愛すべきその他のMELODIC G〜L

GAN "DO THAT AGAIN. AGAIN!?!"

ganGANのディスコグラフィーがとうとう2009年にリリースされました。彼らの現役当時はあのジャケのせいで買う気が失せてしまって入手に至らなかったわけですが(今は逆に好きになったけど...)、プレミア価格を無視して気長に待って良かった、良かった。VAに収録されていた1曲目"Blink"だけは知っていただけだったんですが、全曲、懐かしさがこみ上げる90年代前半UKメロディックが満開。全体を覆うAndyのギターがツボを掴みまくりで、なんとも格好いいとしか言いようがないです。"Alone Again"なんか大好き!

THE GASLIGHT ANTHEM "SINK OR SWIM"

gaslight anthemとにかくブルース等のアメリカの土臭さを感じたいうのが第一印象。UKものではあり得ない音。AGAINST ME! meets SAMIAMと記載すると過大評価となってしまうけど、イメージ的にはそんな感じです。海外サイトではBruce Springsteen(確かに"明日なき暴走"は格好いいけど)という名前まで出てきました。"I Coulda Been A Contender"などメロディーはしっかりしているし、アルバムとして優れています。2007年リリースの1stアルバム。その後、それなりにメジャーな存在になったようです。

THE GIFTHORSE "FROM THE FLOOR UP"

THE GIFTHORSE6曲入りなので、ミニアルバムと言ったらいいのでしょうか。1stアルバム"THE GIFTHORSE"は、私が大好きで巡るWebサイトの皆さんが大絶賛していたのですが、なぜか私は、そこまでの印象はなく(勿論、良作ですが...)、「なんで皆が激賞しているのに、その素晴らしさに気付いてあげらないのだろう...」と、なんか仲間はずれにされた気分になっておりました。しかし、このミニアルバムは、見事に私のハートを打ち抜くことに成功し、やっと皆さんチームに仲間入りできました。UKメロディック6割に、FARSIDE2割、STARMARKET1割、GAMEFACE1割な感じと記載して、皆さんを困惑させて終わります。2006年リリース。

GUITAR GANGSTERS "POWER CHORDS FOR ENGLAND"

guitar gangsters1989年頃から地道に活動しているギターパンクロックバンドの1994年リリースの3rdアルバム。名コンピ"UNDERGROUND ROCKERS Vol. 1"にも収録されているバンドです。これは疲れた時のおっさん用のパンクのように衝撃度とか疾走感とか皆無だけど、とにかく渋さと哀愁で勝負。再結成後のSTIFF LITTLE FINGERSやLUKERSと一緒にツアーをしただけに、"Bitter Sweet But True"なんかを聴くとちょうど、UKメロディックの王道の音と初期パンクの音の中間な感じです。若い衆にはちょっとだるいかもしれませんが...。

HELEN LOVE "THE BUBBLEGUM KILLERS"

helen loveタイトルどおりバブルガム・ニューウェーブ・ガール・ポップパンクとでも称せられるような音で胸をキューンとさせてくれる2005年リリースの6曲入りミニアルバム。おもちゃのような機械的でチープでありながらもなぜか切なくなるような音が所々に出てくるのは、かなりの才能の持ち主であると想像されます。心のとっても深くには、入ってはきませんが、"Debbie Loves Joey"など意外とイケますよ。ちなみにウェールズ出身のバンドだそうです。

HIDDEN SPOTS "HUNDRED MILLION VOICES"

HIDDEN SPOTS男臭いしゃがれ声のボーカルから、一見暑苦しい感じはありますが、実のところ、バックでは未加工で生々しい感じのギターが小気味よく掻き鳴らされているので、重苦しいNO IDEA系ぽさはなく、最初から最後まで、明日への希望が湧いてくるいぶし銀の珠玉のメロディーを楽しむことができます。特に7曲目"Postcards From Paradise"(FLESH FOR LULUのカバー)、9曲目"Don't Waste Your Days"そして締めの"Dance Dance"なんかがお気に入り。WHISKY SUNDAY好きなんかにお薦めかと。2009年リリースの1stアルバム。

HOT WATER MUSIC "FOREVER AND COUNTING"

HOT WATER MUSICレビューでの必須表現の一つである"LEATHERFACE風"と同様によく出てくるが"HOT WATER MUSIC風"というのがありますね。つまり、哀愁漂う汗くさいおっさんエモーショナルなパンクを表現する際に使われると思うのですが、ちなみにどっちも聴いたことのない人にはBYOから便利なスプリットが出ています。LEATHERFACE至っては再結成後の録音ですが、熱気ムンムンでいとよろしです。で、本作の紹介、忘れてました。皆さんは、私の趣味からしてHOT WATER MUSICのことを大好きだと思われているかも知れませんが、実のところ、もうちょっと疾走感がある方が好きなので、こんな位置にいらっしゃいます。"Rest Assured"など良い曲もありますが、個人的には聴き通すのはちょっとしんどい。とはいえ、影響力がデカイ、1997年リリースの円熟味溢れる3rdアルバムであります。

