MY MELODIC BEST 281〜300

BACK TO NORMAL "MONEY & HEALTH"

back to normal BACK TO NORMALによる、唯一のオリジナル・アルバムとなる本作は、1995年にフィンランドでひっそりとリリースされました。まず目に飛び込んでくるのが、思わず「どうしてこうなった…」と首をかしげてしまうジャケットのセンス。この作品が生まれたのは、ちょうどRANDYやNO FUN AT ALLといったスウェーデン勢が勢いに乗っていた1990年代中期。隣国フィンランドで生み落とされたこのアルバムには、スウェーデン勢とはまたひと味違う、少し素朴で、少し泥臭い、でもそれがたまらなく魅力的なメロディック・パンクのエッセンスが詰まっています。彼らによると影響を受けたのはALLやSNUFF、初期BAD RELIGIONとのことですが、やはりどこか北欧らしさが加わっており、全体的に地味ながらも、胸にじわじわと染み込んでくる不思議な魅力があります。特に2曲目の"Remember"は、適度なスピード感に加えてキャッチーで切ないメロディ展開が光る名曲です。

THE GLORY HOLES "THE GLORY HOLES"

THE GLORY HOLESうわー、吃驚しました。このTHE GLORY HOLES、海外も含めて検索しても引っかかってこない。完全に無視されている(EMPTYから出ている同名バンドもあるみたいです)。グーグル検索で引っかかるのは大人のおもちゃばっかしだし。こういったことを避けるためにもバンド名と同じタイトルのアルバムは出さない方がよいかと...。カリフォルニア産で1994年にLethal Recordsからリリースされたということぐらいで何も書けない。確かに派手さがないけど、メロディックでかなりいい曲書いています。レーベルメイトにONE HIT WONDERやFIELD DAYなんかがいて音の傾向はそれなりに似ている気がしますがアルバムの完成度はこちらが上。そんなに捨て曲ないと思うんだけどなー。中古で数百円で売られていたら、是非とも買ってやってください。4曲目"Circus Sideshow"や8曲目"Roseland"なんかは、感傷的で涙うるうるの大名曲だと思います。

DEAD MECHANICAL "MEDIUM NOISE"

dead mechanicalボルティモア産のDEAD MECHANICALによるこの1stアルバムは、2007年にリリースされた熱量高めのメロディック・パンク作品。本作では、個人的にも大好きなCHARLIE BROWN GETS A VALENTINEのフロントマンLucas Carscaddenがボーカル&ギターを担当しています。前述のバンドに見られるような甘さや叙情性よりも、本作ではざらついた質感とだみ声のボーカルが支配的。荒削りで直球勝負のサウンドながら、まるでスピードを増したJAWBREAKERのような熱さと不器用さが同居していて、聴いていて心が揺さぶられます。特に印象的なのが3曲目"Messy Apartment"で、ブチキレ寸前のエネルギーが噴き出しており、めちゃくちゃ格好良いです。また、トランペットを交えたアコースティック・ナンバーや、ドラムがボーカルを務める曲(これがまた染みる…)など、バリエーションも豊かで、アルバム全体を通して飽きさせない構成となっております。ちなみに2nd"ADDICT RHYTHMS"もクオリティー落ちてませんよ。

MUCH THE SAME "QUITTERS NEVER WIN"

Much the same シカゴ産のバンド、MUCH THE SAMEによる1stアルバムは、2003年にA-F Recordsからリリースされた高速なメロディック・パンクの名盤。ジャンル的には、いわゆる「高速メロコア」に分類されると思いますが、その中でも本作は哀愁とシリアスな感情の温度がしっかりと伝わってくる、非常に心に残る一枚となっています。私はこのジャンルにはどちらかというと深く入り込めずにいたのですが、そんな中でもこの作品には自然と引き込まれてしまいました。NO USE FOR A NAMEに加速装置をつけたような音ですが、個人的に、このジャンルでありがちな「全部同じに聞こえる」問題を、メロディーに感情の起伏を乗せて各曲にそれぞれの色を持たせることによって見事に回避してくれています。なお、オリジナルはCDオンリーのリリースでしたが、2020年に待望のアナログ盤が再発されています。

