MY MELODIC BEST 101〜120

またまた、苦しい旅が始まりました。いつまでできるんでしょう。

FULL "HOTDOGWATER COCKTAIL"

FULL1998年にリリースされたシカゴ産のFULLによる唯一のアルバム。伸びやかな声にキャッチーなフレーズが絡み合い、明るすぎず、かといって暗すぎるわけでもない絶妙なバランスで、聴く者の心をぐっと掴んできます。シンプルながらも、気づけば無意識に口ずさんでしまうような魅力的なメロディに溢れています。私は京都の□□□□distroさんで中古CDを安価で購入。ALLやBIG DRILL CARといったCRUZ系バンドが好きな人や、MARBLE、PORCELAIN BOYS、G-WHIZあたりが好みの方には、気に入ってもらえるはずです。本作の楽曲も収録された全49曲入りの編集盤“FULLOGRAPHY"もありますが、2枚組のボリュームはさすがにお腹いっぱいになりそうなので、程よい量感で楽しめるこのアルバムをピックアップしました。特に、CRUZIAN POP PUNKの超絶名曲“Another Song"は、まるでG-WHIZの“Run"と双璧をなすかのような大名曲です。

THE COPYRIGHTS "MUTINY POP"

COPYRIGHTS THE COPYRIGHTSによる2ndアルバム。CDはInsubordination Records、LPはIt’s Alive Recordsからの2006年リリースです。1stや3rdももちろん良いのですが、まず手に入れるべきは間違いなくこの一枚でしょう。1曲目“Cashiers"の冒頭1秒から、期待を裏切らない勢いで一気に駆け抜けていく。そのキャッチーさとポップ度の高さは言うまでもなく、そこにさりげなく哀愁が滲んでいるのがまた最高です。このバンドの持つポップセンスと曲作りの力量は、これから先COPYRIGHTS風と形容されることがあっても不思議ではないレベル。LILLINGTONS、TEENAGE BOTTLEROCKET、ERGSあたりが好きな人なら、きっとこのアルバムにも夢中になるはず。ちょっと偉そうに書いてしまいますが、聴かずにスルーするのはもったいないので、ぜひ手に取ってみてください。ちなみに、写真のジャケットはCDで、オリジナルのLPは黒地に白文字で反転されています。

EXPLOSIVO! "IF THE DEVIL HAD A GUITAR..."

explosivo!ニューヨーク産のEXPLOSIVO!については、以前は"The Uh-Oh E.P."を紹介しておりましたが、解散前にレコーディングをしながら未発表であった幻のアルバムが2011年にDead Broke Rekerdsからリリースされたのでそれを紹介することにします。"The Uh-Oh E.P."は正直1曲目"Fuck You, Ninja"だけが最高だったのですが、本作はアルバム全体が素晴らしい。なぜ当時リリースしなかったのだろうか。本当に不思議。CRIMPSHRINEではないFIFTEENなイーストベイサウンドであります。つまり、哀愁ですわ。特に10曲目"You're The Reason I Do Drugs"は、涕泣するほど最高な曲で私の目覚ましアラーム音となっております。なお"The Uh-Oh E.P."紹介時のコメントは以下の通りであります。『2000年リリース。最初、聴いて思ったこと。こいつらFIFTEENが絶対好きなはずってことでした。名曲1曲目"Fuck You, Ninja"でバレバレですよね。ボーカルがダミってくるとか、野郎同士のボーカルの掛け合いとか、泣きの展開とか。とはいえ全体としては、FIFTEENにおけるミッドテンポでも感じられるゾクゾクするような疾走感やメロディの美しさなどは、比較対象が偉大であるためそれほど感じることはできないです。1曲目の調子で最後までやってくれたらと個人的には思いますが、でも、好きです。』

THE ANCHOR "THE ANCHOR"

THE ANCHORTHE ANCHORが奏でる音の雰囲気としては、NO IDEA系の持つ重厚さをほんの少しだけ和らげつつも、熱量と渋さはしっかりとキープ。その上で、疾走感を最大の武器として駆け抜ける、非常に完成度の高いアルバムで、全体を通して熱く胸を突き動かされる展開が続きます。特に4曲目の“Lionheart Was OK But Bloodsport Was Better"は、まるでFIFTEENを彷彿とさせるような哀愁漂う展開がたまりません。生々しさの中に、しっかりとしたメロディの良さが光る一曲。OFF WITH THEIR HEADSやBARRIERあたりが好きな方なら、間違いなく刺さる一枚。聴いて後悔することはないと思いますので、ぜひ試してみてください。2009年にA.D.D. Recordsからリリースされたテキサス産1stアルバム。1stプレス(200枚プレス)は写真のとおりジャケットの背景がホワイトで2ndプレスは背景がブラックになっています。

