MY MELODIC BEST 201〜220

WHAT GOES UP "LAWS OF GRAVITY"

WHAT GOES UP最初、WHAT GOES UPによるこの作品を聴いたときはLEEWAYに比べ単調な楽曲だなぁと感じたのですが、宮崎駿氏の「風の谷のナウシカ」の漫画版の1〜7巻を久しぶりに読み直ししたときに10回ほどリピートして聴いていたら各曲の個性が分かりはじめてきて、仕舞いにはなぜこれを単調だと思ったのかが信じられなくなり、実は凄い名盤じゃないかと思い至った次第です。LEEWAYは可愛らしさも含んだ美しさが魅力ですが、こちらの方はより凛とした格好良さが増していると思います。それは優しさに包まれた透明感のある女性ボーカルに時折ゴリゴリのダミ声の男性ボーカルとの絶妙に絡んでくる展開が功を奏している気がします。蛇足になりますが私の場合、あまりにナウシカを読みながらリピートしていたため、サントラ盤のような扱いとなってなぜかレコードを聴くとナウシカの映像が頭に浮かぶという演者も全く想定していない変な現象が起きてしまっています。ちなみにお気に入りの曲は2曲目の"Unfit"と10曲目の"My Friend"です(他も良い曲ですよ)。2023年にWaterslide Recordsからリリース。

CHALLENGED "LOADED LANGUAGE"

CHALLENGED2010年にRally Recordsからリリースされたブルックリン産のCHALLENGEDによる2ndアルバム。蓄音機からサイが出ているジャケットですが、その意味分かりません...。とはいえ、中身は曲ごとにキャッチーな盛り上げポイントを的確に配置し、捨て曲なしの恐るべきアルバムとなっております。例えば、3曲目"Soapskum"で青さが際立つ豊かなメロディに浸って、5曲目"Quiet Zone"で疾走感を楽しみ、7曲目"The Morning After Pill"では歌心ある哀愁に涙するわけです。実のところリリース当時はあまり印象が薄かったのですが、自分の所有アルバム総点検作業の一環で久しぶりに聴くと、特に前半部分の熱さと泣き泣き具合に驚きおののいた次第です。皆さんもストリーミング配信ばかり聴いているだけではなくて、自分の所有レコードを聴き直してみてはどうでしょうか。ちなみに2007年リリースの1stアルバム"RELAPSE"も内容は最高です。

ALLIGATOR GUN "ONEHUNDREDPERCENTFREAK"

ALLIGATOR GUN1995年にRelativityからリリースされた、ミルウォーキー産のALLIGATOR GUNによる2ndアルバム。Discogs情報によると、ベースは後にPROMISE RINGに在籍していたとのことですが、正直言ってその音楽性が脳内で結びつくことはありません。本作は、Bill StevensonとStephen Egerton先生によるプロデュースということもあり、どちらかと言えばBIG DRILL CARをはじめとするCRUZIAN系と捉えた方がしっくりきます。特に2曲目の"Sinker"や5曲目の"Cut To Fit"といったエネルギーに満ちた良質なメロディが軽快に流れる前半部分は、実に爽快で耳に心地よいのですが、後半に差し掛かると、少しだるさを感じる部分もあり、全体の印象が薄れてしまうのが惜しいところです。全体としてのバランスが整っていたならば、もしかすると大化けしたかもしれない隠れた名盤だと思います。

CHESTER COPPERPOT "POEMS & SHORT STORIES"

CHESTER COPPERPOT1996年にスウェーデンから届けられたCHESTER COPPERPOTによるこの作品は、STARMARKETやRANDYと同じレーベルであるDolores Recordingsからリリースされたものです。彼らほどのパンク度はなく、むしろWEEZER的なパワーポップに近い印象を受けますが、これがまたスウェーデンらしい魅力を放っています。メロディック大国スウェーデンが輝きを放っていた黄金時代の産物として、表向きは地味に映るかもしれませんが、聴けば聴くほど心の中でじわじわと熱が高まっていくような感覚を味わえます。なぜも彼らはいとも簡単に遠く離れた日本人の琴線に触れる曲を生み出してくるのでしょうか。水がいいのか、学校教育がいいのか、音楽環境がいいのか。涙を目に一杯溜めながら思いの丈を振り絞って歌っているのかと妄想してしまうような青臭い8曲目"Lyrical Gangsta"なんかで撃沈でしょう。