PAINTED THIN "STILL THEY DIE OF HEARTBREAK"

PAINTED THIN カナダ・ウィニペグ産のPAINTED THINによる1997年にEndearing Recordsからリリースされた2ndアルバム(全7曲入りなのでミニアルバムと言っていいのかも)。音の印象としては、UKメロディックの繊細さに、同郷ウィニペグのBONADUCESやSCARIESあたりの青くて切ない空気感を掛け合わせたような、哀愁エモーショナルなポップパンクといった趣きです。少し頼りないながらも胸を打つハイトーンボーカルが、心に静かに刺さってきます。1st"Small Acts of Love and Rebellion"よりも、メロディと構成の完成度が明らかに高いです。特にハイライトとなる5曲目、The WeakerthansのJohn K. Samsonによる名曲"Story You Have Heard Before"は、静かに、けれど確実に胸を締めつける感動の一曲。淡々とした演奏と語りかけるような歌声が、言いようのない寂しさと優しさを残してくれます。わたしゃこの曲で泣けますよ。ちなみに解散後、メンバーはそれぞれThe WeakerthansやSixty Storiesといったバンドへと歩みを進めることになります。

LOCAL BOYS "WHATTHECLOCKMAN"

localboys LOCAL BOYSによる2005年リリースの1stアルバム。スウェーデンのAurora Musicからリリースされた本作は、まさにパンクとパワーポップの中間をゆく甘美な傑作。繊細で胸を打つメロディと、まるでハチミツのようにとろける甘いボーカルが印象的。特にタイトルでもある"Local Boys"などのキラーチューンでは、磨き抜かれたメロディワークが炸裂しており、聴き惚れてしまいます。この「甘さ」が最大の魅力であると同時に、人によっては「くどい」と感じる可能性もあるかもしれません。けれど、心がすり減るような毎日の中で、少しの優しさや甘さを求めてしまうとき、この作品はその気持ちをすっと包んでくれるような存在になってくれるはずです。ガチガチのハードコアや激情系ばかり聴いていると、ふと息が詰まりそうになる瞬間があります。そんな時に、このスウェーデン産の糖分たっぷりなメロディは、心にしみる栄養補給になってくれるのではないでしょうか。

THE ARRIVALS "GOODBYE NEW WORLD"

arrivals シカゴ産のバンド、THE ARRIVALSが2000年にThick Recordsからリリースした1stアルバム。オリジナルはCDのみ。Webサイトなどでは、地元シカゴの先輩格であるPEGBOYの影響を受けているとされていますが、実際に耳を傾けてみると、DILLINGER FOURのような渋みを帯びたメロディック・パンクや、どこかOiパンクの哀愁を帯びたスピリットまでも感じ取ることができます。タフで直情的なのに、どこかほろ苦さがある音は、一筋縄ではいかない奥深さがあります。特にアルバム前半の完成度は圧巻で、3曲目"Bottle Song"から4曲目"Last Lullaby"、5曲目"Chinese New Year"への流れは、まさに胸が熱くなるような展開。熱量と悲哀が絶妙に交差する展開の連続に、思わず心を持っていかれてしまいます。正直、このまま最後まで突っ走ってくれていたら、自分の中ではBest 20入り確実だったのにと思うぐらい、後半のトーンダウンがなんとも惜しく感じてしまいます。

EVERREADY "FAIR PLAY"

EVER READY EVERREADYのこの1stアルバム、とっても久しぶりに聴いたんですが、なぜか結構はまりました。珠玉の1曲があるわけではありませんが、平均点以上の曲が散りばめられて流れが心地よく、こんなに良かったかなーという印象を受けちゃいました。音域の幅がなさそうなボーカルに味があります。楽曲自体はJON COUGAR CONCENTRATION CAMPをもっとキャッチーにポップにした感じで、侮れなくて、"Change"や"Fairplay"など良い曲を書いています。Discogs情報を見ると1992年録音で最初はカセットテープのみリリースで1996年にCDがLiquid Meatからリリースされています。やはり昔っぽいチープな作りですが、内容自体は悪く無いです。完全無視されているようなので、ちょっとひねくれた人はどうぞお試しください。なお、LPはジャケットのデザインが異なります(かなりヒドい。なぜCDと同じにしなかったのだろう)。