IPANEMA "IPANEMA"

ipanema言わずもがなMEGA CITY FOURのフロントマンWizによるバンドのコンプリート(2008年リリース)。MEGASでの"ガラスの17歳"的な繊細な青春の響きってものはここにはありません。立派な大人によるロックです。勿論、彼の声質は昔の面影があるのですが、メロディーを含め昔の方が良かったと思ってしまうのは、私の懐古趣味なのか、彼の実力なのでしょうか。とはいえ、誠実にロックそして音楽を愛して逝ってしまったのは間違いないようです。R.I.P.

I WALK THE LINE "DESOLATION STREET"

I WALK THE LINEMANIFESTO JUKEBOX、WASTEDらのメンバーによる2ndアルバム(2005年リリース)。来日もしてましたね。フィンランド産とはいえ、THE PHOENIX FOUNDATIONや前述したMANIFESTO JUKEBOXらと同じようにUKメロディックな傾向が強いというわけではないです。ハードコアな感じはなく、土臭いロック度が高い感じがするだけあって、スピード感で勝負ではなく、男的な渋さや曲自体の良さで勝負といったところでしょうか。ちょっと趣向を変えてみたい時なんかにどうでしょう。本作の中では3曲目"Grand Collapse"がお気に入り。

THE JONES "GRAVITY BLUES"

the jonesご存じUKメロディック界のスーパーギタリスト兼ビール腹親父のDickieが在籍したバンド(なお、H.D.QのGollyやABSのRichieも在籍)の2000年リリース。彼がいるとある程度の水準以上なので、安心して聴けるはずなのですが、最初はどうもあまり感想が思い浮かばないうちに最後の曲まで辿り着いてしまうことが数度。しか〜し、聴き込むと味わい深くなってくるんですな〜。まるで、うまみ調味料がかかっていないスルメのように。伸びやかに表情豊かに歌い上げるボーカルがいとよろし。H.D.Qだし当たり前か。

JAYVEE "HOPE SPRINGS ETERNAL"

jayvee音楽に関しては、日本的なものは後回しにしてしまう私。本や映画等は日本的なものが好きなのに...。昔からロックと称しながら歌謡曲の枠からはみ出していない多くのバンドには興味がありませんでした。で、疾走しまくりながら、イーストベイの積もりが知らぬ間に日本的な情緒を醸してしまっているこのアルバム(違っていたらすいません)。なんかややこしいこと書きましたが、大好きです。日本の伝統の男女ボーカルの絡みがなんとも格好いいです。2008年リリースの1stアルバム。

J CHURCH "CAMELS,SPILLED CORONA AND THE SOUND OF MARIACHI BANDS"

J CHURCH初期のシングル集(1994年リリース)。どのアルバムもまさしくJ CHURCH節でどれを選んでもいいんだけど...。逆に言えば、彼らに完璧なアルバムはなく、どうでもいい曲が必ず埋め込まれています。とはいえ、ハワイのおっさんの外見からは想像できない、最後の曲"Rockville"などLanceのいい声と共に流れる素晴らしいグッド・メロディーが涙腺を緩めてくれます。ちなみに公式サイトによると、本作品中、2曲でJAWBREAKERのBlakeがバックコーラスとして参加しているともに、Adamもドラム叩いているようです。これまで、CRINGER時代も含め、素晴らしい音楽を提供してくれて有難うございました。R.I.P.。

JON COUGAR CONCENTRATION CAMP "'TIL NIAGRA FALLS"

JON COUGAR CONCENTRATION CAMPジョン・クーガー・メレンキャンプをおちょくっているとしか考えられないバンド名。RAMONESのカバーアルバムを出しているバンドのため、アルバムの曲も聴かずにRAMONES風って書いてある場合もありますが、この2ndアルバム(1997年リリース)に関しては全く違います。曲によってはNINE POUND HAMMERやVACANT LOTを一瞬感じさせる、ポップなハードコアな感じ(書いてて意味分かんない)。しわがれたボーカルが良しです。8曲目"Exchage"なんて結構泣ける大名曲だと思います。