VANILLA POD "POETS ON PAYDAY"

VANILLA PODこれまであまり良い印象を持っていなかったというか、正直無視していたUKバンドVANILLA POD。しかし、この2009年にBoss Tuneageからリリースされた5thアルバムは、私にとって完全に意表を突かれた突然変異の傑作です。「これまでとは全く違う」「最高傑作」との宣伝文句に半信半疑で購入したのですが、その期待を見事に裏切ることなく、むしろ遥かに超えてくれました。長年の活動を通じて培われた経験と情熱が詰まったサウンドは、まさにいぶし銀の哀愁を放ちながらも、決して落ち着きすぎず、常に熱を帯びたまま突き進むところが魅力です。4曲目"Promise"のギターイントロを聴いて泣き、5曲目"Walk Of Shame"のギターイントロを聴いて笑う、なんとも楽しいアルバムで、メロコアではなく、よりUKメロディックへと昇華しているのもポイントです。MILLOYやGREAT ST. LOUISといったバンドを好む方ならば間違いなく楽しめると思います。

GOOD MEN DIE LIKE DOGS "GOOD MEN DIE LIKE DOGS"

GOOD MEN DIE LIKE DOGSアリゾナ産のGOOD MEN DIE LIKE DOGSによるこのセルフタイトの8曲入り10インチは、まさに掘り出し物と言える素晴らしい一枚です。今は亡きAge Of Distressさんにて購入。このバンドが本サイトでも紹介しているPARKWAY WRETCHが前身バンドだということで、期待を胸に針を落としたわけですが、その期待に見事に応えてくれました。世間にはFIFTEENに影響を受けたバンドは少ないだけに、彼らの存在は非常に貴重ですし、こうして形に残してくれたことが嬉しくてなりません。3曲目の"Dreams Change"では、曲の展開そのものにFIFTEENからの影響が色濃く表れていて、むしろそこが微笑ましくもあり、聴いていて思わず顔がにやついてしまいます。全力疾走しながらも、しっかりとメロディに情感を込めているのが印象的です。特に8曲目の"Westbound10"が素晴らしく、格好良く燃え上がるサッドメロディックの名曲です。2010年リリース。

THE STROOKAS "DEAF BY DAWN!"

STROOKAS UKメロディックパンク界において重要な存在であるTHE STROOKAS。既に紹介している名作コンピレーション"THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND, SON"にも収録されていたバンドということで、その存在感は確固たるものがあります。もともと編集盤CD"WHAT YOU WANT TO HEAR"を紹介していたのですが(11曲目の"Emmerich"は圧巻の名曲)、とうとう1992年リリースの1stアルバムをFIXING A HOLEからCDで再発していただける世の中になりました(後追いでオリジナルLPを買いました)。北朝鮮で生まれなくて良かった。マンセー。このアルバムで展開される音は、HÜSKER DÜを通過したメロディックパンクならではのエモーショナルな哀愁を帯びたものでありながら、確かにUKらしい湿り気を纏っています。また、海外のサイトで指摘されていたDINOSAUR JRの影響についても確かに頷けます。

ZERO FAST "BAY CITY LOUD VOICES"

ZERO FASTだみ声混じりの見事なツインボーカルとFIFTEENやJAWBREAKERを彷彿させるイーストベイな曲の展開が魅力的な2002年にAnti-New Waves Recordsからリリースされた横浜産のZERO FASTによる1stアルバム。曲によってはJAWBREAKERのパクリかと思えるようなどこかで聴いたフレーズが流れて来るので、強烈な個性を感じることはできないのですが、先に挙げたバンドが好きだという可愛い部分が私には感じられて、微笑ましくなってしまいます。それに加え、LEATHERFACEも好きな感じもするので(トリビュートにも参加してますよね)、勝手な推測ですが、結構、私と好きなバンドが被るじゃないんでしょうか。アルバムを通して、スピード感溢れながらもメリハリのある良い曲の連続で、一気に最後まで聴きと通せるので、なんだかんだで熱くて渋い名作なんだと思います。いや〜、"I Need...."なんか目茶苦茶格好いいわ。