SCREECHING WEASEL "MY BRAIN HURTS"

screeching weasel ラモーンなポップ・パンクの古典的傑作とされているシカゴ産のSCREECHING WEASELによる3rdアルバム(1991年にLookout! Recordsからリリース)。私はこれまた名作とされている4th"WIGGLE"よりも個人的にはポップ好きという視点からみると、こちらの3rdの方が好みであります。一気に流れるように最後の大名曲のタイトル曲まで辿りつきます。フロントマンBen Weaselは、我が愛するCRIMPSHRINEに少し関わっているようで(ツアーで臨時的にベースやドラムをしているらしい)、またLOOKOUT!のCRIMPSHIRINEのページのバイオグラフィーをBENが書いており、「イーストベイの魂で最高のバンド」と賛辞をおくっております。これだけでも最高! で、このアルバム、なぜ再発のジャケットでは気色悪い擬人的な昆虫ジャケットになったのか?大人の事情か?

CHINESE TELEPHONES "CHINESE TELEPHONES"

chinese telephones ミルウォーキー産のバンド、CHINESE TELEPHONESによる唯一のフルアルバム。2007年にIt’s Alive Recordsからリリースされた本作は、まさに一瞬の閃光のように現れては消えてしまった存在です。決して一本調子にはならず、随所にポップでエモーショナルなメロディが顔をのぞかせてくれる、そのちらっと泣かせるフレーズに触れた瞬間、心の奥で何かがふっと緩むような感覚が出てきます。QUEERSやTEENAGE BOTTLEROCKETといったポップ・パンク好きはもちろん、DILLINGER FOURやOFF WITH THEIR HEADSのような渋めのメロディック・パンク愛好家にまで刺さるこの許容力の広さも特筆すべきポイントだと思います。そして忘れてはならないのが、壁に掲げたくなるジャケットのセンスの良さ。LPで持ってこそ真価が発揮されるようなアルバムではないでしょうか。

TURTLEHEAD "BACK SLAPPING PRAISE FROM BACK STABBING MEN"

turtlehead 1996年にリリースされたTURTLEHEADによる1stアルバム。長らくアメリカのバンドだと勘違いしておりましたが、実はスコットランド産でした。作品はスウェーデンの名門Bad Taste Recordsからリリースされており、そのせいかサウンドにはUKメロディックの雰囲気に加え、スウェーデンっぽい流麗なメロディラインとスピード感がなんとなく溶け込んでいます。特に曲の構成は練り込まれており、キャッチーでありながらも、聴き進めるごとにじわじわとクセになるような仕掛けが感じられます。今の耳で聴くと音作りには少し時代を感じる部分もあるかもしれませんが、9曲目の"Home"などに代表されるように、しっかりと胸を打つメロディが宿っていて、忘れがたい魅力を放っています。中古屋でひっそりと激安で並んでいるような存在かもしれませんが、見つけた時は心の中でガッツポーズを決めて購入してほしい一枚です。バンド名だけでスルーしてしまうには、あまりにも惜しい作品です。

ANTI-FLAG "THE TERROR STATE"

ANTI FLAG 2003年にFat Wreck Chordsからリリースされた、ピッツバーグ産のANTI-FLAGによる通算5枚目のアルバム。世に溢れるメロコアな作品の中にあっても、単にキャッチーで速いだけではない、緊迫感と重みを湛えた音が、聴き手の胸にじわりと突き刺さるのです。ふとした瞬間に垣間見える社会への怒りや不条理に対する痛烈な視線が、このバンドの芯の部分をしっかりと支えています。特に7曲目"You Can Kill The Protester, But You Can’t Kill The Protest"は、タイトルからして強烈ですが、そのメッセージ性の高さと、メロディの熱量が見事に同居した名曲です。音の質感としては、DILLINGER FOURを少しポップ寄りにしたような感触とも言えるでしょうか。曲ごとのフックも効いていて、全体を通して飽きさせない構成もまた秀逸です。正直なところ、後にボーカルに残念な話題がありましたが、それを差し引いても、この作品に込められたエネルギーと誠実さは揺るぎないと思います。