SHORT STRAW FATE "FOR THE HEROES IN MY RECORD RACK"

SHORT STRAW FATE日本から久しぶりに胸を打つ傑作が生まれました。2017年にFixing A Hole RecordsからリリースされたSHORT STRAW FATEによる1stアルバム。年齢を重ねるにつれ、感動する力が鈍くなってきた私でも、まるで自分がプロデュースしたかのような気分になるぐらい(もちろん、そんな才能はないのですが…)冒頭から心を激しく揺さぶってくれます。バンド名はBROCCOLIの楽曲タイトルから取られていることもあり、UKメロディックからの影響は一目瞭然。しかし、それを単なる模倣で終わらせず、見事に咀嚼・消化し、自分たちの音へと昇華させています。特にギターがまるで"歌って"いるかのようなフレーズの数々が印象的で、豊かな表情を与えています。個人的には、ハードコア寄りの2曲はライブでこそ映えそうな楽曲であり、アルバムとしてはメロディックに統一されていたら間違いなくBest 40級の作品になっていたと思います。しかし、それを差し引いても、サッドな大傑作であることは疑いようがありません。そして2024年1月6日、京都で彼らのライブを初めて観ることができたのも、個人的にとても嬉しい出来事でした。

HANKSHAW "NOTHING PERSONAL"

HANKSHAW1997年にNetwork Soundからリリースされたフロリダ産のHANKSHAWによる1stアルバム。この作品に魅了されたからといって、2004年発表の"KING KANDY"に手を伸ばすのは、かなり危険です。ジャンルそのものが大きく変わってしまっており、もはや別バンド名にしてもよかったのではと思うほどの変化。したがって、本作に絞るのが賢明でしょう。ここで、"Reprimand"をはじめとする楽曲で、まるで女性ボーカルかと錯覚するほど繊細で透明感のある歌声が響き渡ります。その声とともに奏でられるキャッチーで美しいメロディは、まさに疲れた心を洗ってくれるような魅力を持っています。決して速いテンポではなく、むしろもう少しスローダウンしても十分に映えそうな楽曲ばかりですが、それでも絶妙なバランスで心地よく進行していきます。アルバム全体を貫くのは、恐ろしいほどに洗練された旋律の美しさ。その世界に浸っているうちに、聴き終える頃には、不思議と心が穏やかになっていることに気づくはずです。

PARDON US "SEAMLESS"

PARDON USPARDON USによる2ndアルバム(CDはFixing A Hole RecordsからLPはEverything Sucks Musicからのリリース)。いきなり1曲目"Undertow"のスローペースでじわっとエネルギーを貯めてからの爆発具合が格好良すぎの泣きのUKメロディックを堪能できます。そしてこの曲以降も単調にならず一本筋が通ったうえでの胸に響くサビを配置させたバラエティーに富んだ曲が続き、かつ1〜2分台の曲ばかりなので飽きる暇がなくサクッと最後まで辿りつくことができます。ネットによるとアメリカのラフメロディックの影響があるらしいですが、私はほぼ100%、UKメロディックという受け取りをしております。メロディ、疾走感、最高!1990年代ならともかく2020年のリリースで気持ちが揺さぶられるUKメロディックに出会えるのはかなり貴重だと思います。虚心に耳を傾けていただきたい1stから正常進化した逸品。

FUNBUG "I STILL SMILE AT YOU"

funbugこのFUNBUGの前身バンドのIDENTITYの方が知名度も歴史的価値も高いかもしれませんが、純粋にポップで聴きやすいのはこちらかも。あの偉大なUKメロディック紹介サイト"THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND"の管理者さんのレーベルFIXING A HOLEさんから2007年リリースされた編集盤CD。リリースされた心意気に感謝。この調子でBROCCOLIやCATERANとかも再発リリースして欲しい(注:BROCCOLIは本当にその後リリースされましたね)。さて、肝心のFUNBUG。イギリスのバンドらしく、決してカラッとした明るさはなく、どこかしょぼくて愁いに満ちたポップ感がたまりません。特に"Sunshine Ate My Brain"のメロディの甘酸っぱさは圧巻。SKIMMERあたりが好きなら、間違いなく心を掴まれるはずです。派手さはないけれど、じわじわと心に染み込んでくる、そんな名作です。