JOE NINETY "LIFETIME OF EMPTY THREATS"

joe ninetyDAUNTLESS ELITEのメンバーが以前にやっていたバンド。個人的にはDAUNTLESS ELITEの完全勝利なのでありますが、やっていること自体はあまり変わっていないので、結構いけていると言ってもいいのでしょう。イギリス産なのですが、ギターの音を聴くと、THE BROADWAYSのザクザクギター(?)を思い浮かばせます。DAUNTLESS ELITEに比べ疾走感はありますが、渋さに欠けるきらいがあるかもしれません。とはいえ、かなりのレベルにあります。2001年リリースの1stアルバム。

KARMELLA'S GAME "YOU'LL BE SORRY"

KARMELLA'S GAMEこれをここで紹介するべきか、別のジャンルとして紹介すべきなのか悩ませた傑作。パンクが持つ攻撃性はここにはどこにもありません。しかもピコピコなキーボードも入ってます。パワーポップ度、全快。本来、無視したら良いのでしょうが、ご存じのとおり、あちらこちらの私が巡るWebサイトで大絶賛。皆さん、戸惑いつつも、多分、この女性ボーカルの声質とドラマチックなメロディーにメロメロになってしまっているのでしょう。ま〜、私も同じ部類であります。7曲目"A Test"や12曲目"Sorry"で撃沈。涙腺緩みっぱなしですわ。2009年リリースの2ndアルバム。

KICK JONESES "STREETS FULL OF IDIOTS"

kick joneses1曲目"No Heart II"から2曲目の大名曲"If There Was A God"の展開がとっても好きな私。ドイツ産ですが、UKメロディックに近い雰囲気を持ち合わせており、1997年リリースであるものの"メロコア"ではなく、ちゃんと"メロディック・ハードコア"と呼びたいおっさん世代のハートを掴む内容。但し、後半部分はそれほどっていうことで、ランキング外な位置にいるわけなんです。もうひと頑張りが欲しかった。1stアルバム。

LATTERMAN "WE ARE STILL ALIVE"

lattermanラストアルバムの3rd(2007年リリース)。メーターが振り切れるような情熱的なボーカルに憂いのある切なく、そしてキャッチーなメロディーが畳みかけてくるとなれば、ハイ、完璧に私が好きなタイプです。なぜかこんな位置で冷遇されていますが、多分、聴き込めば、もっともっと好きになる気が...。3曲目の"I Decided Not To Do Them"なんか、とっても心の琴線に触れるグッド・ソングです。エモ好きだけではなく、FACE TO FACEやDILLINGER FOURのような熱血メロディク・ハードコアが好きなら、挑戦してみては如何。

THE LEIF ERICSSON "THE LEIF ERICSSON"

LEIF ERICSSONSNUFFやLEATHERFACE、はたまたCHOPPER(TOUR EPでは"Blandford"をカバーしてます)、HOOTON 3 CAR等の王道UKメロディック直系の音を出すキャリアのある連中。Best10級な超々大名曲である2曲目"Göttingen"なんて出だしから、あまりの格好良さに泣きそうになります。いやー、この曲のせいで、他の曲の印象が薄くなってしまい、アルバム全体の評価は、ぼちぼちとなってしまい、LAG WAGONの1stアルバムでの超々大名曲"Angry Days"での扱いと同じようなものが思い浮かんでしまいます。ということで、A面1曲、B面10曲のシングルとして購入してみてください。2007年リリース。

LIFETIME "HELLO BASTARDS"

lifetimeエモのエポックメイキング的作品として有名かつ過大評価されていると思われるアルバム。1995年リリース。確かに6曲目"(The Gym Is) Neutral Territory"なんかは最高に熱くて格好いい曲でありますが、アルバムとしては別にメロディック・パンクの良作といった評価で十分なのではないでしょうか。ちょっと言い過ぎました。大好きな人、すいません。ちなみに8曲目"It's Not Funny Anymore"はHÜSKER DÜのカバーです。

LUDICROUS LOLLIPOPS "SCRUMDIDDLYUMPTIOUS"

LUDICROUS LOLLIOIOS1992年産の12インチ4曲入りUKメロディックであります。4曲入りUKメロディックEP作品に駄作はないのではというのが私の印象でありますが、これも然り。駄曲を挟んだ10曲詰め込んだアルバムを聴かされるぐらいなら、4曲作品ってフォーマットは忙しい現代社会にはちょうどいいのでは思ってしまう。で、本作品。誰もがぐっとくるピロリンギターを挟んだキラキラ名曲である1曲目"Lies About My Life"だけなく、印象的なイントロの3曲目"Time Spent Hiding"も私のお気に入り。4曲入りがいいと記載しましたが、実のところ、コンプリートCDを誰かリリースしてくれないかな〜と思っている今日この頃であります。


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