CARBONA "TAITO NÃO ENGOLE FICHAS"

carbona 2003年にリリースされた、ブラジル発のラモーン・パンクバンドCARBONAによる6thアルバム。その音は想像通り、SCREECHING WEASELを彷彿とさせるようなストレートで軽快なポップパンク。「だったらSCREECHING WEASELを聴けばいいじゃないか」という声もあるかもしれませんが、このバンドならではの魅力は、やはりポルトガル語の響きにあると思います。特に"Meu Primeiro All-star"をはじめとする曲では、シンプルな構成の中に不意に胸が締めつけられる瞬間があります。ラモーンパンク特有のマシンガンのような勢いのなかで、それがふと顔を覗かせるからこそ、よりいっそう心に残ります。スペインの偉大なラモーンパンクバンドたちとも共鳴するような、南米らしい陽気さと哀愁のブレンド。もちろん、このジャンルに馴染みのない方には「どれも同じに聞こえる」という危険性はありますが、ぜひ一度体感してみてください。

THE CONNIE DUNGS "ETERNAL BAD LUCK CHARM"

connie dungs 解散してしまったケンタッキー産のTHE CONNIE DUNGSによる、2000年リリースの4thアルバム。このオリジナルのアルバムは、Mutant PopからのCDのみのリリースで、バンドの成長が色濃く反映されています。初期作品では、SCREECHING WEASELやBEATNIK TERMITESに影響を受けたようなチープで元気なラモーン・ポップパンクを演奏していた彼らですが、特に4曲目"Fearful Symmetry"などを聴くと、その変化が顕著でここではJAWBREAKERのようなエモーショナルで胸を打つメロディを取り入れようとした跡が感じられ、バンドが最後の力を振り絞って新しい方向性を模索していたことが伺えます。こうした中途半端にも見える試みが、実は唯一無二の個性を生んでいるところに魅力があるのかもしれません。アルバム全体に散りばめられた、可愛らしい声に隠された哀愁や繊細さが、より一層深みを与えています。

THE MEASURE(SA) "HISTORICAL FICTION"

measure ニュージャージー産のTHE MEASURE(SA)による1stアルバム、2006年にTeam Science RecordsからCD、Don Giovanni RecordsからLPとしてリリースされています。アルバム全体に漂うラフでメロディックな音は、まさにアメリカンな感じがあります。DISCOUNTやFIFTH HOUR HEROといったバンドに感じる雰囲気にフォークっぽいエッセンスが取り入れられている感じ。各曲は、水準以上のクオリティで、しっかりとしたメロディラインが展開されており、曲ごとにメリハリが感じられ、巧みに作り上げられています。ただし、アルバムを通して聞いてみると、決定的に心をつかまれるような極上の1曲が見当たらないため、個人的にはBest200圏外という位置づけにしてしまいました。それでも、特に6曲目の"Autonomously"や12曲目の"It’s Me Or The Marlboro Man"なんかはとても胸に迫るとても良い曲なので、個人的には、全曲、女性ボーカルをメインにした方がより良かったのではと思っています。

HDQ "SOUL FINDER"

HDQ HDQは、Dickie HammondとAndrew LaingがLEATHERFACEと掛け持ちで活動していたバンドで、本作品は1990年にFull Circleからリリースされた4thアルバム。このアルバムは、当時DOLLで別宮さんによる絶賛レビューが記載されて、それをきっかけに手に取った思い出があります。再発されて、手に入りやすくなったこともあり、その素晴らしいサウンドに触れやすくなったことは喜ばしいことです。アルバムの1曲目、"Wise Up"から感じ取れる音は、まさにUKメロディックパンクの中でもUSのDAG NASTYからの影響を強く感じさせます。HDQは、UKメロディックの歴史においても非常に重要な位置を占めるバンドで、彼らの音楽は時を経ても色あせませんが、メロディックパンク学科に入学したい若いキッズたちは、まずDAG NASTYという師匠筋のバンドをしっかりと予習しておくことをおすすめします。「DOLL メロディック狂必聴ディスクUK&ヨーロッパ編」紹介ディスク。