RIVETHEAD "THE CHEAP WINE OF YOUTH"

 RIVETHEADこの現代社会、何かと管理されることが多くなりました。もしかすると、近い将来「CDやLPは300枚まで」という所有制限法が施行される…なんてこともあるかもしれません(嘘)。そんな不穏な未来に備えるためにも、ミネアポリス産のRIVETHEADによるこの作品はぜひ手元に置いておきたい一枚です。本作は6曲入りの12インチEP。後にメンバーがBANNER PILOTやOFF WITH THEIR HEADSで活躍することを考えれば、この時点でどれほど格好良いサウンドを鳴らしていたか、想像に難くないでしょう。特に"Sleeptight Ya’ Morons"は、ポップさと熱量が絶妙に融合し、聴いているだけで胸の奥が熱くなります。そして何よりのポイントは、その後の彼らのバンドにも通じるエネルギッシュなメロディック・パンクをベースにしつつ、そこにSCREECHING WEASEL風味を程よく振りかけているところ。このちょっとした味付けが、実にいいアクセントになっています。2002年にRecess Recordsからリリースされた名作。

DOCTOR DINOSAUR "YEAR OF THE DUBS"

DOCTOR DINOSAUR SHOWER WITH GOATSと張り合える、意味が分からない最悪ジャケットによって聴く気そして買う気が全く起こらないとは思いますが、旦那、2011年にリリースされたアリゾナ産のDOCTOR DINOSAURによるこの2ndアルバムを探して買ってみなはれ。牧歌っぽいシンプルな演奏ながらも、遣る瀬無い泣けるメロディを結構、連続で投げ込んできて意外と良いですよ。CDを購入したHYPER ENOUGHさんでは、DELAYに通じると述べておりましたが、4曲目"Jekyll and Hyde"などチープで情けない感じの胸キュンサウンドを聴いていると、確かに賛成であります。全体としてDELAYのあの名作"PLAIN LANGUAGE"には勝てないかもですが、かなりの良作品。ちなみに最後の曲"Burning Skies, Summer Nights"はDELAYではなくJAWBREAKERの出来損ないな感じでこれまたよろしいです。Webサイトを検索してもはや私以外の誰も紹介しておりませんが勿体無いので是非。

IDENTITY "YEAH,ABOUT TIME TOO!!"

IDENTITYパンク小僧であればIDENTITYといえばX-RAY SPEXの名曲がまず思い浮かぶところですが、次に思い浮かぶのがこのバンド。これまで2枚組70曲入りの編集盤"SMILES ALL ROUND"しか持っていず、作品として冗長すぎるのでこのBestで紹介するのを躊躇していたのですが、本LPレコードをDiscogsでドイツから安価(本体6.5€+送料4.9€)で入手したのでやっと紹介いたします。ちなみに本アルバムの曲は前述の編集盤に収録されています。編集盤でも大好きだった2曲"Crazy Mixed Up Kid"と"Living In A Dream World"が入っているお得な13曲なので、聴き疲れなく最後まで行き着けます。1991年作ということで、ポップながらもガチャガチャなハードコア・スピリットも感じられるのがミソ。SECTやWACT好きな人は是非。明るくいきたいけど切なくなってしまうUKメロディックならではの展開を楽しめます。FUNBUGの前身バンドですので、間違いありません。Damaged Goodsからリリースされた唯一のアルバム。

EVERSOR "BREAKFAST CLUB"

eversorご存じ、私の大好きなイタリアン・メロディックバンドMILES APARTの前身バンド。とはいえ、本作はEVERSORとしての後期作品であり、もし誰かに「これはMILES APARTの幻の1stアルバムだ」と嘘をつかれたとしても、思わず信じてしまいそうなほど、一貫性のあるメロディックなサウンドを聴かせてくれます(ちなみにEVERSORの初期はスラッシュ・メタル)。MILES APARTの方が、より洗練された涙腺崩壊レベルの遣る瀬無さを持っているかもしれません。しかし、ハードかつエモーショナルな質感を持つEVERSORには彼らならではの魅力があります。特にボーカルの歌いっぷりは、MILES APARTよりも荒々しく、むしろこちらの方が好みだと感じる人もいるのではないでしょうか。どこかSAMIAMを思わせる展開も相まって、聴くたびに胸が熱くなります。1998年にGreen Recordsからリリース。オリジナル盤は10インチ仕様で全7曲収録。