BACKSEAT VIRGINS "BORN AGAIN"

backseat virginsアラバマ産のバンド、BACKSEAT VIRGINSによる1stアルバム。2007年にInsubordination Recordsからリリースされたこの作品は、どうやらPARASITESの元ベーシストが立ち上げたバンドだそうです。正直、ジャケットのデザインだけで判断するなら手に取るのを躊躇してしまうかもしれませんが、ここはぜひ勇気を出してレジに持って行ってほしい一枚です。CDトレイにディスクを置いた瞬間、甘酸っぱくて爽やかなサーフポップパンクの波が一気に押し寄せてきます。男女のボーカルのハーモニーが絶妙で、耳にすっと馴染むその心地良さは病みつきになること間違いなしです。聴いていると、QUEERSなどの名だたるポップパンクバンドの影がちらつきますが、決してただの模倣ではありません。清涼感に満ちたサウンドの中に、確かな個性と情熱が宿っているのを感じます。特に10曲目の"Lucille"はキャッチーで耳に残る名曲ですし、それ以外の曲もアルバム全体として高い水準を保っています。

THE FIENDZ "REDEMPTION"

THE FIENDZ 2002年にBlack Pumpkin Recordsからリリースされた、ニュージャージー産のTHE FIENDZによる5thアルバム。SP RECORDSさん的にはこの5thが最高傑作とされているものの、ネット上では2ndの"WACT"の方が評価が高い傾向があるようです。もちろん、"WACT"が名作であることに異論はありませんが、特にサッドで哀愁たっぷりなメロディックパンクを愛する私にとって、この5thアルバムは心の琴線を引きちぎらんばかりの切なさを抱えた作品だと感じるのでSP RECORDSさんのセンスに一票入れてしまいます。パンク的なエッジを意識的に取り除いてみると、意外にも爽やかで親しみやすいポップスとしての一面が見えてくるのが面白いところです。CRUZIAN系サウンド好き、特にPORCELAIN BOYSのような陰影を帯びたメロディを好む方には、ぜひ手に取ってほしい一枚です。

FINE BEFORE YOU CAME "CULTIVATION OF EASE"

FINE BEFORE YOU CAMEイタリア産のFINE BEFORE YOU CAMEによるエモーショナルな1stアルバムで、2001年にGreen Recordsからのリリース。実は同郷のMILES APART好きならおすすめということで、半信半疑で購入したのですが、聴いてみればその切ないメロディの輝きにすっかり心を掴まれてしまいました。MILES APARTやEVERSORを思い浮かべるメロディの流れが確かに感じられるものの、ただのフォロワーではなく、自分たちの色をしっかりと打ち出しているところに感心させられます。特に印象的なのは、彼らのメロディがどこか日本のバンドを思わせるような哀愁を漂わせている点です。全体を包み込む物悲しい旋律は、胸の奥に染み渡るような独特の美しさを放っています。時折激情的なボーカルが挿入されることで、感情の高まりが一層引き立てられており、そのバランスが見事です。なお、日本盤CDもリリースされています(ジャケットは異なります)。

JIM ABBOTT "JIM ABBOTT"

JIM ABBOTT 佐賀県鳥栖のバンドJIM ABBOTTの1stミニアルバム(2011年リリース)。疾走していく感じが実に格好いいのですが、メロコアな軽いそれではなく、LEATHERFACEなどの初期UKメロディックな荒々しくも渋くて泣けるスピード感なんです。盛り上がりまくりのメロディが最高に気持ちいい6曲目"Hit On Nothing"などのオリジナルの名曲もありますが、おじさんには、HOOTON 3 CARの"Ginky"を取りあげてくれたことも嬉しい。これでHOOTON 3 CARを聴こうとする人が10人は増えるはず。7曲で駄作もないので、一気に気持ち良く聴けます。繊細かつ豪快なギターの激流の中でも、しわがれた歌声が負けずに絶妙なバランスでスピーカーから音塊として飛んできます。天下のFIXING A HOLE RECORDSからのリリース。で、京都でのライブ(2023年5月4日)に行きましたが想像どおりの刺激的な爽快感を味わうことができました。

