CHALLENGED "LOADED LANGUAGE"
2010年に出た2ndアルバム。蓄音機からサイが出ているジャケットですが、意味分かりません...。とはいえ、中身は曲ごとにキャッチーな盛り上げポイントを的確に配置し、捨て曲なしの恐るべきアルバム。例えば、3曲目"Soapskum"で青さが際立つ豊かなメロディに浸って、5曲目"Quiet Zone"で疾走感を楽しみ、7曲目"The Morning After Pill"では歌心ある哀愁に涙するわけです。実のところリリース当時はあまり印象が薄かったのですが、自分の所有アルバム総点検作業の一環で久しぶりに聴くと、この熱くて泣き泣き具合に驚きおののいた次第です。皆さんもストリーミング配信ばかり聴いているだけではなくて、自分の所有レコードを聴き直してみてはどうでしょうか。ちなみに2007年リリースの1stアルバムも内容は最高です。
ALLIGATOR GUN "ONEHUNDREDPERCENTFREAK"
1995年産の2ndアルバム。ネット情報によるとPROMISE RINGのメンバーが在籍していたということですが、脳内ではあまり結びつきません。やはりBillとStephen先生のプロデュースらしくCRUZIAN系と捉えた方が無難で、2曲目"Sinker"や5曲目"Cut To fit"等のグッド・メロディーが軽快に流れていく前半部分をかなり気に入って聴いております。残念ながら後半部分は若干だるくなって印象が薄くなってくるのは、これまたCRUZIANぽくって、ご愛敬ってところでしょうか。
CHESTER COPPERPOT "POEMS & SHORT STORIES"
1996年のスウェーデン産。しかもSTARMARKETやRANDYと同じレーベルのDoloresからのリリース。彼らよりパンク度は高くなくWEEZERなパワーポップよりなものの、個人的にはメロディック大国スウェーデンの実力に魅了されていた時代の産物だけあって、地味ですがじわじわと心が盛り上がってくるところが流石と言えます。なぜも彼らはいとも簡単に遠く離れた日本人の琴線に触れる曲が生み出されるのでしょうか。水がいいのか、学校教育がいいのか、音楽環境がいいのか。涙を目に溜めながら思いの丈を振り絞って歌っているのかと妄想してしまうような8曲目"Lyrical Gangsta"なんかで撃沈でしょう。
VANILLA POD "POETS ON PAYDAY"
VANILLA PODの5thアルバム(2009年リリース)。これまで、あまりいい印象がなかったというか無視していたこのバンドが産み落としたこの作品は、間違いなく突然変異の傑作であります。今までとは全く違う、最高傑作との宣伝を信じ、購入したのですが、本当にそのとおりでございました。長く活動してきたバンドならではのいぶし銀満載の哀愁汁がしたたっておりながらも、落ち着いていないところが、ツボであります。メロコアではなくUKメロディックになってます。4曲目"Promise"のギターイントロを聴いて泣き、5曲目"Walk Of Shame"のギターイントロを聴いて笑う、なんとも楽しいアルバム。MILLOYやGREAT ST.LOIUSなんかが好物な人はいけるのでは。
GOOD MEN DIE LIKE DOGS "GOOD MEN DIE LIKE DOGS"
8曲入り10インチ。素晴らしいブツを発掘してくれた、今は亡きAge Of Distressさんにて購入。で、本サイトでも紹介しているPARKWAY WRETCHが前身バンドだそうで、期待通りの出来具合であります。PARKWAY WRETCHのところでも記載しましたが、巷にFIFTEENライクなバンドは少ないので、とっても貴重な存在であります。3曲目"Dreams Change"の曲の展開なんかは、FIFTEENの影響がもろで、微笑ましくて、顔がにやついてしまいます。勿論、単なるコピーバンドではないのでありまして、8曲目"Westbound10"等、格好良くて燃え上がる曲が散りばめられています。2010年リリース。
THE STROOKAS "DEAF BY DAWN!"