POLITICAL ASYLUM "SOMEDAY"

POLITICAL ASYLUM リイシューCDによって初めて耳にしたスコットランド産のメロディックアナーコパンクPOLITICAL ASYLUM。オリジナルは1987年にリリースということで実のところそれほど"メロディック"ではないだろうと思いながら聴いたところ、驚くほど美しいメロディックでありました。メンバーが15歳から18歳の頃の作品とのことですが、ガキっぽさはなくメロコアという言葉が存在しない時代の作品だけあって、曲全体から醸し出される緊迫感はたまりません。2曲目"Solitary"、4曲目"Down Amongst The Olive Groves"そしてとどめの7曲目の超名曲"Someday"へ。1987年にこの曲が世に出たことは、本当に奇跡だと思います。その後、ボーナストラックとしてライブ音源が入っており、これまた結構楽しめますが、あくまでおまけとして受け止め、私はアルバム作品として7曲目"Someday"までを集中して聴いております。このため後追いで全7曲のオリジナルの12インチ(We Bite Recordsからのリリース)を入手しましたよ。

WILD ANIMALS "BASEMENTS: MUSIC TO FIGHT HYPOCRISY"

WILD ANIMALSスペイン産の哀愁系メロディックバンドWILD ANIMALSによる2016年リリースの1stアルバム(Bcoreより)。最初に感じた印象は、どこかPETROGRADを思い起こさせるポリティカルな空気。しかし、2曲目"Heavy Metal Saved My Life"が流れた瞬間、これはJAWBREAKERの匂いもするぞ…と。聴けば聴くほど、一つの型にはめることができないごった煮感が彼らの最大の魅力なのかもしれません。気になってBandcampをチェックすると、彼ら自身が「Like a crazy mix of Jawbreaker, Hüsker Dü, Samiam, Superchunk, Dinosaur Jr., Rvivr, first Get Up Kids era…」と紹介しており、もう完全に納得。むしろ、そこに挙げられたバンドすべてが私の大好物なので、これはもう音楽的にお友達になれそうだわと思った次第です。熱量と繊細さが同居するこのサウンド、ぜひ体感してみてください。そして、気に入ったならぜひ2ndアルバム"THE HOAX"にも手を伸ばしてみることをオススメします。

THE DAUNTLESS ELITE "GRAFT"

dauntless elite元JOE NINETYのメンバーを中心に結成されたTHE DAUNTLESS ELITEによる2007年リリースの1stアルバム。メインのリリース元はUKのBombed Out Recordsですが、アメリカのPLAN-IT-X RECORDSからもリリースされており、同レーベルの中では異色の存在と言えます。スピードに頼ることなく、野郎二人で力強く歌い上げながら、じわじわと盛り上がっていくUKメロディック・スタイルが実に胸を打ちます。この哀愁を帯びた展開は、何度聴いてもグッとくるものがあります。同じUKのバンドで比較するなら、例えばLEIF ERICSSONの1stアルバムと比べると、こちらの方がよりボーカルの存在感が強調された録音となっている印象です。ちなみに、リリース元のWebサイトでは、LEATHERFACE、AMERICAN STEEL、DILLINGER FOURの名前が挙げられています。JOE NINETYも悪くないのですが、こちらの方が楽曲の完成度や熱量が格段に上がっており、断然傑作だと感じます。

YOUNG HASSELHOFFS "THE OBSOLETE MAN"

YOUNG HASSELHOFFSアリが大量発生することが間違いなしのシュガーコーティングされた甘いポップパンクがたっぷり詰まったネブラスカ産のYOUNG HASSELHOFFSによる一枚。2011年にMoms Basement Recordsからリリースされた3rdアルバムで、前作“GET DUMPED"のリリースが2000年なので、かなり間隔の空いた久しぶりの作品となっております。このアルバムは、より華やかでキラキラとした印象を与えており、TIN ARMORやYUM YUMSを彷彿とさせるような、心をわしづかみにする癒し系の青臭いメロディとボーカルが特徴的です。聴いているだけで、うんざりとした日常の煩わしさをしばし忘れさせてくれるような気持ちにさせてくれます。特に、メロディの良さが際立つため、アコースティックな曲でもその魅力が存分に伝わってきます。渋さや男の哀愁とは無縁かもしれませんが、時には、こういった甘いメロディで元気をもらうのも悪くないですよ。