AGAINST ME! "AS THE ETERNAL COWBOY"

against me2003年にFat Wreck Chordsからリリースされたフロリダ産のAGAINST ME!による2ndアルバム。フォークとメロディックの見事な融合によって生み出された名作でありながら、なぜかこれまで本サイトで取り上げてこなかったことを少々後悔しています。このアルバムの最大の魅力は、心の奥底から沸き起こるような熱い感情を丁寧に掬い上げる抒情性豊かなボーカルと、鋭い切れ味を持った演奏の見事な融合です。シンプルでどこか哀愁を帯びたメロディが聴く者の心を揺さぶり続けます。フォーク・パンク、メロディック・パンクという言葉では簡単に語り尽くせないほどの説得力と独自性を持つ作品です。激情的でありながらも、どこか温かみを感じさせるボーカルの表現力が絶妙で、気づけば何度もリピートしてしまう中毒性を持っています。AGAINST ME!の作品の中でも一際輝きを放つこのアルバムは、彼らが持つ独自のスタイルを確立したと言っても過言ではないと思います。

MILLENCOLIN "FOR MONKEYS"

MILLENCOLINMILLENCOLINは、RANDYやNO FUN AT ALLと並び、スウェーデン・メロディック界の大御所として確固たる地位を築いたバンド。この1997年リリースの3rdアルバムは、Burning Heart RecordsとEpitaphからリリースされ、彼らがスカ要素を取り入れた初期からメロディック色を強めていった時期の代表作と言えるでしょう。私の乏しい表現力であえて形容するならば、ALLやDESCENDENTSの持つ疾走感に、スウェーデン独特の風味をたっぷりとまぶしたような印象です。キャッチーで爽快なメロディが耳に心地よく響き渡ります。1曲目の"Puzzle"から一気に最後まで聴き通してしまえるほどの勢いがあり、曲が進むごとに自然と気持ちが高揚していくのがたまりません。リリース当時、このアルバムを何度も繰り返し聴いていた記憶が鮮明に蘇ってきます。スウェーデンのバンドたちが次々と名作をリリースしていた1990年代中期、まさに私にとって黄金期とも言える時代でした(遠い目...)。

THE METHADONES "THIS WON'T HURT..."

methadonesTHE METHADONESは、SCREECHING WEASELのDan Schafer(別名Dan Vapid)が率いるシカゴ出身のバンドで、2007年にRed Scareからリリースされたこの5thアルバムは、彼らの持つ哀愁メロディとポップなパンクの魅力を最大限に引き出した作品です。以前リリースされた2ndアルバム"CAREER OBJECTIVE"はラモーンパンクの要素が強く、個人的には少々個性に欠ける印象を受けたのですが(大好きな人、すいません。3曲目の"Say Goodbye To Your Generation"などは良い曲)、この5thではその方向性をメロディック・パンクに寄せ、見事に昇華させています。聴いていると、不思議とGREENDAYやALKALINE TRIOの名前が頭をよぎるのは、彼らが持つメロディの親しみやすさや感情を揺さぶる楽曲の力によるものでしょうか。ちなみにうれしいことに2022年に初ビニール化されましたよね。

HOSTAGE CALM "PLEASE REMAIN CALM"

HOSTAGE CALMジャケットの雰囲気だけを見てしまうと、ついロックンロールなパンクを想像してしまいそうですが、コネチカット産のHOSTAGE CALMによるこのアルバムに詰まっているのは甘酸っぱさ全開のパワーポップ&メロディックなパンク。そして、ただ爽やかなだけではなく、各曲がしっかりと個性を持ち、多様な表情を見せるところが魅力的です。驚くべきは、このサウンドからは彼らが元々ポスト・ハードコアなバンドだったことが想像しにくい点です(Bandcampで初期作品の"Demo"が聴けます)。いったい彼らに何が起こったのでしょうか?その進化の過程が、興味を引きつけてやみません。このアルバムは、Run For Cover Recordsから2012年にリリースされた3rdアルバムで、なんとあのJ. Robbinsとの共同プロデュース作品。ボーカルは以前より伸びやかで耳に心地良く、聴いていて自然と胸の奥が高鳴ってくる感覚を覚えます。