既に紹介した最重要UKメロディックパンクコンピ"THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND,SON"でも収録されていたバンド。ということで重要バンド。当初、編集盤"WHAT YOU WANT TO HEAR"(11曲目"Emmerich"最高!")を紹介していましたが、とうとう1992年リリースの1stアルバムがCDでも入手できる世の中になりました。北朝鮮で生まれなくて良かった。マンセー。この時期のバンドならではのHÜSKER DÜのフィルターを通しつつ、いかにもUKな哀愁泣き泣きサウンドが炸裂し、いやーええもんです。海外のサイトには、DINOSAUR JRの影響も書いてあったが、それもなんとなく分かります。
ZERO FAST "BAY CITY LOUD VOICES"
だみ声混じりの見事なツインボーカルとFIFTEENやJAWBREAKERを彷彿させるイーストベイな曲の展開が魅力的な2002年作の1stアルバム。曲によってはJAWBREAKERのパクリかと思えるようなどこかで聴いたフレーズが流れて来るので、強烈な個性を感じることはできないのですが、先に挙げたバンドが好きだという可愛い部分が私には感じられて、微笑ましくなってしまいます。それに加え、LEATHERFACEも好きな感じもするので(トリビュートにも参加してますよね)、勝手な推測ですが、結構、私と好きなバンドが被るじゃないんでしょうか。アルバムを通して、スピード感溢れながらもメリハリのある良い曲の連続で、一気に最後まで聴きと通せるので、なんだかんだで熱くて渋い名作なんだと思います。いや〜、"I Need...."なんか目茶苦茶格好いいわ。
BACKSEAT VIRGINS "BORN AGAIN"
アラバマのバンドの1stアルバムで2007年リリース。ジャケットを手にとってみると、買う気がなくなると思いますが、我慢してレジに行ってみてはどうでしょう。男女のボーカルのハーモニーが素晴らしくて、甘酸っぱさ一杯なサーフなポップパンクが繰り出されてきます。聴いているとQUEERS等、色々なバンドが思い浮かんできますが、とにかく爽やかで清々しい気分になってしまって、どうでも良くなります。超名盤ではないかも知れませんが、10曲目"Lucille"等、どの曲もキャッチーで良作です。アルバムとしてとても優れていますよね。
THE FIENDZ "REDEMPTION"
2002年リリースの5thアルバム。SP RECORDSさん的にはこの5thが最高傑作だそうですが、世間的(web上)には、2ndの"WACT"の方がどちらかというと評価が高いようです。確かに"WACT"は名作であることは疑いないのですが、よりサッドで哀愁好きな私には、より嗟嘆に暮れる声を張り上げる5ndの方が好みなので、SPさん案に一票入れてししまいます。パンク的要素を脳内で除くと意外と爽やかなポップスの音が流れてくるかもしれません。CRUZIAN好き、特にPORCELAIN BOYSなんかのどこか影のある感じが好きな方なんかは美味しく味わっていただけるのではないのでしょうか。
FINE BEFORE YOU CAME "CULTIVATION OF EASE"
イタリア産。ということからか、同郷のMILES APARTがお好きならどうぞという紹介文にまんまと降参して購入した次第。確かに全体を覆う切ない珠玉のメロディーは、MILES APARTというかEVERSORを思い浮かべることができますが、日本のバンド的な旋律の使い方も感じさせます。彼らよりもう少しエモ度をアップした感じですが、充分、私の許容度の範囲内でときおり激情ボーカルが挟んでくるのは格好いいと思うぐらいです。似ているかは別として、THE GET UP KIDS等もお好きな方にもお勧めです。2001年リリースの1st。
JIM ABBOTT "JIM ABBOTT"
佐賀県鳥栖のバンドの1stミニアルバム(2011年リリース)。疾走していく感じが実に格好いいのですが、メロコアな軽いそれではなく、LEATHERFACEなどの初期UKメロディックな荒々しくも渋くて泣けるスピード感なんです。盛り上がりまくりのメロディーが最高に気持ちいい6曲目"Hit On Nothing"などのオリジナルの名曲もありますが、おじさんには、HOOTON 3 CARの"Ginky"を取りあげてくれたことも嬉しい。これでHOOTON 3 CARを聴こうとする人が10人は増えるはず。7曲で駄作もないので、一気に気持ち良く聴けます。繊細かつ豪快なギターの激流の中でも、しわがれた歌声が負けずに絶妙なバランスでスピーカーから音塊として飛んできます。天下のFIXING A HOLE RECORDSからのリリース。で、京都でのライブ(2023年5月4日)に行きましたが想像どおりの刺激的な爽快感を味わうことができました。
AGAINST ME! "AS THE ETERNAL COWBOY"
傑作と認識しつつも、なぜか載せてこなかったこの2003年リリースの2ndアルバム。意外にもFat Wreck Chordからのリリース。久しぶりに聴きましたが、非常に極上な曲の数々に感服した次第であります。奥から込み上げる熱い気持ちが入った抒情性豊かなボーカルに切れ味鋭い演奏が絶妙に絡み合うことによって、熱さと切なさが同期し昇華するという名作。紹介するという表現としては、アコースティック・メロディック・パンクと記載するのが適切なのでしょうが、フォーク・パンク、FAT等の言葉を陳腐化させてしまう説得力のある演奏に圧倒されます。
MILLENCOLIN "FOR MONKEYS"
RANDY、NO FUN AT ALLとともにスウェーデン・メロディック界の大御所の一つのアルバム。スカを積極的に取り入れた初期からちょうどメロディック比重が傾いた頃の作品で、私の乏しい表現力であえて言うと、ALLに疾走感とスウェーデン風味をたっぷり振りかけた感じで、1曲目"Puzzle"から一気に最後まで聴けます。聴いている間の気持ちの良さは相当なものでリリース当時はかなりヘビーローテーションで聴いておりました。1990年代中期、私にとって、スウェーデンのバンドには、本当に楽しませてもらいました。1997年リリースの3rdアルバム。
THE METHADONES "THIS WON'T HURT..."
