないと思っていたイギリスからこんなバンドが登場するなんて、やはりアンテナを張っておかないといけませんね。このFLAMINGO 50による2003年リリースの1stアルバムは、伸びやかでありながら、エネルギッシュな女性ボーカルと爆音系のギターサウンドが見事に絡み合って生み出す、圧倒的なパワーを楽しめます。この絶妙なコンビネーションが、心地よく、時には思い切り心を揺さぶります。メロディはしっかりとした骨太さがあり、決してだれることなく、あっという間に最後の曲までたどり着いてしまいます。特に1曲目の"What I Said"は秀逸で、バンドの魅力を余すところなく伝えています。ここで一気に心をつかまれてしまうこと間違いなしです。で、これを書いている最中に(購入してから4ヶ月後)、エンハンスド使用であることが判明し、ビデオ映像にて、3ピースでボーカル&ギターであることが発覚(実のところ、CDジャケットも取り出して見てませんでした)。ということで、このフロントウーマンであるLouise Hanman姉さんが最高なわけね。

PELOTAN "LUCKY OLD SUN"

PELOTANジャケットそのままに、サーフパンクバンドらしい爽やかな魅力があふれる、PELOTANの3rdアルバム。2013年にWaterslide Recordsからリリースされた本作は、SONIC SURF CITYやPARASITES、TRAVOLTASを思わせるような、軽やかでちょっぴり物悲しいサウンドが連続して押し寄せてきます。特に3曲目"Abracadabra"は、女性ボーカルがメインとなる名曲で、聴いた瞬間にこれは超名曲だと思いました。まさにその歌声が曲に深みを与え、心に強く残ります。もしももう一曲、女性ボーカル曲があったら、私にとってはさらに完璧なアルバムになっていたかもしれません。彼らにとっては、おそらくおまけのような曲なのかもしれませんが、私にとってはそれが欲しかった...。とはいえ、このアルバムの魅力はそれ以上のもので、素晴らしい名盤であることに間違いはありません。そして、2023年11月3日には、ついに大阪で彼らのライブを初めて観ることができました。素晴らしかったです。

THE PROMISE RING "VERY EMERGENCY"

PROMISE RING1999年にJade Treeからリリースされたミルウォーキー産のTHE PROMISE RINGによる3rdアルバムは我がWebサイトにてっきり紹介したつもりでいた作品(もしかしたらミスで大昔に消してしまったのかも…)でありまして、この度やっと載せることができました。これまでの作品に比べスピードを抑えるとともに洗練されたメロディに磨きがかかり万人受けする親しみやすさが強化されてます。これまでの混沌とした荒削りなエモ具合が好きなコアなエモファンはともかく、エモに疎い私にはこの3rdが最も分かりやすくてお気に入り。パンクっぽさは抑え気味でパワーポップさが感じられるような軽快で爽やかな仕上がりになってます。甘酸っぱくて泣ける9曲目"Arms and Danger"など各曲に意味を持たせるために一生懸命印象に残るフレーズを織り込んだ傑作となっております。それにしても8曲目"Skips a Beat (Over You)"から前述の9曲目、10曲目"All of My Everythings"に至るまでの曲展開の流れは神懸かってますね。なお、本作はJ. Robbins師匠との共同プロデュースだそう。


BEST200までなんとかやり切るつもりです。


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