SLOPPY SECONDS "DESTROYED"

sloppy secondsインディアナポリス産のSLOPPY SECONDSによる1989年リリースのラモーンパンクな1stアルバム。最悪で最低(もちろん、褒め言葉として)な傑作で、リリースはToxic Shockから。大昔、大阪のレコード店TIMEBOMBにいつ行ってもこのCDがずっと売れ残っていたのが懐かしい。ジャケットのデザインはKISSのパクリだし、バンド名や曲名もわざとらしい悪趣味で、まさに下品そのもの。脳足りんのブタ野郎といった感じで、聴く人が蔑んでしまいそうな輩たちが、"I Want ’Em Dead"などの超キャッチーで、ちょっぴり物悲しいメロディを繰り出してくるのは、痛快で爽快そのものです。本当に嘘みたいですが、メンバーたちは確かに匠なポップセンスを持っていて、その中で無駄にカッコつけずに突き抜ける姿勢が、逆に心地よく感じます。単に下品でアホなだけじゃなく、ちゃんと心に残るメロディが詰まっているからこそ、このアルバムは今でも多くのリスナーに愛され続けるのだと思います。

SAMIAM "SOAR"

SAMIAM昔、バークリー産のSAMIAMによるアルバムはよく聴いておりました。その中でも、アルバム全体のできとしてはこの2nd(1991年にNew Red Archivesからのリリース)が一番なのかなって思います。なぜか、Brett Gurewitzがプロデュースとなっていますが、BAD RELIGIONっぽくはありません。イーストベイに片足を突っ込んでいるのに、歌心があるボーカルと心打たれるメロディが他の周辺バンドとは異なり、良い意味で孤高の存在というか浮いてしまっているようです。当初この場で紹介していた、駄作とされている唯一のメジャー作品である4th"CLUMSY"にも"No Size That Small"という傑作の名曲があるので、シングルの積もりで手に入れてください。多分、売れなかったメジャー作品なので、アホみたいな安価で手に入るのではないでしょうか。そして、大阪でライブ(2019年7月15日)を観に行きましたが、遠い存在だったはずのバンドが目の前で演奏しているのに、胸が熱くなりました。嬉しくなってTシャツ2種類買っちゃったよ。

HER SPECTACLES "REMAIN"

HER SPECTACLESHER SPECTACLESによる2006年リリースの7曲入り作品。アルバムかシングルかという論争はさておき、1曲目の"In Minor Chords"から心を掴まれます。まさに、最初の一瞬で引き込まれ、その後も一気に耳を奪われること間違いなし。スピーカーから流れるギターの音が部屋を包み込み、そこに時折、日本のバンドならではの、日本人の心に響くメロディが織り交ぜられます。全曲のどれもが高水準で、しっかりとしたメロディが刻まれており、その完成度に驚かされます。MEGA CITY FOURのようなバンドと比較されることもありますが、個人的には、NAVELのメロディックな楽曲に近いものを感じます。どちらかと言えば、あまり派手さはないものの、聴いているとどこかしら胸がギュッと締め付けられるような、爽やかで切ない音が心地よく、飽きが来ません。いろんな感情が入り混じるこの音、聴いているうちにだんだんとその魅力が深く染み込んできます。

JETPILOT "SEVEN SONGS EP"

jetpilotこのJETPILOTはSTARMARKETやSCARIES、GAMEFACEといったエモーショナルなバンドたちを彷彿とさせる雰囲気を持ちながらも、他の多くのバンドに見られるようなだるさはありません。その代わりに、疾走感が絶妙なバランスで響き渡り、私にはまさにその塩梅が美味しく感じられるのです。特に、“Sad Habit"をはじめとする各曲が持つ美しく青い旋律は、聴いているうちに、暗涙にむせいでしまいます。実際、スウェーデン産のバンドだと知り、なるほど納得という気持ちにもなりますが、何よりこの作品が2008年に静岡からリリースされていることに驚きを覚えます。日本以外のWebサイトでほとんど触れられていないのが不思議でならないほど、感動的な音が収められています。世界の皆さん、こんな素晴らしい音楽を放置しておくのは勿体ないですよ。ちなみに、2003年リリースの1stアルバム"SESSION WITH HIM"も深い感動を呼び起こす作品なので是非入手してみてください。


とうとうBEST120完成しました。BEST200完成までかなりかかると思いますけど、こつこつ行きます。一度しか聴いていない(ひどい場合は最後まで聴いていない)CDもかなりあるので、掘り起こすとびっくりするような感動作に出会えるかも知れません。でもともかく聴く時間がないなー。


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