SCREECHING WEASELのDan Schaferがリーダーなシカゴバンド。2007年リリース。2ndアルバム"CAREER OBJECTIVE"は単なるラモーンパンクで個人的には個性をそれほど感じられず(大好き人、すいません)、ほとんど聴いていない状態なのですが(3曲目"Say Goodbay..."なんかはいい曲だけど)、胸きゅーんな哀愁を帯びたこの5thはメロディック・パンクなテイストで私のWebサイトにある程度興味ある人にはこっちの方が好きなのではと思います。なぜか、当たっているかは置いておいてふとALKALINE TRIOとGREENDAYが思い浮かびました。ちなみにうれしいことに2022年に初レコード化されましたよね。
HOSTAGE CALM "PLEASE REMAIN CALM"
ジャケットだけで判断すると、ロックンロールなパンクを想像するかも知れませんが、実際の内容は、甘酸っぱぎるにもほどがあるパワーポップ&メロディックなパンクであります。このアルバムを聴いただけでは、元々、ポスト・ハードコアなバンドだったと想像するのは困難であります(Bandcampで、初期作品である"Demo"も聴けます)。彼らに何があったのでしょうか。伸びやかで耳に心地良いボーカルに、これでもかの美しいメロディーの垂れ流し。あのJ.Robbinsとの共同プロデュースの3rdアルバム(2012年リリース)。
FOUR LETTER WORD "A NASTY PIECE OF WORK"
「四文字言葉」というバンド名による大好きな1stアルバム(1998年リリース)。他のアルバムの方が世間的な評価は高いかも知れませんが、私にはこの1stがあれば結構満足であります。ちなみにポリティカルなバンドらしいです。ごりごりで荒くて疾走感あふれるハードコアっぽい曲(7曲目"Departure"。初めの穏やかな流れからの爆走具合がめっちゃ格好いい!人生best30位曲)もありつつ、LEATHERFACE直系のUKメロディックもありーのでとっても熱くて泣けます。万人好みってわけにはいきませんが、私は好物です。なおLEATHERFACEのFrankie師匠がプロデュースしてます。
DESCENDENTS "MILO GOES TO COLLEGE"
歴史的価値を言えばBEST10級な作品。本当に失礼な位置にランクしておりますが、許してください。ALLを紹介したからもういいかなと思っていましたが、やはりメロディック・ハードコアの元祖の一つを紹介しないのは失礼かと。なんせ1982年です。このサイトを訪れてくれた人の多くはこの世にまだいなかったのでは。この時代にこんなポップなハードコアはこれまでなかったはず。まぁBUZZCOCKSの流れなんかで出てきたのかもしれませんが...。とはいえ、まさにアメリカ、全く湿っぽさはなしです。好き嫌いはともかく、古典的名作として入手しなきゃダメでしょ。個人的には"Suburban Home"や"Bikeage"なんかが大好物。ジャケットも含めニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久保存すべき1stアルバム。
DEAR LANDLORD "DREAM HOMES"
実のところ、私の趣味にばっちしはまっている傑作だと思います。なにせ、OFF WITH THEIR HEADSやTHE COPYRIGHTSのメンバーが参加しているので、悪かろうはずがありません。熱さ、渋さ、疾走感、哀愁全てが包含されたグッドメロディーに、さすがと納得。本来BEST50以内級のできなんですが、このバンドならではの独特の音ってものが薄いので、とりあえずこの位置に置いておきます。メンバーから予想された音が聴けるのは安心といえば安心なのですが...。2009年リリースの1stアルバム。あ〜そういえばボーカルが犯罪者になってしまいましたね。残念。
BEATNIK TERMITES "BUBBLECORE"
この酷いジャケットを見ればなんとなく音が分かると思います。そして、タイトルがバブルコアって分かりやすい。消費者を騙していない想像通りのラモーンなポップ・パンク。この種のバンドには聴き飽きて一見厳しめの私ですが、いや〜、こんなに糖尿病確実な甘酸っぱい音で攻めたてられると、降参であります。最初の1曲目"I Don't Wanna Hang Around"から最後まで意外と飽きさせない巧みな構成に加えて、思わず口ずさみたくなるような心わしづかみなメロディーが、日頃のイライラをひとときの間、解消させてくれることでしょう。1996年リリースの2ndアルバム。
THE STRIKE "SHOTS HEARD ROUND THE WORLD"
小気味よいメロディーと気持ちが入ったしわがれた声がいい感じ。加えて、印象的なメロディーを被してくるホーンやアナーコパンクな感じの女性ボーカルを挟んでくるのもアルバムのアクセントになっているようでそれまた良し。音的にはTHE CLASHやOiパンクなんかの親しみやすい要素を踏まえた上での2000年前後のメロディックパンクとなっているような気がします。アルバムを象徴するような超名曲があるわけではないですが、アルバムとして飽きさせないものとなっています。SCARPER!や’TONEなどの少しだけホーンを取り入れた変わり種が好きな人はどうぞ。ちなみにアルバムクレジットによると、ベースがテナーサックスを吹いているので実際のライブでは吹いていないかもしれません。ミネアポリス産の1999年作の2ndアルバム。
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