

平成24(2012)年3月17日(土)雨

ようやく梅が咲き誇るようになりました。この写真のように白梅が青空に映えた時の清冽さが小生は大好きです。
さて、小生は、放送大学でご指導いただいた御厨貴先生のお弟子さんたちと一緒に、以前から「政権交代研究会」というのをやっています。今般、そのメンバー12人で分担執筆した御厨貴(編)「政治主導の教訓」という本が勁草書房から刊行され、小生も第9章を書いております。もしよかったら見てみてください。アマゾンでも案内していただいています。 御厨貴(編)「政治主導」の教訓: 政権交代は何をもたらしたのか
小生の書いた第9章「世論応答と専門知の相克」は、最近Aoneさんが掲示板(読者の広場)に書き込んで 下さったのと同じ問題意識です。要は、亀井静香氏のようなポピュリスト政治家が金融担当大臣を担うと、資本主義の規律が失われ、企業も個人も国にもたれかかるようになる、これがどうにも小生には我慢がならなかった次第です。財政の問題も同様ですが、ばら撒きを良しとする政治家はもう願い下げにしたいものです。富の再配分も重要ですが、健全な起業家精神と競争による切磋琢磨が途絶えてしまうと富の源泉を失うことになり、日本には未来はありません。外国からの借金が返せないことを恥とも思わないギリシア国民のようにはなりたくありません。世界から尊敬を集めて生きるのと侮蔑の目で見られながら生きるのと、どちらを選びたいのか、21世紀は各国国民の覚悟が問われているのだと思います。
東日本大震災から一年が過ぎました。この震災の後の地元信用金庫の苦悩と使命感を描いたドキュメンタリー番組について記しました。既にフェイスブックで公開していますが、今回 東日本大震災と金融機関として掲載しましたので、こちらも是非ご覧下さい。
平成24(2012)年1月29日(日)快晴

きょうの東京多摩地方は乾いた北風が吹き付ける寒い日でした。先週は久々の積雪で、あちこちの道路や通路が凍りついて何度も滑って転びそうになりました。左写真は一橋大学の兼松講堂前にこさえられていた雪だるまです。雪の降った日にここを通った時には無かったのですが翌朝にはしっかり出来上がっていました。
さて、2000年から2006年頃は、世界的に景気回復と資産価格上昇が見られた時期です。世界同時の信用膨張期において、各国の金融規制・監督当局は、様々な異なる対応をとり、結果として、ある国では資産バブル発生を未然に食い止め、別の国ではバブル膨張を抑制できず、その崩壊による金融システム不安定化を招来しました。この世界同時の信用膨張期に各国がどのようなプルーデンス政策(信用秩序維持政策)をとったかについて、成功事例、失敗事例を比較することは歴史的教訓として重要です。
06年前後の日本のケースでは、金融庁が証券化商品について不動産業者や銀行に相当厳しくチェックをかけ、結果としてバブルを拡大させないことに成功し、その後リーマン・ショックが伝播して生じた信用収縮が金融システムに与える影響も最小限に食い止めました。また、一部のREITや新興不動産業者の倒産があったものの、REIT市場全体としてはその後も正常に取引が行われ、不動産ファンドの規模も横這いで推移しており、深刻な不動産不況を喚起するような作為過誤も生じませんでした。結果としては、80年代バブルを抑制できなかった大蔵省の教訓から学んだ金融庁の踏み込んだ対応は「なすべき作為をなした」ことになります。同時期の米国の住宅バブル膨張に対するFRBの対応(不作為過誤)と比較すればこのことは明らかです。なお、カナダも米国の隣国で影響を受けやすい国であるにもかかわらず、不動産バブルを未然に防ぎ金融システムが揺らぐことはありませんでした。
さて一方の米国です。2006年当時、米国の住宅市場は既に陰りが見えていました。しかし、最近公開された2006年のFOMCの会議の議事録を分析したニューヨーク・タイムズの記事によれば、当局者たちは06年を通じて「重要課題は景気過熱によるインフレの恐れである」と論じ続け、住宅市場が経済を揺るがす可能性についてほとんど注意を払っていませんでした。彼らは住宅業者が何とか住宅を売ろうともがく様子をジョークのネタにしていました。FRBの理事らが住宅市場の重要性を認識しなかったのは、第一に、住宅市場が金融市場と密接に関係していることに対する認識が足りなかったこと、第二に、金融技術によってリスクが広く分散されることによって金融システムが強化されていると信じ込んでいたことが原因である、と分析されています。
2011年7月11日 ドラマと歌舞音曲と−心に残る「羽衣」を掲載
2011年1月23日 読者の広場(掲示板)に書き込み
2010年10月2日 佐渡の人たちの心意気−武蔵国分寺薪能にて−を掲載
小生が自作の雑文集を公にしようと思い立った経緯は、本文の「序」をお読みいただきたいのですが、要するにこのホームページは、「情報」を得るためのサイトではありません。自立した大人が「考えるヒント」を得るためのサイトであり、より良き生き方を求める人が「古典と対話するための感性」を覚醒させるためのコーナーであり、日々実務に追われる誠実な職業人が「日常生活から離れた知的好奇心」を喚起するためのページです。
このサイトは、あたかも本を読むような構造に出来ています。どうか読書気分で開いて下さい。ただしインターネットの唯一の欠点は、本と違い、寝転がって読めないことです。そのうちにまとめて本にできたら、と思っています。
ご意見、ご感想などを是非メールでお寄せ下さい。できる限り、お返事するようにします。もしあなたのご意見、ご感想を公開させていただいてよろしければ、掲示板にご記載下さい(ペンネーム、匿名でも結構です)。
平成12(2000)年5月
◆序
◆古典派からのメッセージ・1973年〜1999年:すべて掲載済み
◆古典派からのメッセージ・1999年〜2000年:四編を除き掲載済み
◆古典派からのメッセージ・2001年〜2002年:三編を除き掲載済み
◆古典派からのメッセージ・2003年〜2004年:一編を除き掲載済み
◆古典派からのメッセージ・2005年〜2006年:三編を除き掲載済み
◆古典派からのメッセージ・2007年〜2008年:すべて掲載済み
◆古典派からのメッセージ・2009年〜 :掲載中