WALTER ELF "DIE ANGST DES TORMANNS BEIM ELFMETER "

WALTER ELF WALTER ELFは後にKICK JONESESとして知られるようになるバンドで、本作品は1988年にWe Bite Recordsからリリースされた2ndアルバムです。KICK JONESESには名曲"If There Was A God"がありますが、アルバム全体を通して聴き込むには少し疲れてしまうこともある中、個人的には、KICK JONESESよりもこのWALTER ELFの方が圧倒的にお気に入りです。このアルバムでは、ホーンセクションなどのアレンジが巧みに使われており、バラエティ豊かな展開が魅力的です。そのため、アルバム全体を通して飽きが来ることなく、一気に聴き進めることができます。もしこの音楽がUKバンドなら少し古臭さを感じるかもしれませんが、このWALTER ELFは不思議とその古さを感じさせず、むしろ新鮮で力強い印象を受けます。ドイツのバンドらしい独特の感覚があり、NOISE ANNOYSのファンならきっと楽しめるアルバムだと思います。

THE MANIX "NIGHBORHOOD WILDLIFE"

THE MANIX ミネアポリス産のTHE MANIXが2011年にIt's Alive Recordsからリリースされたこの2ndアルバムは、OFF WITH THEIR HEADS、BANNER PILOT、DEAR LANDROADといったバンドが好きな、ストレスを抱えて燃えて燃えて燃え尽きたいリスナーにはハマる可能性大の作品です。ギターのCorey Aydは2008年から2014年までBANNER PILOTにも在籍していたとのこと(Wiki情報)。本作は強烈な個性がさほどあるわけではないので、結果的にここにとんでもない大名曲はありません。しかしながら逆に駄作と言えるような曲もなくそのシンプルに勢いにまかせて突っ走る展開が、聴いていてとても心地よいのです。特にサッドな7曲目"Red Truck"なんかは、私の好物です。このアルバムを聴いて心の疲れを解放し、次の一歩へ進むためのエネルギーを感じてみてください。

SUBURBAN NOISE "EL SONIDO DEL SUBURBIO"

SUBURBAN NOISE SUBURBAN NOISEのこの作品は、SP RECORDSから2009年にリリースされたもので、1995年から2000年にかけて活動したバンドのSplitやEP等を収めた編集盤となります。CDの帯には、「エモと括るには激し過ぎるスピード感、ハードコアと詠うには美しすぎるメロディライン!メロディと攻撃性の奇跡的なまでの融合感」と記載されていますが、これ以上シンプルで的確な表現は他にないでしょう。まさに、その言葉通りのバンドの魅力がギュッと詰まっています。このアルバムは、イタリア産のEVERSORやSTOLEN BIKES RIDE FASTERにハマった人には特におすすめで、その疾走感と寂寥感が見事に交錯した音に、思わず心が揺さぶられます。そして、なんと2022年には1stアルバムがリリースされているので、気になった方はそちらもぜひチェックしてみてください。

BLOCKO "BLOCKO"

blockoBLOCKOによるこの作品は、神バンドBROCCOLIを思わせるバンド名とサウンドで、2003年にBoss Tuneageからリリースされた唯一のアルバム。当初、正直に言うと、BROCCOLIに似すぎている雰囲気に少し辟易としていました。しかし、冷静に聴いてみると、HOOTON 3 CARなど、1990年代初期から中期のUKメロディックサウンドを受け継いだ音作りだということに気付き、そのクオリティの高さに納得せざるを得ませんでした。個性の欠けた部分も確かにありますが、音楽の芯の部分はしっかりと作り込まれており、やっぱり悪いはずがないのです。特に2曲目"Fibs"などは、まさにその雰囲気が色濃く出ていて、曲としての格好良さは間違いなく光っています。強烈な名曲があるわけではないですが、このアルバム全体に漂う哀愁と疾走感のバランスがとても魅力的です。私自身はCDのみを所有しているので、LPを手に入れようと探し続けているところです。


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