FOUR LETTER WORD "A NASTY PIECE OF WORK"

FOUR LETTER WORDバンド名からしてパンキッシュな香りが漂うFOUR LETTER WORDの1stアルバム。1998年に意外にもBYO Recordsからリリースされたこの作品は、荒々しさと疾走感が存分に詰まった名盤です。世間的な評価は後のアルバムに向けられることが多いかもしれませんが、私にとってはこのデビュー作こそが彼らの魅力を凝縮した作品であり、聴くだけで胸が熱くなってしまいます。政治的なメッセージを含むバンドということで、その攻撃的な音には鋭い刃が潜んでいます。それでいてLEATHERFACE直系のUKメロディックパンクの影響も色濃く感じられるあたりがたまらないのです。特に7曲目の"Departure"。穏やかな流れから一転して爆走する展開には圧倒され、まさに私の人生ベスト30に食い込むほどの衝撃的な曲です。プロデュースを担当したのは、なんとあのLEATHERFACEのFrankie Stubbs師匠です。

DESCENDENTS "MILO GOES TO COLLEGE"

DESCENDENTS歴史的価値を言えば間違いなくBEST10級な作品。神であるカリフォルニア産のDESCENDENTSを本当に失礼な位置にランクしておりますが、許してください。ALLを紹介したからDESCENDENTSはもういいかなと思っていましたが、やはりメロディック・ハードコアの元祖の一つを紹介しないのは失礼かと。なんせ1982年のリリースですぜ。このサイトを訪れてくれた人の多くはこの世にまだいなかったのでは。この時代にこんなポップなハードコアはこれまでなかったはず。まぁBUZZCOCKSの流れなんかで出てきたのかもしれませんが...。とはいえ、まさにアメリカ、全く湿っぽさはなしです。好き嫌いはともかく、古典的名作として入手しなきゃダメでしょ。個人的には"Suburban Home"や"Bikeage"なんかが大好物。ジャケットも含めニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久保存すべき一家に一枚のNew Alliance Recordsからリリースされた1stアルバム。

BEATNIK TERMITES "BUBBLECORE"

biatnik termitesクリーブランド産のBEATNIK TERMITESによるこのアルバムのジャケットを目にした瞬間、なんとなく音のイメージが湧いてくるのではないでしょうか。彼らのこの2ndアルバムは、タイトル通りのバブルガム・ポップ・パンクをこれでもかというほど詰め込んだ作品です。1996年にRecess Recordsからリリースされた一枚。確かにこの手のラモーンライクなポップ・パンクは世にあふれていますし、私も普段はちょっと厳しめに評価してしまうところがあります。しかし、このアルバムを前にするとそんな姿勢もあっという間に崩れ去ってしまいます。耳にした瞬間、糖分たっぷりの甘酸っぱさが容赦なく攻め込んでくるのですから。1曲目の"I Don’t Wanna Hang Around"をはじめとして、そのキャッチーさと爽やかさに思わず笑みがこぼれて、日々のイライラをふっと忘れさせてくれる心地よさがあります。

THE STRIKE "SHOTS HEARD ROUND THE WORLD"

STRIKEミネアポリス産のTHE STRIKEが1999年にVictory Recordsからリリースした2ndアルバム。小気味よいメロディと気持ちが入ったしわがれた声が良い感じであります。加えて、印象的なメロディを被してくるホーンやアナーコパンクな感じの女性ボーカルを挟んでくるのもアルバムのアクセントになっているようでそれまた良し。音的にはTHE CLASHやOiパンクなんかの親しみやすい要素を踏まえた上での2000年前後のメロディックパンクとなっているような気がします。アルバムを象徴するような超名曲があるわけではないですが、アルバムとして飽きさせないものとなっています。SCARPER!や’TONEなどの少しだけホーンを取り入れた変わり種が好きな人はどうぞ。ちなみにアルバムクレジットによると、ベースがテナーサックスを吹いているので実際のライブでは吹いていないかもしれません。


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